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祈ることしかできないと言った
君の傷ついた指先の白さと潔白が
フリージアの訪れで、彩られればいいと思っていた

真摯な言葉で幾度となく揺さぶられた
僕の孤独も
いっそ清らかなまでに傲慢な
 ....
僕は右に少し傾いている
君は左に少し傾いている

まったく逆に傾いているのに
傾き具合はほとんど同じだから
二人が向い合せになると
正確に見つめ合ってしまうけれど

僕は君の傾き方 ....
ぼくが夜に眠る理由は
寂しさ以外のなにものでもない。

人間じゃなくなれば
人間じゃなくなれば
きっとぼくは眠らない。


うさぎは寂しいわけじゃない、
ましてや死ぬわけでも ....
  日曜日の
  台所
  きみは皿を洗う
  その手はぼくから見えない
  春の水はきっと
  未だつめたいだろう



  形のないものは
  流れる
  痛いほどの ....
打ちのめさせられる瞬間というものは
いつも予想外にくるものであって
勝手に積み上げていた心は
たとえどんなに軽々しくても

崩れ落ちる音を聞く毎に
馬鹿なのは自分だと思い知る
風が吹いて ....
    メキシカン



俺の街には
メキシカンがない
もしもメキシカンさえありゃ
こんな夜は…

どこにもかしこにも
イタリアン
だけどメキシカンは
この街にはない
 ....
彩りと彩りがひしめきあい
ぼくはお茶をすする

うすくれないに緑が混じり
きれいなまだらの葉桜は
そよそよそよと風に任せ
勝手気ままに踊り舞う

ちょっと目線を背けてみれば
だらりの ....
{引用=
よけいなものは吹き飛ばして
だいじなものだけ
のこればいい

溢れかえる主張には
ほとほと飽いてしまって
あなたが思っているよりも
実はわたし、身軽です
指図なら要らないの ....
今まで楽しかったから
これからも大丈夫

かくれんぼしている
小さな喜びを探しながら

俯いてしまう気持ちを
なんとか盛り上げて

のんびり歩いていこう
新しい歌でも歌いながら
 ....
想像の桜はもっとぼんやり柔らかかったのに
僕の目には視界を占拠する粒が、桃色の粒として、
眼球の膜の中まで押し込まれてきそうだった
最近はほとんど写真でだけ桜を見ていたから
自分の目の画素数を ....
ポツリ ポツン
ポツリ ポツン


真新しい黄色の長靴
真新しい空色の合羽
先を急ぎながら慎重に
ヨタヨタと…


次々と
落ちてくる妖精
不思議そうに
空を見つめ
手を ....
真昼に背伸びする
僕達の忘れ物が
緑のてのひらを
ひらひらと泳がせて

人の歩く畦の
少しぬかるんだ日陰で
ころりころりと耳そばだてて
笑っているよ 楽しそうに

もうすぐ旅立つ時 ....
白は語らない
ただそこにいる
白は何もないのではない
例えば インクの切れた
活字印刷の無数の痕跡
白は哀しみ
言葉の過剰に
震える
指先
朽ちた木屑のかさなりを
踏みふみ
つづら登る春の里山

行く先々を導くように
萌える山吹
ふとした足元に
大人しくうつむく
鈴蘭の白、きみどり
ひとつひとつの
光りの具合を確かめる ....
oh

oh  oh  oh…
長い雨が続いている
oh  oh  oh…
長い雨が続いている

こころのなかはどしゃぶりさ

oh  oh  oh…
長い雨が続いている
oh  ....
ついさっきまで
子供達に追っかけられながら
スポンジの棒でたたかれながら
やわらかく笑っていた
おっちゃんが

ぼくの前に対峙する

でっかい
でっかい
でっかすぎる

右に ....
勝負の日は
願いを
かけるように

シャツに
アイロンを
かける

グーッと
不安を
押さえるように

心を
ビシッと
決めるように
濡れる、まぶたにおいては
10年前のささやかな嘘だって
すこやかに息づいているのだ

腫れている、のどの奥のほうでは
君に贈りそこねてた嘘が
あばれて、あばれて、夜も眠れません

指輪 ....
ごめんなさい。
約束は窮屈、日差しがあるときには。

ごめんなさい。
約束は退屈、酔っているときには。

ごめんなさい。
自分でするよりは気持ちいいから、つい。

ごめんなさい。
 ....
塩コショウは悪魔で少々です
天使がクシャミをしない程度です
最後に小さじ一杯のレモン汁を加えて下さい
残りのレモンはシャウトしましょう

この書簡は開封された十五秒後に焼失します
しかるに ....
 終わり

やがて
空が蒸発する

  僕は無機質になる


やがて
風が風化する

  僕の最後の灯し火を消す

終わりの時は
最初から始まっている

  僕は知らな ....
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