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母は 捨てる
真昼に閉じた雨空へ捨てる
滑空する白色の鳥が堕ちる所
そこに堕ちる母のものを捨てる
湿地帯に隠された 母の書いたもの
そこに堕ちる母のものを捨てる
滑空する白色の鳥が堕ちる所 ....
 詩集『月に吠える』より「猫」

まつくろけの猫が二疋、
なやましいよるの屋根のうへで、
ぴんとたてた尻尾のさきから、
糸のやうなみかづきがかすんでゐる。
『おわあ、こんばんは』
『お ....
荷を負う人々の足
裸足の足裏に小石のむごく食い込む
しかし頓着はない
人々が見上げているのは一羽の鷹

苦役に口を開き
前後の者を探す目は黄色い
荷の重さは刻一刻と変わり
頭上に日はな ....
隠さなければいけない過去
隠されてしまう過去
脂汗が流れるときだ
見付かってしまうポートレート

今朝わたしは一匹の蛾を発見した
それは見事な蛾だ
たれもみつけられない たれもくれやしな ....
はじまろうとする
あらゆる終りに贈る
季節たちの語りは終わった
わたしたちは手をはなし
時間のものがたりではなく
空間のものがたりをつくる
これからわたしはここ以外をめざし
ここ以外の土 ....
ぼちぼち夜空も透明になってゆく
そんなことを考えながら歩く
田舎の道は
陽射しの衰えを感じさせない。
秋風に道を失ったのではない
私はただコスモス咲くなかを
君を訪ねるのだ。
コスモスと ....
小さな部屋のなかで
きみもぼくも呼吸をしない
重く密度の濃い空気が
きみとぼくの屍体を葬る厚い土だ
ぼくたちはお互いを知らない
だれかが気まぐれに部屋をのぞくが
だれもいないと去ってゆく
 ....
天気図の上に一本の線が描かれている
その上を歩いているのはきみだ
きみは日本列島を気軽に縦断してしまう

雨の日
きみは美しい声で語るのだ
温帯のこの土地に降る
雨のエネルギーについて
 ....
画布よりウィンクをマルガリータに。ヴェラスケス、ラスメニーナス。


教えてよ。あなたの愛した人は誰?女官よんめいだれにもないしょ。


ちちははは鏡の中なるひとにてや。ほの明るさに朧なる ....
夏嶋 真子さんの非在の虹さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
書かれた—母(2010年参稿)- 非在の虹自由詩7*10-8-2
大好きな詩人を紹介してみます__「萩原朔太郎」- 非在の虹散文(批評 ...5*10-6-17
- 非在の虹自由詩209-6-16
- 非在の虹自由詩109-6-11
十二月- 非在の虹自由詩209-6-9
十月- 非在の虹自由詩109-6-7
八月- 非在の虹自由詩209-6-7
六月- 非在の虹自由詩309-6-5
バロック絵画館__五首- 非在の虹短歌2*09-4-30

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