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内耳のような誘導路をすり抜けた時
滲んだ涙は悲しいせいじゃない
出口はずっと前から知っていた
いつも見えないふりをしていただけだから

背筋のような滑走路を走り出した時
浮かんだ笑みは ....
今日最後の光が
暗闇に飲み込まれる時
僕の左側は
ありふれた原風景に帰りたがる
無闇に掻きむしられた
胸の裏地のヒリヒリを
残業前のコーヒーブレイクで
なだめすかす

今日最後の ....
もうすぐ暗闇の端っこが
綻び始めるから
似たり寄ったりの一日が
また発芽するよ
ここで街が目映く
反転するのを待とう
たぶん大丈夫
取り残されることはないから

もうすぐ緩やかな ....
I がない一日でした
アイがない一日でした
自分が留守な一日でした
ただ流されていくばかりでした
土左衛門なのでした

いくつもの橋の下をくぐり
今更ながら橋の憂鬱を知り
壊れたが ....
のびやかな風の指先が
大地のたてがみを
慈しむように撫でつけると

さわさわと歓声をあげて
きんいろのうねりが
遥かな山の麓まで駈けていく

約束は果たされた

澱みない自然の ....
伝えたくて
伝え切れないもの

捨てたくて
捨て切れないもの

慌てふためいて
掴み損ねたもの

握り締め過ぎて
壊してしまったもの

煩わしいものたちを
もう一度抱き寄 ....
「予」


予め渡されたまっさらな空に

どんな雲を描いたって勝手だけど

思い込みの風力のぶんだけ

天気予報ってはずれるんだよね




「定」


定まった行先 ....
「無」


カラカラの大人を脱いだらギリギリの元気

ギリギリの元気を脱いだらテラテラの苦笑

テラテラの苦笑を脱いだらシワシワの孤独

シワシワの孤独を脱いだら なんにも無い
 ....
「観」


部屋の片隅に置かれたポトスのように

見落とすことも出来たはずなのに

僕はうっかり君と正対してしまった

君のいとおしい傷跡を観てしまった




「葉」 ....
「百」


百のざわめきを虫取り網で追い回して

百のつぶやきに釣り糸を垂らして

百のウソと百のホントを掻き分けて

たったひとつの詩の言葉を探し求める




「鬼 ....
「惑」


GPSも届かない生暖かい闇の中で

使い古した答えを隠し持ったまま

手探りで小洒落た出口を探している

近視で早合点でメタボな僕の気泡




「星」
 ....
「始」


新たな枝の方へ折目正しく曲ろう

幼い葉っぱにいちいち名前をつけよう

選んできたのはいつも自分だから

勇気を転がしながら歩き始めよう




「発」
 ....
「見」


見ているのに見えていない

僕の眼はたいてい当てにならない

1秒先の出口も1cm後ろの奈落さえ

感情の濃霧に包まれたら何も見えない




「嗅」

 ....
「移」


知らぬ間に忍び込んだ次の季節を

昨日より微かに老いた眼差しでやり過ごす

移ろっていく速度のやるせない違いに

胸の奥をさざめかせながら運ばれていく



 ....
たましいが擦れ合って
生まれた音は
いつまでも胸のきざはしを
昇り降りしている

忘れてしまおうと思った
夕暮れの端から
温かい闇を連れてその音は
何度でも訪れる

君の仕草が ....
七月の雷鳴は
緊張性頭痛の彼方に遠ざかり
かいつまんだ夏の
漂着物だけが胸を塞いでいる

八月の岩壁から
ひ弱な海鳥はまだ飛び立とうとはせず
なまあたたかい波が
何度でも砂浜を嘲笑って ....
蝉の声痛すぎて
ロックのような雑音で
上書

罪の汗流したくて
気障ったらしいクーラーを
停止

脳味噌痺れ切って
言葉の切れっ端が散乱するも
放置

胸の奥乾き切って
 ....
井の中の蛙を掌にのせて
珍しそうに眺めながら
「大丈夫だよ」と彼女は
うわのそらでつぶやいた

程好いぬくもりにとろけて
居眠りしていた蛙は
「大丈夫だよ」という言葉を
うっかり「好き ....
ものごころがつく前は
うおごころも
みずごころも
何も分かっていなかった

