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空を鼓のように張り
鳥は屋根を踏み鳴らす
糖蜜の文字
光の名前
爪と半球
蛇行と水源
凍った川をすぎる雨
降る無音 降る無音
午後の光がゆっくり話す ....
虹の渦がひとつ
遠くと近く
ふたつの雨を横切った
誰もいない道の終わりに
とめどないものがとまるとき
夜の鴉が一羽増すとき
心は天地の境をひらき
冬のはじ ....
光が花をまね
朝になる
一房一房が
波を追う
雨
丘を昇る霧
向かい合う手
結晶
くちびるの色を
手鏡に塗り
歯は透る{ルビ雷=らい}
透る{ ....
半月と曇
松明と子
大木の陰
鈴の音の色
ふたつのしずく 川岸の
あちらとこちら 同時に落ちる
ふたつの油
ふたつのむらさき
鏡ばかりがまぶしい暮れ ....
水の上の火
空の姿か
底の姿かわからぬまま
ひとり ほどける
風 息 原へ
去るを見る
砕けるを見る
散るを見る
傘をたたむ
遅い夜の色
ひとつやわ ....
踏切の陽
濡れた傘ごし
枕木を追う
複眼の火
草の管
草の筒
草の洞
あふれでる
穂の明るさ
光の背の道
はじまりの
花の
はじまりに
よみ ....
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