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夜の荒れ野
肉厚の双葉
祈りに閉じる
滴の手のひら
瀧が桜に覆われ
音しか聞こえない
やがてすべてが
流れの先に遠のいてゆく
舗装路の亀裂に
沈み ....
海岸には 誰もいません
本が落ちていました
文字も絵も無く
ただ幾重にも
波のかたちに濡れていました
銀河は
人々のなかに散ってしまいました
姉は最初からいません ....
死神の愛馬はたいて冬囃子
傘を咬む波の輪かかげ雨を招ぶ
まぼろしはまぼろしのまま糸車
泣く子から泣く子へ雨を遠去ける
髪の毛の花と同じ空く ....
羽が咽を打つ
いつも
目をつむるときに
街の終わりから
目をそらすときに
手のなかに燃えるものが
あざやかに吊るす
昼と午後のあいだの光
暗がりに消える径
....
斜めの鏡に映る逢魔
草が双葉へ渡す花
解体される建物が
料理のように匂いはじめる
小さく鳴る水藻
かわいては沈み
ふたたび浮かび
壁と影を繰りかえし濡らす
....
あなたの肌に聞こえるものが
他の何処にも聞こえぬという
蝕のあとには何も無くなり
皆あなたの肌を聴きたがる
カーニバル
雨の針
グライダー
嘆いても嘆いてもはじま ....
水にとける傷
とくとくと
しるしのように
書き換わる
何ものもなく何ものもなく
気付くと在った手のなかの音
微塵につづく
こがねの拍手
鳴りひびくの ....
ぼきぼきとつらら喰うたび牙となる
我が身から生まるる銃群我が身撃つ
ぐるぐると腕まわすたび獣降る
灯の羽や吹雪に径を曳いてゆく
....
昇る午後の軌跡には
川のかけらが硬くかがやく
何かが水に降りては飛び去り
音や光を底に残す
冬を作り 夜を作り
誰もいない道を去る
朝の雨を見る
昼の ....
荒んだ目の子が
昼を見ている
風は高い
指は遠い
地にあおむけの空が
上目づかいで地を見つめる
腕ひろげ
見つめる
誰かが見たいと望んだ数だけ
月 ....
草の根元
ひとつかみの声
闇を分ける
指先の青
饐えた氷のにおいがする
ほころび 川岸
小さな小さな穴のむこうに
穴と同じ世界がまたたく
したた ....
氷の角度の緩いほうから
あけるつもりもなくあけた扉から
かわいた風が入りこみ
指のふくらみのはざまに熱い
奏でること
月から目をそらさずに
奏でること
奏でつ ....
うろこの陽すべてをすべて指し示す声がきこえる声がきこえる
かがやきよ窓くだき割るかがやきよかけらに混じる空を数えて
しるべは木しるべはまなこしるべは火かたち ....
先の尖った柱は寒い
鳥が一羽も近寄らない
たくさんの巣に囲まれた
先の平たい柱の横で
自身を削ってはうたを歌う
削らねば歌えぬうたを歌う
背を向け 火を聴く鳥 ....
ゴースト(無月野青馬)さんの木立 悟さんおすすめリスト
(14)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
ひとつ_結晶
-
木立 悟
自由詩
3
13-11-13
Echo_Wreck
-
木立 悟
自由詩
7
13-4-5
冬と呪
-
木立 悟
俳句
3
12-11-22
ひかり_めぐり_Ⅱ
-
木立 悟
自由詩
5
12-9-22
The_End_Of_An_Ear
-
木立 悟
自由詩
6
12-5-17
ノート(49Y.5・9)
-
木立 悟
自由詩
4
12-5-11
朝へ_傷へ
-
木立 悟
自由詩
5
11-2-16
菓子喰らう菓子(魔法)
-
木立 悟
俳句
2
11-2-7
ふるのぼる
-
木立 悟
自由詩
6
09-9-28
降り来る言葉_XLIII
-
木立 悟
自由詩
2
09-9-22
輪の波
-
木立 悟
自由詩
5
09-9-20
夜と風
-
木立 悟
自由詩
4
09-8-12
青と叫び
-
木立 悟
短歌
5
08-6-23
ノート(柱)
-
木立 悟
未詩・独白
3
04-2-17
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