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盛況過ぎて
やんわりと羽根を下ろす刻

語り部達が静かに
酒宴に集まる刻

風の香に君想い
星の下雲に優しさ
月が紅潮する淡さ
選んだ夜道

恋人達が求め合う
過ちを飼い慣らし ....
あんさん、覚えておきなはれ
京都のおんな、みんながみんな
はんなりしてるおもたらあきません
御着物似合うおもたらあきません

夜の先斗町はえらいにぎやか
酔っ払った兄さんたちがふらふらと
 ....
大騒ぎしていた隣の部屋の大学生も
煙を撒き散らしていたスポーツカーも
凛と顔を上げていた向日葵も
みんなみんな、眠ってしまった

ベランダから両足を突き出して
ぶらぶらと泳がせて笑ってみる ....
すうっと堕ちていくような感覚と
鈍いしびれがあるという
それでいて苦痛ではないらしい

幼なじみのあの子も
隣の席の委員長も
さらにはわたしのママまで
患ったことがあるらしい

大人 ....
亡き祖母の和室を書斎にして 
らんぷ灯の下に 
古書を開く 

この和室で 
祖母が永遠に眠った 
あの日から 
部屋の隅に置かれた受話器は 
お辞儀をしたまま黙っている 

背後 ....
きっとまだ
折り返しにすら着いていないと思う

それでも
人生の半分以上
きみがいた

裁縫の授業が苦手で
いつも居残りしていた
なかなか針が進まないわたしを
いつもこっそり手伝っ ....
上澄みをそっとすくう
余分なものはなく
柔らかくしなやかで
手のひらからさらさらとこぼれる

太陽の光で酸素を作り
葉は濃緑を強める
表面の細い産毛には
小さな雫が張り付いている

 ....
生きることは
漂流することだ

海路は
はっきりと見えるものではなくて
だから時々迷ってしまったり
沈んでしまいそうになる

大波にさらわれたら
口からぷくぷくと細かな泡を吐き出し
 ....
金色をつかもうとして
手足をばたつかせていたら
きみはぽつり
ゆきがふってるよ、
と言った

確かに頬には雫があって
ほてった身体を冷やしていく
雪が降っているのは恐らく
ずっと奥の ....
はるかはさめざめ泣いていた、どうして泣いているのか尋ねても何も答えてはくれない、黙って首を横に振るだけだ、それは違うという意思表示ではなく、話し掛けるなという拒絶だった、誰でも一人になりたい時はあるだ .... 落ちた数を数えるよりも
水滴の生まれた場所が知りたかった

ささやき声も空気を振動させるような
ぎりぎり均衡を保っているこの小さな空間で
破裂する寸前の風船みたいな緊張感の中
今、きみが生 ....
群青をひとつ、ひとつ
飽きるまで数えてみる

雨上がりの夜
余計なものは流れてしまい
ぴんと張り詰めた大気
群青

水際を囲うように
涼やかにひらひらと
色を落とすあやめ達
群青 ....
私は女ですから、髭を剃るようなことは一生ないものだと思っていました
私はいま髭剃りを手にしているのですよ
少女の私が聞けば目を引ん剥いていることでしょう
何でも機械化する時代ですから
剃刀の刃 ....
箱庭の中に
ふりそそぐ春の雨は
ぎんいろの ひかり

松の木の葉の先の 
あの ほそいほそいところまで
全部 ゆるす みたいに
丁寧に 丁寧に降る雨

小鳥が
木の下で雨やみを ....
突き抜けた青天から目をそらし
振り返ってしまうことがためらわれ
気付かなかったことにした

水滴ひとつ浮かばない箱を抱えて
所在を見つけようともしなかった
抜けた羽毛を一枚入れて
ふたを ....
大気は徐々に枝垂れ流れ
紫色に染まってゆく
雑踏は過去のものになり
ほのかな灯りも音を持つ

乱反射していた人工のひかりは
次第に少なくなってくる
大気は更に厚みを増し
地上 ....
彩りと彩りがひしめきあい
ぼくはお茶をすする

うすくれないに緑が混じり
きれいなまだらの葉桜は
そよそよそよと風に任せ
勝手気ままに踊り舞う

ちょっと目線を背けてみれば
だらりの ....
サトキさんの自由詩おすすめリスト(17)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕闇- 漣 風華自由詩209-6-4
京都のおんな- あ。自由詩19*09-6-2
ところで、発売はいつになるんですか?- あ。自由詩16*09-5-26
はやりやまい- あ。自由詩21*09-5-22
石ノ顔_- 服部 剛自由詩309-5-11
友へのてがみ- あ。自由詩11*09-5-9
上澄み論- あ。自由詩20*09-5-5
大後悔時代- あ。自由詩9*09-5-5
金色の蝶- あ。自由詩12*09-5-3
はるか- 木屋 亞 ...自由詩1*09-5-1
水滴の生まれる場所- あ。自由詩17*09-4-30
群青- あ。自由詩10*09-4-27
水に触れる- 木屋 亞 ...自由詩5+*09-4-22
春の雨- 自由詩709-4-21
祈ることで許されると思っていた- あ。自由詩25*09-4-21
誰も知らない夜- あ。自由詩9*09-4-19
花懐石- あ。自由詩10*09-4-16

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