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柿ノ木がすきだと言って 柿ノ木に なってしまったあの娘を想う
乳房まである、黒い髪の毛をもっている。
それはときどき褒められるけれども、なぜだろう、なんだか嘘をついているような心持になる。
爪のかたちを褒められたり、顔の造形や、筋肉のぐあいを良い風に言わ ....
はだざむい夜は 皮膚をつないで朝をまつ
雨のふる午後は 髪をぬらして屋根に走る
わたしたちは すでに 与えられている
赤く灯る 血のような夕に
ほらみてごらん
一直線に祈りが走る ....
よるにふあんがとかされている
椅子のかげ カーテンのうら 天井のすみ 流し台のした クロークの扉 絨毯の毛のなか
ふあんが少しずつ まんべんなく とかされている
しめった寝息 ざらついた黒 空っぽの皿 ....
たゆたゆと零れおちゆく蒼いとき つめに絡ませ朝をむかえる
すべりおちのたうちまわる欲情を 涙のようにみちびく指さき
肌を知りささやきを知り朝を知り 自分の皮膚の分厚さを知る
明け方四時から朝の六時ころにかけて枕に頬をつけ、真昼の十二時ころに目を覚ます。ところがどうかすると、四時から、五時、六時、するすると九時頃まで眠れないことが週にいちど程。そういうとき眠ってはいけな ....
この季節はシャツの白色がやけに目につく。ころもがえ、おろしたてみたいな青い白や、あせばんだうなじの学生。来る暑さに女の子たちは胸元や腿をあるだけさらけ出すから、肌色が急に増えるのもこの季節。
緑 ....
踊れないのは だれのせい
腐ったあしと 脳みそと
20の指を もうすこし
じょうずに使ってみなさいよ
踊れないのは だれのせい
迎えにこない ママと彼
そんなのぜんぶ 捨てちゃって ....
どこにでも 君のあとが のこるのに 僕たちの夜は どこにも もうない
蛍光灯にむらがるちょうのりんぷんをあつめて宙をとぼうとしている
青い夜 赤い欲求 白い汗 真っ黒い僕 透明な君
あいするのは
とても体力のいることですから
あいそうと
力まなくても
いいとおもいます
あいして
あいされなかったときに
それでもいいや
と
おもえる余裕が
自分にないうちは
....
長い髪がどんなふうに垂れるのか その白い背を 思い描ける
椿にも桜も菊も石南花も 指先のあとがこゆく残る
唄われなかった歌があり
語られなかった愛がある
繋がれなかった情があり
結ばれなかった花がある
それでも
呼ばれなかった名前はないだろ
そうだと言って
笑ってくれよ
うその花にも匂いがやどりすあしをみせるこまかい蝶々のむれ
うす皮をむくようなはだとうす皮をむくような思春期の目つき
曇天のむこうがわには陶酔とうすあおがともにめくばせてさく
さか ....
死んだ鳥みたいに止まり木にじっとしてるけど
お気に入りの曲がかかったらフロアに飛び出して
今しか命がないみたいに激しく踊るの
タップは踏めない(彼女裸足だから)
フロアは汗とアルコール ....
百まで積んだら
零まで崩して
千まで積んだら
零まで壊して
万まで積んだら
戻れなくなる
知って積むのは
罪になるのか
知らず積むのは
恥になるのか
戻れないなら
もう戻 ....
家もない
傘もない
鞄もない
指もない
耳もない
肌もない
声もない
皿もない
袋もない
血もない
温度もない
湿度もない
恐怖もない
歓喜もない
不安もな ....
せんをかく
まるをつくる
熱気のむこうで
たちすくむ かげ
すべりおちる液体
したくてした
それから
気づかずおちた
わたしのからだを
たべてくれてありがとう
....
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