世界よりも広かった
はだかんぼうの意識

ものごころがついた後は
おんなごころも
したごころも
少 ....
「人口は不明です」

 様々な色の傷痕や
 様々な味の妄想が
 都市を形成しているようです


「面積も不明です」

 小豆粒大〜ピンポン玉大
 三流私大〜夜郎自大
 等身大 ....
西側の窓から流れ込む水の風が
産毛を心地良く逆撫でしていく
ソファに横たわって目を閉じると
耳元で涼やかに風の水が囁く

Come Together から
Let It Be へ

i ....
伝え切れない言葉が
君の瞳から溢れ出した

背中から湧き起こる
熱くて塩辛い波に巻かれて
僕は言葉を手放した

伝え切りたい言葉が
君の口元で閃いた

胸の岸辺を抉られたまま
 ....
少し鼻にかかった柔らかな声が
携帯電話から溢れ出して
飾り気のない長い夜を
暖かな色で満たしていく

他愛ない話の繰り返しよりも
ひとつひとつの言葉よりも
君の声を近くに感じていたい ....
出口の見えないモノドラマ
無限大に広がる行間
暗闇色のボトルの中
いつまでも消えることのない気泡

秒針だけの目覚し時計
鳴るはずのない遠い約束
ミント味のする後悔の中
いつまでも ....
ほとばしる水をすくって
いらなくなった角質を
きれいに洗い流したら
南南東に向かって
窓を開け放つ

とれたての空気を
頭の中に吹き込んだら
多面体の自分が
きらきら回り出す
 ....
背中越しに交わす
他愛ない会話がいい
近すぎず 遠すぎず
君の側にいられるのがいい

あまり上手じゃないハミングの周りで
立ち昇る湯気が和らぐ
とても懐かしいにおいの風下で
閉じか ....
書き割りの高層ビルに
もたれかかる十六夜月
積木の高速道路には
飲み下せなかった
錠剤のような車の列

韻律の坂を駆け下りて
暗喩の橋を渡れば
目の前に広がるのは
上目づかいで吐 ....
君のまあるい心と
僕の角ばった心が
ぶつかった

君は少しへこんで
すぐ元にもどる
僕は角がつぶれたことを
いつまでも気にしている

君のまあるい心と
僕の角ばった心が
はず ....
コンクリートの舗道から
唐突にはみ出してしまった
名も知らぬ草

引き千切られても
踏みにじられても
へらへらと風に揺れている

雑草になりたい

生えることだけを
考えたい
 ....
向う岸めがけて石を投げる
不様なフォームで
何度も 何度も

自分の何処かにへばりついた
決して懐かしくない想いを
危うげな放物線に託して
思いっきり放り出す

届いたことはない ....
夏嶋 真子さんのnonyaさんおすすめリスト(99)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
離陸- nonya自由詩8*09-10-1
Twilight_Tasogaredoki- nonya自由詩6*09-9-29
Twilight_Kawataredoki- nonya自由詩7*09-9-28
愛がない一日- nonya自由詩14*09-9-25
実り- nonya自由詩6*09-9-23
もうひとつの理由- nonya自由詩18*09-9-21
四行詩四態_<8>- nonya自由詩6*09-9-14
四行詩四態_<7>- nonya自由詩9*09-9-8
四行詩四態_<6>- nonya自由詩7*09-9-5
四行詩四態_<5>- nonya自由詩8*09-9-1
四行詩四態_<4>- nonya自由詩7*09-8-27
四行詩四態_<3>- nonya自由詩7*09-8-23
四行詩四態_<2>- nonya自由詩6*09-8-21
四行詩四態_<1>- nonya自由詩8*09-8-19
会いたい- nonya自由詩12*09-8-9
- nonya自由詩7*09-8-1
夏の罪- nonya自由詩9*09-7-27
井の中の蛙_未練を知る- nonya自由詩16*09-7-26
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ボクノ共和国- nonya自由詩7*09-7-24
再生- nonya自由詩6*09-7-20
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迷宮- nonya自由詩9*09-7-5
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