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黄昏の陽は降りそそぎ 
無数の葉群が{ルビ煌々=きらきら}踊る 
避暑地の村で 
透きとほった風は吹き抜け 

木々の囁く歌に囲まれ  
立ち尽くす彼は 
いつも、夢に視ていた 

 ....
旅人は{ルビ叢=くさむら}に埋れて 
横たわり  
いちめんの空に 
浮雲の群を見ていた 

それぞれに{ルビ流離=さすら}う雲は 
違った形の膨らみで 
西から東へ流れゆく 

自 ....
ある日、意表をつくように 
(体の透けた人)は 
微かな足音も立てずに 
この胸の扉の鍵を開けて 
足を踏み入れて来るだろう  

私は三十三年の間 
世に産声を上げた 
あの日から  ....
仕事から帰ると 
三ヶ月前に世を去った祖母の 
妹のI叔母さんが 
ソファーに腰掛け 
親父とお茶を飲んでいた 

母ちゃんが 
「お茶をもう一杯・・・」 
と言うと 

I叔母さ ....
僕は今、多摩の乞田川沿いにある喫茶店で、 
この手紙を書いています。時計の針はすでに
正午を廻り、歓びの時が近づいているのを感
じます。木目の壁に掛けられた額縁の中の水
彩画は広い草原で、若い ....
ホワイトデーの3日前 
クッキー屋の前に立ち 
義理チョコレートのお返しばかり 
虚ろな瞳で探してる 
もの欲しそうな、男がひとり。 

若い女の店員から 
硝子ケース越しに 
手渡さ ....
チェーン店のカレー屋で 
「グランドマザーカレー」
を食べていた 

自動ドアが開き 
ヘルパーさんに手を引かれた 
お婆さんが店に入り 
隣の席にゆっくり  
腰を下ろした 

 ....
くたびれた足を引きずって 
いつもの夜道を帰ってきたら 
祖母の部屋の窓はまっ暗で 
もう明かりの灯らぬことに 
今更ながら気がついた 

玄関のドアを開いて 
階段を上がり入った部屋の ....
最近、黒い手袋が
落ちているのをよく見かける 

ある時は職場の廊下 
ある時は駅の構内 

人間達の無数の足が 
通り過ぎてゆく隙間に 
{ルビ木乃伊=みいら}の面影で 
誰にも届 ....
地下鉄の風に背中を押されて 
階段を下れば 
ホームの端を 
黄色い凸凸道が
何処までもまっすぐに伸びていた 

いたずらな風が 
吹けば 
すぐによろつく私だから 

凸凸道の内 ....
皆さんこんばんわ。 

今日は僕も仕事始めだったので、 
「より充実の年にするぞ」という 
並々ならぬ決意で職場に乗り込みました。 

そして気合を入れて午前の入浴介助をしていたら ....
あおい満月さんの服部 剛さんおすすめリスト(41)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
涙の遺言_ー野村英夫への手紙ー_- 服部 剛自由詩511-2-11
ペネタの雲_- 服部 剛自由詩909-6-5
両手ノ像_- 服部 剛自由詩309-5-5
「_祖母の部屋_」_- 服部 剛自由詩709-5-4
結婚する詩友への祝辞_- 服部 剛自由詩709-5-4
ステラおばさん_- 服部 剛自由詩509-3-22
稲穂のこころ_- 服部 剛自由詩1109-3-22
遺影のまなざし_ー四十九日前夜ー_- 服部 剛自由詩2009-3-10
黒い手袋_- 服部 剛自由詩809-3-4
賢治ノ星_- 服部 剛自由詩1209-2-20
詩を愛する仲間への手紙。_- 服部 剛散文(批評 ...209-1-5

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