アナタの言葉を
何度も 何度も
反芻しました
アナタの顔を
何度も 何度も
思い出しました
たった僅かの時間でも
私にかけた時間の魔法は
未だに解けないで居ます
せめて今 ....
雨降って
一つ
四角い
優しさを幾つか
重ねて
傷がついた分
優しくなったね
そうしてどれだけ
優しくなれば良い？
海を包み込むように
電車の窓は
みんなの空が
輝いていたんだ
座席と吊革の
旅人は
小さな液晶の
窓を開き
自分の空に
話しかけている
僕は僕で旅の途中に
....
ふと目が覚めた
朝の５時だった
光るのは携帯の待受
寝たのは１２時
５時間経っても
普段は起きないのに
おはようと
声をかけたら
小鳥に先に返された
春の朝日
オレンジの光 ....
泣いたって
忘れられない思い出があるのなら
いっそ笑ってしまえばいい。
憎んだって
消せない過去があるのなら
いっそ愛してしまえばいい。
そんな風に生きれたら
どんなに素敵な ....
この胸ん中にある
なけなしのやさしさと
かろうじての純粋さ
しぼり出す勇気とトキメキを
余すとこなく預けておくから
好きに使っていいよ
いつでも自由に欲しいまま
....
みんな終わりにしようと思ってたんだ
いいことなんてひとつもなかったし
こんな人生もういらないんだ
さようなら
さようなら
もう思い残すこともありません
なのに なのにおかしいね
....
一瞬の時を
何千何百と重ね
今を生きる
御機嫌いかが、と
埃っぽい風が吹く
どの窓にも猫が一匹いて
ぐりぐりした目玉でこちらを見ている
しっぽをくゆらすもの
ひげをぴんと張ったもの
前足を行儀よく並べて
あるいはつま先 ....
なんでもはなせるといいながら
なんにもはなせていなかった
ふたりは
おたがいはなすことなく
おたがいはなしてしまった
それだけの
はなし
昨日の雨は上がって
今日はよく晴れた日だ
大きな音楽をかけて通り過ぎるのは
灯油屋のトラック
たくさんの鳩が止まった電線は
重たげに弓形を描く
当たり前の朝だ
....
愛してるって言葉だけじゃどうにもならない時があるね
抱きしめるだけじゃ伝わらない時があるね
どうしたら分かり合えるのか
それを考える冷静さも
粉々に砕けて見当たらない
....
一度壊れてしまったら、元へは戻らないものもあるのよ。
貴女はそれを私に見せ付けた。
貴女のそれを、私は裏切りだと思う。
傷付けようというつもりが無かったからといって、赦されないこともある ....
私のいのちはもってあと一年です
あわれんでくれますか
どうじょうしてくれますか
なにかをかえてくれますか
なにかをあたえてくれますか
いちねんのかぎられたじかんのなかで
....
たんぽぽの綿毛が木の枝に引っかかっていたから
指先でつまんで土に植えた
花は咲き木々は茂る
虫がいて動物がいて人間がいる
目の届くだけでも
数え切れない種類の命があり
全体数など計 ....
駄々をこねて欲しい欲しいといえば
泣いてわめいて地団太踏めば
気付いてくれるのかもしれない
仕方ないねと苦笑の一つでももらしながら
与えてくれるのかもしれない
そうするには
大人に ....
孤独とは、本当は独りではなく
ふたりのあいだに、常に存在する影
光が闇からうまれるように
愛も孤独からうまれる
ぬくもりとは、その孤独が
幾重にも重なり合いうまれた
....
眠り続けるあなたは、齢をとらない。
あなたは、いつまでも少女のまま。
ときどき、ほんの片時目覚めては、
少女のあなたは、いつも今を生きる。
眠り続けるあなたは、学生のまま？
あなたは首を振る ....
時折見せる
あなたのかなしい微笑に
わたしは茜の放課後をみる
琥珀に澄んだ
あなたの真直ぐな瞳のなかに
わたしはゆらめくさかなの影をみる
あなたは そう いつもやさしい
....
僕は不謹慎にも
君の泣き顔に見とれていたんだ
夕日を受け光る泪は瞳から溢れ
ゆっくりと頬をすべる
その動きの一つ一つを見逃さないよう
僕はじっと君 ....
月は
見えない音をたて
真昼の闇の滝を滑り堕ちていく
否
堕ちるのではない
昇るのだ
わたしを介してあなたへと
絶望に煌きながら
地の底の淵で
やがて幾人もの人間 ....
春一番が吹きました
木枯らしは
みんなの中に
愛を置いていきます
自分が寒いから
春一番が吹きました
春一番は
僕から愛を奪います
....
道の途中うずくまってたんだ
横を通り過ぎる雑踏
遠くなる意識のなか助けを求めてたんだ
胸に渦を巻く葛藤
力無く手をのばして…
独り
戦う
怖くて
不安で
手をとって…
アスファ ....
「風光」はおまえのパトスに
潤いをあたえるために
「時空」はおまえのロゴスに
柔らかさをもたらすために
「老残」はおまえの生涯に
花の装いをほどこすために
....
遠くながい光よりも
今、あなたの目の前にある
一秒の光を
直視しなければ
あなたの壁は壊れない
あなたが逃げれば逃げるほど
壁の数は増えていく
わかってはいる、とあなた ....
またね
行き違いの電車が同時にすべりこむホーム
確認しあって背を向けた
またね
すれ違いの苦味をかみ締めた日
精一杯でそれだけ言った
またね
お互いの気持ちを伝え合う ....
君も知ってるだろ？
僕らは言葉で世界を作って
支えてるんだってこと
だから何をすればいいかは明白だ
そう，9番目の文字
それが欲しいといってごらん
つぶやく程度でもかまわない
そのう ....
りんと張り詰めた冬の朝を
切り裂きながらとんびは飛ぶので
わたしは腹立たしくってしょうがない。
庭に下りた霜が
椿の赤を焼いている。
やめてください、どうか、どうか後生ですから。
どう ....
初夢を打ち消して
異質の波紋が脳細胞に浮かんでは消える
走馬灯に浮かぶ
ゆがんだ半生の影絵 ....
白昼
上っていく太陽は
まるで
出遅れたランナーだ
誰も見ることもなく
ありきたりで
ありふれている
本当は
この地球に
光とぬくもりを
伝えてくれているのに
僕は彼女の目線を追う
いつもそこ ....
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