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ゆがんだ世界とうまくやっていくために
ひずんだ言葉に沈潜してゆく
絶望という名の回虫が腸の中で
成長している
季節はずれのハエが
安楽椅子で眠っている
年老いた神様の口元に
止まっている ....
朝露の滴る草むらに横たわり
私の身体はがらんどうなのに
脈を打っていた
温もりもわからず
コロンカラン コロンカラン
流した涙は
冷たい石のような音を立てて
深い井戸に落ちた
....
また差し歯がとれた
一年で三回目
歯を磨いていたら音もなく
歯医者もさすがに見過ごせなくなったのか
作り直しましょう
と言った
しかし
それでだめだったら入れ歯ですよ
と続けた
僕は ....
真昼の頂点に、輝く水飛沫があがり、影のない一瞬 私は
ぽかんと口を開けて、天頂を見る、ヤブ睨みをする
不機嫌だった幼児も、相貌を崩し 笑い出す
はしゃぎだした子供たちに大人たちはお手上げ
だけ ....
朝焼けは随分きれいで
青紫のしじまに黙りこくり
そっとアクセルを踏み込む
見慣れた速度で
過ぎていく風景をやり過ごす
少し肌寒くなったようで
エアコンのスイッチを消した
仄かに燃えて ....
海月が波に流されて浜辺へ打ち寄せられた
今年も何かが終わってゆく
めぐりめぐる喪失の流れ
ぶよぶよとした透明な塊は
逢瀬と誕生の名残り
てのひらに白い貝殻をのせ
息吹の痕跡を確かめ ....
iPodから流れる
リロンのさわやか会社員を聴きながら
雨雲の去った青空を見上げてると
心も伸びやかに
どこまでも泳いでいける気がする
いつか親友と走った道
うぶだけど どこかませて ....
僕は僕の皮を剥いてゆく
そろり そろり
痛くしないように ゆっくりと
不安 欺瞞 恍惚
嘘に包まれた僕を ゆっくりと剥いでゆく
随分痩せっぽちだったのに 今じゃメタボリ ....