チェス盤をたっぷり呑んだクジラの死

涼やかに 孤独な消火器の揺らぎ

百合を手に走る土曜日そのすべて

遊郭が透過してゆく左心室

脱獄囚 ピーチ・メルバを待ちながら
やらかい
くらやみのなかで
ないた
ぽにょぽにょぽにょさかなのこ
今年も海に行けなかったけど
ぽにょの海は素敵だったわ

ぽろぽろと
かわいらしい音を
たてて
涙は落ちる
はなび ....
どうせなら、何にも見えないくらい真っ暗になって欲しい。

どうせなら、何にも聴こえないくらい澄んだ空気に触れたい。

真夜中の公園でも、街の外れでも。

誰も居ない学校でも、夢の中でも。
 ....
いつからか、学校に有刺鉄線がまきついて
体育教師がうれしそうな顔をしたのは。
午後のコーヒーに毒が入れられるようになり
コーヒー会社は自殺した

もともと中島みゆきが好きだったぼくは、
 ....
犬神の作り方というのは実に簡単である。
首だけが地表に出るように、生きた犬を地面に埋める。犬の目の前に食べ物を置くが、決して食べさせずに飢えさせる。その際、私は別の犬の肉を用いる─蟲毒の応用であ ....
突き刺してほぐしてしまってください、スプーンやフォークといったような安い金属でいいですから
つまりそれがものの価値、いいえそんなことは


誰かに任せるのが楽です
わたしもう帰ります

 ....
君は僕の手首の傷のこともちっぽけな心のこともぐちょぐちょの中身のことも知っているんだ。だから僕は君を信じられない。大丈夫だよと慰める声が嘲りに聞こえる。優しげに微笑む顔がどろりと崩れて醜い満面の笑顔に .... 骸骨の運転する車を隣町へ走らせて
無人の街へ降り立ち、ひとり遊びに疲れると
電車に乗って帰って来、立ち食いソバなんかで済ます
その隣町もそのまた隣町も区別がつかない程
同じ様子で無 ....
コピー機の隣に
幼なじみが立っていた
靴を片方なくしてしまったと
挿絵のように
静かに泣いていた

右手を左手首のあたりに添えるしぐさは
昔と同じ感じだった
野で摘んできた白い花を ....
雨の降るのを感じるのは
傘を空へと押し広げる時
張り詰めた半球の帳
音響く球の内部から
滴の垂れる筋を
左手の小指で追う

乾いた小さな炸裂音と
風に乗る湿った臭い
濡れる風景の対比 ....

なんか違う
って感じが
ぐるりと
腰の辺りで動いた
スーパーマーケットのど真ん中
わたしは脂汗を流して
立ち止まる

夢見が悪かった
何度も叫んでいた
悔しい
憎らしい
 ....
眠れない夜に
眠ってしまった店を想う

焼き魚が食いたくて
冷蔵庫の灯をまさぐるが
プラスチックしか見つからない
ジュースを転がす

傷んだ腹がないている
鍋焼きうどん食おうにも
 ....
飛ぶ鳥はとても軽いのだということを
わたしはときどき忘れる
飛ぶために鳥が捨て去ったものの重さを
わたしはときどき忘れる

鳥の骨は細く軽く
すきまだらけで脆いということを
150kg超 ....
試験中の教室の空気を切り裂いて鳩は勢いよく窓ガラスに突っ込むと
そのまま羽を舞い散らせて深い眠りに落ちた

人間はキューブリックが考えるより愚かしく
ゆっくりと進化だか退化だかを遂げて生きてい ....
 その男の父母は頭脳明晰であつたが、いかんせん欠けた人間であつた。
 その証拠にその息子は、うんと賢くうんと欠けていた。

 彼は幼少の時分、「阿呆として生きねばならヌ」と思うた。
 難解な数 ....
 Aが庭に地下室を掘った。砂だらけだ。コンクリートで少しだけ壁を固めたらしい。雨が降っ
た。床は砂だから水がじめじめと出てきてそのうち水溜りになった。晴れていたらこの砂のベッ
ドがきもちいいのだと ....
タイトルに「あなた」なんて使って気恥ずかしいのですが、
なんかそういう気分なので(笑)。

さて。
蘭の会(http://www.orchidclub.net/)の「ふみばこ」というコーナーに ....
川の水だらだら垂れ流し
みっともないくらい
あたしの住んでる川はこんなもんじゃない
もっとシャッキリしてて底が見えてる具合のいい川だよ

