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ゆうぐれが
ひとつずつ死んでいく
さよなら、それでも
また明日
会えるといい。
と
なんども手をふる
彼は
東ばかりを見る
橙の
奥 ふかく
つめたく
や ....
夕刻
おとこまさりの包丁裁きで
頭を落として
からだを開いた
中骨を
刃先でなぞる
膜を破る
洗い 流す
ぴりぴりとあかい
赤は
どこまでも
泣き止まない
鍋の底で ....
高架下の
冷えたコンクリートに
みみを添えて
こうこうとひかる夜の電車の
進む方向を
聞いている
せわしなく交差する線が
夜へと潜る
瞬間
手にするのは
あざやかに灯るうたごえ ....