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最初から廃墟だった場所で
最初から破片だった言葉を
拾い集め交わし合う
それは破片だから
時に自らを 誰かを
傷つけてしまう
しなやかで
すきとおる思惟で
編み上げられてゆ ....
静かな波が 寄せては返す
白い砂浜
あまりにも明るく眩しい 夏の太陽
青い空
青い海
波打ち際の波は透明
何故この波打ち際を
歩いているんだろう
夏に海に来るのなど
好きではなか ....
透明すぎて何も見えなくなった視界を
侵蝕する夏
振り向いては駄目と云った
爛れ落ちてゆく意識で
最後に何を感じたの
ああ {ルビ懶=ものう}い
純粋ごっこの残滓に
濁った火をつけ ....
七月を纏って
汀を歩いてゆく
寄せては返す 透明な波
やがて小さなさびしい桟橋へ
たどりつくだろう
そこから灰色の舟で
向かうだろう
いちばんなつかしい日へ
記憶と予感との ....
きらびやかな空が 剥がれ落ちて
菫の咲くほとりをたどって
指たちの
踊る環
ひとつ
ふたつ
みっつ
やわらかな綻びから
洩れる調べの
....
硝子窓のうちそとに
冬が満ちてゆくとき
光の言葉と影の言葉が
中空であえかにもつれあう
君の翅を食べた
君がそうすることを望んだから
君の翅はよくできたお菓子のように
心地よい甘さで
もろくあわく溶けていった
最後に君の背に残る
翅のついていた痕をそっとなぞると
それも夢の ....
銀の森へ行こう
君の果てと僕の果てが
かさなりあうところにある
銀の森へ行こう
銀の森へ行こう
そこには透明な木霊たちが棲む
たぶん 君も僕も
歌うことができなかった歌たちの木霊
....
微睡む窓から
静かな私が飛びたつ
静かさに沿うかぎり
どこまでも遠くまで飛んでゆける
さえずりや
せせらぎや
さざめきや
ざわめきや
を 内包しつつも
静かさは静かさのままで
....
幾重もの黄昏が
共鳴する中を歩いている
自分の黄昏
知っている誰かの黄昏
あるいは知らない誰かの黄昏
数知れぬ意識の黄昏
黄昏てゆくのは今日という日
あるいはなんらかの時世
あるい ....
Ⅰ
いちばん繊細な季節が
君の心をうす青くゆらめかす
君は君自身の内部へ
幾重にも囁く ひそやかに震える叙情詩を
季節の弦と鍵盤とが
君の想いを奏でるままに
銀のきらめきを 彼方へと ....
真夜中の解放区にたどりついて
心はこわばっていた輪郭をほどいてゆく
すると時空はみるみる遊色化し
心の奥に隠れていたいちばん柔らかい部分と
とめどなく融け合うのだ
やがて眠りがお ....
少年の 碧い心音が 秋桜の花束と 共振するから
ほろほろと 崩れゆく 夜の輪郭を 掬いとる指に
まとわりつく記憶は 水彩の淡さで かなしく
けれど窓の遠くに 群青の塔群が 絶え間なく
銀の月と ....
君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る
君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る
君は踊る
....
砕かれたうす赤い冬薔薇が
華奢な少年の頸すじに散る
銀色の沈黙を張りつめる空に
黒く慄える梢が罅を入れてゆく
{引用=*四行連詩作法(木島始氏による)
1.先行四行詩の第三行目の語か句をとり、その同義語(同義句)か、あるいは反義語(反義句)を自作四行詩の第三行目に入れること。
2.先行四行詩の第四行目の語 ....
mizunomadokaさんの塔野夏子さんおすすめリスト
(16)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
失伝説
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塔野夏子
自由詩
7*
24-4-29
波打ち際
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塔野夏子
自由詩
3*
22-8-21
衝動の夏
-
塔野夏子
自由詩
6*
22-7-31
汀
-
塔野夏子
自由詩
6*
22-7-23
早春小景
-
塔野夏子
自由詩
11*
22-3-15
静寂のエチュード
-
塔野夏子
自由詩
8*
21-11-25
君の翅
-
塔野夏子
自由詩
13*
21-10-5
銀の森
-
塔野夏子
自由詩
3*
21-1-31
微睡む窓
-
塔野夏子
自由詩
4*
20-6-13
共鳴する黄昏
-
塔野夏子
自由詩
11*
20-5-27
君の在る情景
-
塔野夏子
自由詩
3*
19-3-17
真夜中の解放区
-
塔野夏子
自由詩
7*
18-12-19
碧い心音
-
塔野夏子
自由詩
4*
18-12-9
踊るひとのための連祷
-
塔野夏子
自由詩
23*
12-5-23
北_窓
-
塔野夏子
自由詩
4*
11-12-29
四行連詩_独吟_<都市>の巻
-
塔野夏子
自由詩
5*
11-5-19
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