でも海に入れば一緒だね



川の上流れてく ....
都会のエレキな夜に
吸い込まれるように
まっすぐ飛ぶ
黒い、の

公園ベンチの下
ぼやけた地面に
腑抜けのゴミ共が
寄せ集められる

「それは違うだろ」
「いいや、違わない」
 ....
ぼくは
腐った野苺を食べてしまったから

おかあさん

さよならです

片耳のちぎれた野良犬が
悲しい目でぼくを見つめているよ

灰色に濁った
その目の奥から覗き見る世界は
ど ....
過ぎては消え 遅れては鳴り
ふたたび現われ 昇りゆく
水たまりの径
ふいの翳り


まだ水は冷たく
指をまわす
見聞きした風
伝えられずに


陽のはざまに揚まり  ....
ホリデイ
青空にはためく白い洗濯物
私は音の出ない口笛を吹きながら
遠くに走る車のきらめきを見ていた
いつか見た潮騒のようだとふと思う
あなたはまだ帰って来ない
風が気持ちいいわ 春のよう ....
ある休日
ちょっとしたことがきっかけで
僕らはモデルハウスを見学した
床暖房完備なので
ストーブは不要と説明された
あたたかたったのは
春のせいだと勘違いしていた
外はまだ少し寒かったの ....
今夜も、
工場員たちは勇猛果敢に酒を飲み、
車を運転して帰るだろう。彼らは警察に捕まらない、それって本当?
ー壁にぶつかるだけさ。
街中で、
衝突して瓦礫のように崩れた
社会に立ち現れるそ ....
約2年、私は欝で精神病院にいる。
3回の入退院。

ここでの暮らしは快適だった。
全室個室で
プライバシーはしっかり守られている。
誰にも惑わされない。
(自分以外は、ということなの ....
私は流れてゆく
水のようになめらかに
時には{ルビ滔々=とうとう}と
時には穏やかなせせらぎになり


私に映るのは雲の流れ
陽のきらめきがいくつも反射する
あるいは透過して泳ぐ魚の群 ....
あしたのことを
考えていました
今が今でしかないことや
過去が過去でしかないことは
そっと忍び来るあしたにくらべれば
ずっと簡単なこと
あしたはいつも単調 そんな貌で

あなたのこ ....
あの古い家の二階の窓に
いつか見た雲が流れてゆく
雲はいつもあの窓に吸い込まれ
戻って来ない日を数える
そっと指折りをする


窓ガラスに昼の陽がさして
辺りはぱっと明るくなった
物 ....
陽が落ちた後に観覧車は

一日に浴びた熱に当てられて躁鬱になる

テーマパークに行きたかったけど行けなかった生き物のすすり泣きを

食べなきゃいけない時間だけど

箍の外れ ....
たとえばおれが今夜
習慣にしている夜の散歩がてら
捨てられている、うすぎれた皮を着た羊顔の子供が落ちているのを見かけたら
気まぐれで拾って手をつないで小さな歩幅でスキップをしながら帰 ....
右肩良久さんのおすすめリスト(64)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
秋の受諾- 中山うる俳句108-9-26
- ki自由詩108-9-23
創書日和「抱擁。」- 狠志自由詩208-9-22
有線放送- パラソル自由詩1*08-9-22
犬神の作り方- がらんど ...散文(批評 ...308-6-12
十二月だってことくらいわかる。まだわかるから藻掻け。- 因子自由詩1*08-5-6
最期のダンス- 因子散文(批評 ...2*08-4-28
適当な世界- ヨルノテ ...自由詩308-3-22
挿絵- たもつ自由詩1208-3-22
春サメタ散歩コウス- 木屋 亞 ...自由詩2*08-3-19
地獄で- チアーヌ自由詩508-3-18
ひと炊き- 佐々木妖 ...自由詩23*08-3-18
軽さへのあこがれ- 佐々宝砂自由詩44+*08-3-18
創書日和「鳥」- 虹村 凌自由詩4*08-3-18
スピンオフ- 影山影司自由詩208-3-18
___- 渡邉建志自由詩208-3-18
詩という“表現”を選んだあなたへ- いとう散文(批評 ...59+*08-3-17
川の水だらだらたれ流し- 因子自由詩6*08-3-16
黒い、の- プテラノ ...自由詩2*08-3-14
腐った野苺- 大覚アキ ...自由詩808-3-14
ノート(ひとつ_撓む)- 木立 悟自由詩608-3-13
ホリデイ- 石瀬琳々自由詩16*08-3-12
モデルハウス- 小川 葉自由詩208-3-9
出口- プテラノ ...自由詩2*08-3-9
精神病院での2年間- 風音散文(批評 ...5*08-3-6
水の恋歌- 石瀬琳々自由詩9*08-3-5
考えていました- soft_machine自由詩16*08-2-22
- 石瀬琳々自由詩18*08-2-20
おやすみ観覧車- 鎖骨自由詩1*07-12-18
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