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今 わたしには見たいものがある
窓ガラスの向こうの木立の先
に流れる稜線のはて遥かに広がる空
の上に揺らぐ大気圏突き抜け
さまよう宇宙へ
(願望ではない意志の)
視線を凝らしているのだ
 ....
終わりの淵
よろこびの帽子
光を落とせ
光を下ろせ


滴が降り
葉になり 虫になり
家を巡り
静かに去りゆく声になり


大きく碧いまぶたの浪が
ひらく ....
私達はいつだって独りで。

けれどどんな時でも、一人で在った事なんて一度もなくて。




気が付けば隣に、前に、

時には後ろに、誰かが立っていて。



 ....
はじけ散ったオレンジ色の広がる時間がソコにある
乾いていくアスファルトの匂いが過ぎていく季節を
惜しみながら少しずつ少しずつ遠ざかる

ね、あの日
空は何色の雲を纏っていたの?

ね、あ ....
木漏れ陽や影が
昼の星を見ている
羽は
羽から目をそらす


家の裏の沼には
家が沈んでいる
建つものもなく
枠は増える


   翳りが
    ....
きみから放たれた愛しい種子は
酸素に混じり肺に吸い込まれ
潤んだ空間にじわじわと溶ける


熱いため息が吐き出されたとき
そのあまりの重さに
飽和状態であったことを知る


きみの ....
滴るような影が覆う

窓ガラスにも無数の痕跡を残しながら
実体の無い掌が感覚を撫でていく

階段の暗がりは質量を増し
無音

外は雨

彼は目を閉じたまま
静かに耳をそばだてた
あのときあいつはああ言った

あのときあの男はあたしを笑った

あのときあのひとは助けてくれなかった

あのときやつらは追い詰めた

あの言葉、あの態度、あの時あの時あの時あの時あの時 ....
{引用=ある時期が訪れると私の肌は、銀杏のように黄色く色づくのです}


銀杏のように色づくのです

オリンピックや、ワールドカップの時にだけでなく
箸を扱うときや、
ひとりこの畳の上で ....
私がふたごだったとき
ずっと森で暮らしてた
ふたりおそろいの服を着て
毎晩同じベッドで夢を貪りあった
ふたり一緒にいること
それが当たり前の世界だった

私がふたごだったとき
世界はひ ....
浜辺の犬がこちらを見ている

トタンの屋根を抜けて私は

君に寄せていく

同じだけ離れて

君は黒い目でかしげる

私は砂の城をこえて

水平線を臨む

幾重にも絡まって ....
ばくだんの解体
まるで私の心をいじくりまわして
夜空の花火になるのに似ている
そしてあるいはハイウェイ
灰色の街の一本道を
バイクのように飛ばす鼓動
棘のある私の心
もう少しロマンチック ....
Tシャツを着て
日暮れの街を歩いて
何かを得てるつもりなんだ
ばかみたいだろ
まるで
人みたいだろ
普通の人みたいだろ

後ろポケットから
ブルースハープを取り出しても
射殺さ ....
大切かどうかわからない記憶は
抱えていた膝小僧のかさぶたにある

転んだのは最近のことだったか
それとも遠い過去のことか
鉄さびのようなすすけた色は
かつて赤い液体であっただろうことを
 ....
幾度も幾度も
二重を拭く
ぬぐうたびに
三重になる
星の生まれの
道すじになる


水を進む見えないもの
飛沫が花を描き
すぐに消える
すぐにすぐに
消えてゆく ....
教室の隅にピーターパンがいる。
誰もそれを見ないふりをする。
寂しいピータパンはおどけて踊る。
すると漸く何人か
彼のほうを見て笑う。

教室の隅にピーターパンがいる。
もう誰もそれが見 ....
はたと醒めては朝を呪い
ふと我に返っては白昼に佇む
夜な夜な待てども、愛想もない

ちぎれた写真を並べても
知らない顔があるばかり
いつからだろう
こんなにも笑わなくなったのは

慣 ....
帰ろうかな
そう思った
一瞬を幾度か
ちらして!

5月
空は氷を溶かした青で
お花のジェット
バウンド・フォー・トーキョー
千歳の上空から苫小牧
育った家を見下ろした

掘り ....
ブラックスモーカーの
熱い暗闇のほとりで
スケーリーフットを枕に
わたしは不思議な夢を見た

空っぽの背骨を
滑らかな夜風で満たして
わたしは空に浮かんでいた

手足になり損ねた ....
はじめて母親のお手伝いをした日
食卓には不格好なハンバーグが並んだ
焼きすぎてかさかさになったそれをかじり
父親はくしゃくしゃ頭を撫でてくれた

求めていないとは言わないけれど
ただ、とっ ....
夏祭りですくった金魚は
10年以上経った今でも元気で
水槽の中を気ままに揺らぎ
ときどき思い出したように
視線を合わせてくる

特に感情は見受けられない

小さな家の小さな水中で泳ぐお ....
ひかりたからか
からか からか
穂の息ひそめ
言の火ふらす


窓のふくらみ
煉瓦の道
こだまする影
屋根に立つ影


風のなか揺るがぬ星や星
足の指がつ ....
上澄みをそっとすくう
余分なものはなく
柔らかくしなやかで
手のひらからさらさらとこぼれる

太陽の光で酸素を作り
葉は濃緑を強める
表面の細い産毛には
小さな雫が張り付いている

 ....
金色をつかもうとして
手足をばたつかせていたら
きみはぽつり
ゆきがふってるよ、
と言った

確かに頬には雫があって
ほてった身体を冷やしていく
雪が降っているのは恐らく
ずっと奥の ....
灰緑の目を拾い
ひとつ聴き
またひとつ拾い
またひとつ聴く


頬の上にあるのに
見つけられない
遠い遠いはざまから来る
遠すぎてかたまりの音の群れ


笑みや ....
叶わなかったものを
あした、と呼ぶことにした

ガラガラで出てきた白い玉
おじさんが残念でしたとティッシュをくれた
列から離れるとラッパの音が揚々と響く
真っ赤な自転車を当てた女の子は
 ....
綺麗ごとが染みに見えてしまうのならば
綺麗なもので世界中を埋め尽くせばいい
それが当たり前になるように

両手を広げられることを
抱きしめるべきものがあることを
美しいものを認めるこ ....
この世に、永遠など無いと
君は言う

すべてに
終わりがあるというなら

その時まで
君の側にいさせてくれないか

終わりの先にある永遠を
僕が、必ず
見つけるから
なにもかもを
ゆるせたら どんなに
なにもかもを
わすれられたら どんなに

でもそれじゃあ人じゃなくなっちゃうから
(どんなあなたであっても)

かべとかべがあって
1枚も2枚も変 ....
心から思うことは誰にも変わりなんてなくて
運命とかとって
別にやり直せいないのかもしれないけど
本当の運命って本当は
別にやり直しなんて何度だって
何度だってやり直せるんだよ
 ....
ゆびのおとさんの自由詩おすすめリスト(61)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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望遠鏡の向こう側- あ。自由詩9*09-4-24
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