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お代り、と言って
空の茶碗を掌に持ち
伸ばした腕がどこまでも伸びていく
伸びきったところで
祖母が茶碗を受け取って
傍にある炊飯器のご飯を茶碗に盛る
おばあちゃんのお代 ....
ようじもないのに
ころがっていく
さかみちを
みかんが
さかみちの
はてのはてまで
それが
ようじであるかのように
朝目覚めると
セブンスターを吸った
誰のかわからないけれど
同じ質量の
わたしも目を覚まして
セブンスターを吸っていた
あの頃と同じ質量の
今日がはじまる
同じ質量のは ....
誰もいない掌に
ひとり
立っていた気がする
地平線を探して
生命線に沿いながら
ひとり
歩いていた気がする
それはわたし
ではなかったかと思う
陽が落ちて
重 ....
かくしごとなんて
はじめからなかったはずなのに
生きてると
知られたくないことの
ひとつやふたつあるものでした
できることなら
椅子に生まれて
何も思わずにただ生きて
人を支 ....
車に轢かれそうになった
安全な横断歩道を
渡ろうとしただけだった
君を庇えなかったことや
庇わなかったことの
すべてが脳裏を過ぎてゆく
そのとき車は
ぼくらの手前で停止した
から ....
おなじ水が
おなじ水のほうへ
ながれてゆくように
僕らは
さかなになりました
僕らはいつしか
濡れたからだで
水辺に立ち尽くしていました
はじめて会った
気がしませんで ....