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あんまりな寒さの中
夜空に舞い散る雪が
そうではなくて
桜の花びらだった

もう春がきたのかと
思うことは叶わぬほどに冷たく
このかじかんだ手を
どうにかしたいくらいだ

頬に吹き ....
衣擦れの音が
耳に心地よくて
寝たふりを続けるから
もう少し
歩いていて欲しい
曲げたままの右膝が笑う
歩くなんてしないよ
膝が笑っていたいから
土手に咲く蒲公英でも眺めているさ
散歩に連れられて来た犬が吠えると
少しビビったりもするんだけどさ
ほんの少しだけだけどな ....
熱気と水分を大いに含んだ空気に覆われた六月のあの日はすでにもう遠い昔 嗚咽を抑えつけるために
息を止める
どんよりとのしかかってくる薄墨色の雲を見上げて
立ち止まる
涙の雫が零れ落ちてしまわないように
拳を強く握りしめてしまわないように
まだまだもう少し
 ....
表に出る

冷たい風を受けて
少し歩を進め
暖かさを覚える

手袋を外し
マフラーをほどき
コートの前を開く

玉響に春の訪れを
この身に受けてみる

気分が晴れはしないけれ ....
春が近いというのに
雨が降る
まだ冬だ
まだ寒いのだと
居丈高に叫ばんばかり
猛威を奮う勢いで
果敢に冷たい風を吹き付け
横殴りの雨を降らす
梅の花を開かせぬよう
月の光を輝かせ
 ....
掻きむしりたいほどのこの感情は
時間が忘れさせてくれることもなく
この心の底でいつまでもくすぶる

手のひらの痒みが消えないのと同じで
痒みを忘れることはあっても
またいつかやって来る
 ....
眩しい太陽が見たい
強い陽射しが

暗い空も
澱んだ雲も
冷たい風もいらない
横殴りの雨や
蒼の炎を放つ月も
打ち消すほどの
太陽が見たい

空気は冷たいままでいい
眩しい太陽 ....
少し射に傾いて
右肩の方だけを床について
身を縮こませて
寝転んで見る

右目の玉だけを動かして
空を流れる雲を見ようとしてみたり

このままの状態で右手の小指を
動かそうとしてみた ....
ソテーされた鮭が
鮮やかなピンクの身を
煌めかせ

固く炊き上げられた玄米が
香り立つ

岩のりが添えられた
ほうれん草の緑は
彩りを添える

しかしながら
これらの魅力的な惣 ....
見上げた空は
ただくすんでいて
希望の光とやらの
筋さえも見えず
暖かな陽射しの兆しも
白い月の欠片も
一点の曇りも明るみも
なにもなく
ただそこに広がっていた

そんな空をただた ....
mizunomadokaさんの坂本瞳子さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
まだ見ぬ春は- 坂本瞳子自由詩2*23-3-10
束の間- 坂本瞳子自由詩1*22-7-6
右の膝- 坂本瞳子自由詩1*22-3-26
想い出- 坂本瞳子自由詩2*21-12-29
フェイク- 坂本瞳子自由詩4*19-11-3
春だのに- 坂本瞳子自由詩2*19-3-13
春近き夜- 坂本瞳子自由詩2*19-3-3
新しい風- 坂本瞳子自由詩6*19-2-23
太陽が見たい- 坂本瞳子自由詩4*19-2-22
生態模型- 坂本瞳子自由詩2*19-1-15
マルディグラ- 坂本瞳子自由詩4*18-12-19
空を見上げて- 坂本瞳子自由詩3*18-3-18

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