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あんさん、覚えておきなはれ
京都のおんな、みんながみんな
はんなりしてるおもたらあきません
御着物似合うおもたらあきません
夜の先斗町はえらいにぎやか
酔っ払った兄さんたちがふらふらと
....
大騒ぎしていた隣の部屋の大学生も
煙を撒き散らしていたスポーツカーも
凛と顔を上げていた向日葵も
みんなみんな、眠ってしまった
ベランダから両足を突き出して
ぶらぶらと泳がせて笑ってみる ....
すうっと堕ちていくような感覚と
鈍いしびれがあるという
それでいて苦痛ではないらしい
幼なじみのあの子も
隣の席の委員長も
さらにはわたしのママまで
患ったことがあるらしい
大人 ....
きっとまだ
折り返しにすら着いていないと思う
それでも
人生の半分以上
きみがいた
裁縫の授業が苦手で
いつも居残りしていた
なかなか針が進まないわたしを
いつもこっそり手伝っ ....
上澄みをそっとすくう
余分なものはなく
柔らかくしなやかで
手のひらからさらさらとこぼれる
太陽の光で酸素を作り
葉は濃緑を強める
表面の細い産毛には
小さな雫が張り付いている
....
生きることは
漂流することだ
海路は
はっきりと見えるものではなくて
だから時々迷ってしまったり
沈んでしまいそうになる
大波にさらわれたら
口からぷくぷくと細かな泡を吐き出し
....
金色をつかもうとして
手足をばたつかせていたら
きみはぽつり
ゆきがふってるよ、
と言った
確かに頬には雫があって
ほてった身体を冷やしていく
雪が降っているのは恐らく
ずっと奥の ....
落ちた数を数えるよりも
水滴の生まれた場所が知りたかった
ささやき声も空気を振動させるような
ぎりぎり均衡を保っているこの小さな空間で
破裂する寸前の風船みたいな緊張感の中
今、きみが生 ....
群青をひとつ、ひとつ
飽きるまで数えてみる
雨上がりの夜
余計なものは流れてしまい
ぴんと張り詰めた大気
群青
水際を囲うように
涼やかにひらひらと
色を落とすあやめ達
群青 ....
突き抜けた青天から目をそらし
振り返ってしまうことがためらわれ
気付かなかったことにした
水滴ひとつ浮かばない箱を抱えて
所在を見つけようともしなかった
抜けた羽毛を一枚入れて
ふたを ....
大気は徐々に枝垂れ流れ
紫色に染まってゆく
雑踏は過去のものになり
ほのかな灯りも音を持つ
乱反射していた人工のひかりは
次第に少なくなってくる
大気は更に厚みを増し
地上 ....
彩りと彩りがひしめきあい
ぼくはお茶をすする
うすくれないに緑が混じり
きれいなまだらの葉桜は
そよそよそよと風に任せ
勝手気ままに踊り舞う
ちょっと目線を背けてみれば
だらりの ....