すべてのおすすめ
明日からも僕は
この道を行く
すれ違う人の微笑みも好きで
この道を行く
ときおり
交差する人達の瞳も魅力的だが
僕はそこへは行けそうもない
今日も
胸が痛くなることがあった ....
車の走る音が聞こえていて、「くらい」と「くろい」の境目をさがしています。光る点は、ぼくは、時間とは。かすかに白がぼやけて湿らせた夜、ゆら・ゆれるあふれをせきとめるようにして、すれ違う日々/人々をなぞり ....
心臓破りの坂
に破られる心臓
そして
けたましく鳴り響く電話機
に似た形のビニール袋
に梱包された
けたましく鳴り響く電話機
の絵
も
範囲内の限りにおいては
どうにでもなる
....
甘栗むいちゃいました
三点倒立で甘栗むいちゃいました
航空ショーで甘栗むいちゃいました
筋肉ミュージカルで甘栗むいちゃいました
死海で浮かびながら甘栗むいちゃいました
女性専用車両で甘栗むい ....
あ、あー、あ。
ニューステージでは、悲しいこともあるよ。
雨振ればバラバラでもう元に戻せない、けれど今日、暗い夜の丸い月の射し込む光、そして負。ぼくらの足音はひどく響いて ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ
いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
1.口(先端)
隙だらけな口先が尖っていて、三日月だった。どうやらそれは動いている。晴れた夜も、駅の看板は傘をさして咳き込んでいた。メッセージが肩を軋ませあう街で、きみの尖ったり嘯いたりするだけ ....
挨拶されることを諦めた教師に挨拶をしてやる
そういう感覚で
朝の不快は解消されるか
それとも明日まで持ち越すか
朝のことは朝に清算するという
いつか知った人の考えがやけに残ってしまって
....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって
あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
しりきれとんぼの君に
まる
いつもあたらしいおもちゃの方を向いて
振り向くこともなく
ぽいと捨てられた君のおもちゃに
まる
おけらの君にまる
最初の意気込みと
投げ出す言い訳の愛し ....
お母さんボクは東大にいきます
やりたいことがあるとか、ないとか
これからは好きなことを仕事にする時代なのだ、と
そんな黄色いハローワークで
幸せになれますか
お母さんボクは東大にいきます ....
さみしい と打ち込んで
いっせいに
知りうる限りのアドレスへ
やがて何通かの同情と
おざなりな相槌と
迷惑な入れ込みが届く
そんなものは望んではいない
薄らぐ窓のすき間から
....
日焼けあとのしろとくろ
では
味が違うのだ
違うと思うから
何度も確かめようとしているのに
その境目で
ほら
邪魔が入って
夏はまだ終われない
感じるまま ....
あまりに懇願されるので
試しに小指を与えてみた
男は急いで口に運び
コクリと飲み込むと
生あたたかい求愛がわたしに届く
唾液に光った男の喉をうっとりと通りぬける
わたしの小指
満たさ ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている
初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
読みかけの詩集を逆さまにすると
文字の列たちは
不ぞろいのビルディングになりました
そして
下のほうにあった余白は
広い空に
しばらくその様子に見とれていましたが
何かが足りない気が ....
猫が逃げました
ボヤが出ました
便所は汚すな
と
親切な貼り紙のアパートの
隣の部屋の人の顔
まだ見たことありません
のような午後の世界に
河川敷の花火
の音が聞こ ....
ポンジュースが出るという噂と、狂おしいほどいつも通りの日々。例えば、そんな愛媛で風景している校庭が、東京の夕暮れの向こうにある。午後、水飲み場で、挨拶は永遠にすれ違っていく。す ....
卵をひとつ落として
夕焼けは夕焼けへと帰っていきます
さよならを言うのが嫌で
いつまでもふざけていたのは
言葉を越えられるものは
言葉ではないと
ある日ふと知ってしまったから
ちびた ....
最後の人が飛び降りたまま
裏返ったブランコの鎖が歪に静止している
翌日になれば元に戻される、それだけのこと
わたしは、もうずっと公園にいない
だから知らない
ブランコ ....
喉の奥の、肺の先の、それでも呼吸器とは歴然と違う部分です。詰まるものを、イマジン。そんなようなしびれを指先に集めます。午後の窓の外に体を拭く記憶が放置されて、ユラる洗濯機の渦か ....
どうにもやるせない自転車です。雨水の玉つぶてなサドルの革を「そうでもなく茶色だ」と言って、拭き取ればままよ、と走りました。光、スロウ、アウェイ。そして溶解するするりとした残像を肴に、ウィスキーに言い訳 ....
あいかわらず颯爽と世界は血をはく
めくるめく憂鬱にようこそとぼくは言いたい
今日も殺される夢を見たよ
教室によくいるちょっと苛立つ奴の真似とか
無駄に上手くなったりしたよ
削除されたホームペ ....
イチゴの 前と後ろ を 見分ける 事が
できたら この田舎 を 出る事に する
重たい これは バッテリーの アダプター
窓の横 電車が 通り過ぎる時 思い切って
手の平 パーに 開い ....
ことり、として
ぎゅっとした
せかいのどこか
あさがくるまえに
かげは
びゅんびゅん
いどうします
つつつぅー・・・つーつーぅ。
こちら
ぷかり
あなた ....
1.エスパー(もしくは君)
エスパーも、変わらない。ただ気づいてしまうというだけで、同じように揺れ動いて、俯して、辛うじて立ち上がる。忘れてしまおうとしては、切れ端に、文字。読めないけれどつ ....
目が覚めると
右手がチョキになっていた
いったい僕は何と戦ったというのだろう
夜中、こんなものを振り回して
援軍の来ない小さいベッドの上で
氷点下十五度の空気を吸いながら
せかせかと歩き
空を見上げると雪がはらはらと
はらりはらりと
降るのは粉雪でもなく
結晶のままの形で成長し
黒い手袋のひらで
そっと受け止めると
そこに ....
まろんまろんな、かなしみだ。貧血でクラリとするときのあたまのイメージは、からっぽでしょう。カウンターパンチで、どう?投げて様子見、投げて様子見で、過ぎていくは時計の針、折り折りだよ。四角いだけのビート ....
君のいう「君」が
ボクなら
いいのに
君のせつないことのはが
呼んでいるのが
ボクで
あるなら
ボクは
この人ごみにすっくと立って
いまより
ず ....
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