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いつもの店のいつもの席で
ちょうどよく酔ったその後で
独活の酢味噌和えという旬のものを
うすうす噛んで
うすうす僕は
ひっそりとニンゲンをやめるのだった


右の席からは仕事の話
左 ....
江ノ電鎌倉高校前駅と
腰越駅とのその間で
窓という窓が突然
ぱっと明るい海となり
ゆるいカーブの水平線に
乗客はみな取り囲まれてしまうのだった


すばやく走る波の線
空の始まるとこ ....
髪についた雪を払って
傘も持たずに街を歩けば
見慣れた景色は別世界
眩しいほどの銀世界


ふかぶかと残したはずの足跡も
振り返ればもう微か
念のため確かめてみたけど
両足ともにちゃ ....
僕の一番深いところにある
尽きることない泉から
喜びや悲しみや
くすぐったい気持ちなんかが
湧きだしてきてとまらない


ありとあらゆる才能の中で
生きて死ぬのが一番の才能
そう言っ ....
掃除を終えた綺麗な部屋に
いっぱいの日差しが入ってくる
本棚の背表紙もそろえたし
机にだって塵ひとつない
今のこの部屋には
神さまだって住めるけれど
そうするわけにもいかないし
背もたれ ....
ある冬晴れの日のその空と
同じ色の表紙をした
日記を買った
他に種類はたくさんあったのだが
それはひときわ僕の目を惹いて
一度手に取り
一度戻して
もう一度手に取り買ったのだった

 ....
どこかでたしかに会ったことある人に
挨拶してはみたものの
結局あれは誰だったのか
日が暮れるまで思い出せなかった


減るものじゃないけれど
宙に消えた「こんにちは」が
なんだか寂しい ....
手に持った花だけが赤くて
微笑みは色づくことなく
そんな夢の残り香だけが
寝ぼけまなこに引っかかってる


言葉にした途端に取りこぼしてしまう
こころの音階
りんごをりんごと
恋を恋 ....
壮佑さんの八布さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
独活(うど)と白湯(さゆ)- 八布自由詩914-1-26
冬潮- 八布自由詩1014-1-19
はつ雪さんぽ- 八布自由詩914-1-10
深層水- 八布自由詩813-12-19
冬ごもり- 八布自由詩813-12-15
日記買う- 八布自由詩1213-11-27
さるすべり- 八布自由詩613-7-14
印象- 八布自由詩712-5-26

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