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退院直後父は湯呑を差し出して
「あと少しだけ、水が飲みたい。」と
看護師の母と妹に言った。
手の震えを抑えつつ
湯呑を落とさぬよう
中々力の入らない両手に
ありったけの力を込めて。
....
冷たくなった父の手の上に
菊の花をそっとのせて
石で棺に釘を打ち付けた
冬の昼下がり。
微かに差した日差しの中で
手を振る父の姿が見えた。
それは
我が子を育む願いのように
手 ....
父にあやされて
ようやく眠る小さな小さな甥っ子。
ぽん・ぽん・と背中に優しく触れて
胸にかかる寝息を浴びながら
空を見上げて呟いた。
「ぼくはもう、何もいりません。」
遠い昔
....
粥を含んだ口元。
生きる事をかみ締めるかのように
ゆっくりと唇が動く。
とろとろに煮込んだ粥は味付けも無く
米の甘みが弱った体に優しい。
おわん半分に残した粥を下げたとき
父は ....
mizunomadokaさんの梓ゆいさんおすすめリスト
(4)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
喉の渇き。
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梓ゆい
自由詩
4
18-12-19
お見送り
-
梓ゆい
自由詩
4
18-12-10
些細な幸せ
-
梓ゆい
自由詩
1
18-11-28
1/2
-
梓ゆい
自由詩
3*
15-6-2
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