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ぼくはずっと眠っていた
家並みの混んだ路地の奥
細い電線が空に絡まる保育園の
二階のしわくちゃな布団の上で まんまるに
ぼくの夢の上を白茶けた紙飛行機と
たくさんの紙の砲弾が行き来した
....
「にいちゃん、まって!」
青い公園と名づけた近所の小さな公園から、兄が走り去る。
「おおい。」
「にいちゃん!」
呼ぶ声は聞こえているはずだが、兄は走る。腕を振ってどんどん走る。あっという間 ....
欄干のすぐそばでゆれていた緑の長い葉を
頭上でちぎって歩くと
いつの間にか橋は終わっていて
下り始めるその道のはじめに
モリヤ商店はたっていました
コーラを買ったり
買わない店の奥の暗 ....
汚れたうさぎ色の空から
アスパラの雨が降る
雨は次々に根を潜らせ
背中から空へ白いまっすぐな筋を何本も何本も何本も
川の溜まりの鋼の渦に
くるくると浮かび上がるそのひとの「きのう」
....