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夜ごはんは、
コンビニで、ニラ95円を買って、
玉子がふたつあったので、
ニラ玉。
ご飯をたいて。
へやの中は、
いま、
ニラのにおいが充満している。
充満しているなかを、
昨日 ....
選手もいない
観客もいない
ただマウンドの上に
白く滑らかな豆腐だけがあって
時折吹く風に
ふるふるとしている
気がつくといつも
そんな球場を眺めている
受けとめきれない言葉が在るのは
なんら不思議ではなく
すべての言葉を
受けとめきれるつもりで
自らを削ぎ落としてしまう行為こそが
とても不思議で
ただ哀しい
それなのに
まったく等 ....
スーツケースに座って
迎えの車を待っていると
これから旅立つ人たちがいて
不思議
一秒のすきまもなく
誰かが空の上にいて
未来を保留し続けていく
胸が痛むような思いをしてない
ふいに窓が開いても外を見ないことがある
カリフォルニアの陽射しと乾燥に
肌がもつれた
その重さは
私のために作られたものではなかった
眠っているうちに誰か ....
僕のお腹まわりは酷くなったので
皆からトドだの
セイウチだの
と陰口を叩かれるに至ってしまった
流石にこのままでは駄目だと思っているのだが
なかなかお腹はへっこまない
へっこまないので ....
運命の日まで あと4日
”がんの疑いがあります”
そう 医師から聞いたとき
いたって平静だった
あたし
休みの間も
好きなところ行き
ひとり ホテルに泊まり
自分の時間 ....
あちこちを
耕してみては
首を傾げる
そよそよと
春風に笑われても
わたしは一度だって空を見下ろしたことがなくて
たとえばそんな風に
きみを感じていたいんだ
わたしの瞳に沁みる果てしない色の
その不確かさを
できるかぎり
ながく ながく
....
「爆発したらおもしろいよね」
といいながら
隣人の頭にダイナマイトをつけて
その導火線に点火し
爆殺することがはやり
遊び感覚で命を
もてあそぶ人間がふえたので
それはだめだと
断言し ....
新しい駅ができたり
引越ししたりして通らなくなった道
そんな道の道端に咲いていた花々を
覚えている
ひとんちの玄関先のプランターのシラン
マリゴールド、勿忘草
線路わき法面斜面のカリン ....
大事なものには形が無い
無いものを確かめようともがく
心はあるか?
心は見えない
心はさわれない
心が無いと思う人はいない
大事なものには形が無い
無いものをほしがって今日も泣く ....
{引用=
山の細胞があんなにゆっくり色づいているというのに君ときたらせっかちでいけない}
学校で図書館で自分の部屋で
本屋でコンビニであなたの部屋で
髪の毛の一本でも爪の ....
今迄のオイラは
少々の向かい風が吹けば
へこたれて
縮んだままになっちまう
ひ弱な{ルビ御玉杓子=おたまじゃくし}なのであった
物語の続く台本を、いつも
何処かに投げ捨て ....
月に片足つき
足をくじいた
子供の頃を
大事にして
今は海に
とけるだけ
久しぶりの長電話の末に
ケータイのバッテリが切れかけ
「次は原宿」と
約束する振りをした
あれがラストだとは
まさかそのときは
思っていなかったから私
中途半端な態度のままだった
....
私が
景色を切り取って綺麗にうたおうとしている朝に
母と祖母が冷たい戦争をしていた
庭では 冬支度がすすんでいた
家の中の空気と 外の空気が
同じぐらいの温度の朝だった
無言とは
ひ ....
学校にナイショで
バイト三昧
学校の勉強より
真面目真剣
少々キツイが
時給は高め
煩い店長
いなけりゃ最高
なんだかんだで
なんとか頑張ってるよ
客に紛れて
時々やって来る ....
悲しみにはぐれて
頭だけで歩いている
まだ銀杏は緑いろだ
頭も肉体の一部なのに
頭は肉体と比べられている
肉体のほうが信用されている
それこそ嘘だ
坂道は薄曇 ....
アブラゼミの心の声が聞こえちゃって、聞こえちゃって
朝から晩までノイローゼ、ノイローゼ
ウスバカゲロウの心の声が聞こえちゃって、聞こえちゃって
朝から晩までノイローゼ、ノイローゼ
....
ザラザラとした夜があける
胃液、精液、血が溶けあい、朝陽のなかにまじりあう
永遠を走りぬけるためには
この路地という路地を 誰も起きてこない間に
疾風のように駆け抜ける必要がある
朝 ....
不安な気持ちでたまらない、と
夜、入院している父から電話があったので
病院まで行く
今日はリハビリ頑張りすぎて疲れちゃったんだね
そう言って落ち着くまで父の頭を撫でる
その帰 ....
十七年も前の、夏祭りの夜
祖母に連れられ、幼い私は手を引かれ
祭りの光の中に溶け込んだ八歳の姉を
捜し歩いていたのだ
途中、祖母に駄々をこね
一匹の紅い金魚をすくってもらった
二人と一匹は ....
このままお前の息の根が止まれば良いのにな/そうしたら/明日/同窓会に出なくて済むからな/お前の見窄らしい姿/を/旧友に見せるくらいなら/窒息死させるさ/消えてくれ主人格/お前の居場所はとうに無い/俺に ....
「ゴールキーパー」
こっちのゴールマウスから
あっちのゴールマウスを見ていると
500mくらい離れている気がした
あっちのゴール付近ばかりが賑やかで
仲間外れにされた気分で突っ立 ....
「ドッジボール」
ドッジボールで一番最初に当てられる
外野に行ってボールを掴んでもボールを奪われて投げさせて貰えない
外野にいても何故かボールを当てられる
教室に戻ってもボールを当 ....
「鉄棒」
無理強いされた逆上がりでヘマをして背中から落ちて
立ち上がったら黒い虫が潰れていたのが分かって
潰れた脚を引っ張ってなんとか元に戻そうとして
無理強いした
乳飲み子がやって来た。その兄の二歳児にも手を焼かされる。
母親と祖母が二歳児を夜の散歩に連れ出した。外へ連れて行けと泣いてきかないのだ。
その間、乳飲み子をこの私があやす。
「 ....
{引用=うずくまる。
からだの表面積をちいさくして
世の中の37%を遮断する。
わたしのまるいふくらみと
わたしのしろいふとももをくっつけて
ひとつ。にすると
やわらかな鼓動を感じ ....
地球の公転軌道がほんのわずかずつ
ずれていることを憂うガリレオの
思いを想い過ぎて
抑うつ気味になった僕は
バナナがいいと聞いて
毎朝食べるようになった
いつか太陽の手をはなれ
地球 ....
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