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30余年勤めた職場の入り口で父は佇んでいる。
深く深く礼をして
これまでの事に感謝をしながら。
その姿は皆に慕われ
頼りにされた一人の男の生きざまにも見えた。
明日出社をしたら
父の ....
握った手を離したくはありません。
父が寂しくないようにと
両手いっぱいの白菊を
棺の中に入れました。
(お父さんさようなら。)
その一言が言えなくて
私はもう一度
両手いっぱいの白菊を
....
しゃこっ。しゃこっ。と響くスポンジの音。
100数えてから出るんだよ。と
身体を洗いながら父が話しかけた。
「1・2・3・4・5!!」
熱を帯びて赤く染まる肌が
少しずつ汗を滴らせる。
....
手を伸ばすと/眠っているお父さんの頬に触れる。
あまりにも冷たくて/冷たくて
触れたままの手では無く
「強いな・・・・。強いな・・・・。」と思っていた心臓が/冷たくなった。
(どうしたら、お父さんは元気になるのだろうか?)
東京に行く前の晩
少し細くなった父の右足を揉みながら
二人並んでテレビを観る。
「大丈夫だよ、少しずつ良くなっているから。」
....
目の前で
あなたのことを語る女は
他でもない私自身です。
私は今
友と呼ぶ人の話を聞いています。
目を輝かせ
あなたの事を笑顔で語る女の話を。
「私も好きなんです。あなたに負 ....
傷ついた身体を引きずりながら
女達は歩いている。
時が過ぎ、いつかは存在すらも
見知らぬ人々の波に、埋もれて行くのだろう。。。
百年先も/千年先も
残るモノはあるのだろう ....