雨が空からの使者ならば
私は何を伝えられよう
木々のこずえに
しなだれかかる茂った葉に
この窓に流るる雨水にも
知りたい便りがあらんことを
少し望みてじっと見つめて
このカラダ全 ....
なぜか
いやだいやだって泣きたくなりました
あなたは慰めはしないと思うけど
そっぽむいていていいの
だから部屋から出て行かないで
コーヒーを持つ手が震える
なにがこわかったんだろう ....
人は一人だと知ったのは
夕暮れの空き地に隠れたときだった
もう帰るもんかと思ったけれど
戻るしかない自分を恨んだときだった
なぜ子供は親を選べないの
なぜ生まれる場所を選べないの
親は ....
空に憂いをうたい
こんな風にこんな風に
雨に涙を想い
そんなことでそんなことで
歩けないような息ができないような
か細いことが美しいとおもってしまふ
君と僕らはどこが違うか
海の ....
湧き出る水のある川をめぐって
ダムという池をつくるそうです
下の村では 水がとぼしく
水よ 水よと叫んでいるそうです
上の村では命の川と
崇めている老人は次々しんでいった
川はだれ ....
いつもいつも
一から始まるように感じる朝は
夕べのやり残しの食器洗いよりも
途中になった本棚の整理よりも
まず
この窓を開け放つところから
始めなければならない気にさせる
....
あなたに優しくできない私が
あなたの子供なんです
後姿老いましたね おかあさん
何度も思い直す行く道で
せめて逆らわない
怒らない おさえて おさえて と
窓の景色が流れるのを
....
舞う花びらはどこへいく
いつかはこの地に落ちるのに
しっかと根付いた木から離れ
ひとひら ひとひら
散ってゆく
たとえふうわり飛べたとて
風のきまぐれにまどわされ
たとえひらひら飛 ....
飛んできた花びらはお使いの途中
なんて書いてあるかは
太陽次第
掴んだって無駄だよ
ほら
もう
見えない
レモンソーダみたいな恋はもう ない
泡が綺麗だね
君が そう言った
....
チチオヤ ハハオヤって無条件に
子供を愛すとおもってたけど
違ってたんだな むしろ自分を
愛してほしいとおもってるんだな
彼氏 彼女になったなら
相手が大事だとおもってたけど
違ってた ....
貴方の心に手を添えることで
貴方が楽になり
私が生を知り
それで2人が
今を笑えるならそれでいいと思う
貴方の胸に耳を当てて
その音を確かめて欲しいというのなら
私はいつまででもその ....
ゆふれいは
いると思う?
きいた 君がふいに
消えてしまいそうで
抱き寄せた
僕はいきている?
きいた 君は笑って
僕の胸に顔を埋める
こんな風にずっと僕らは
ゆふれいは ....
小さな引き出しがいっぱいついている壁
そこには私のすきなものが入っている
願うだけででてくるその引き出しは
私の夢にはなくてはならないものだった
どこの場所にいてもそれはあらわれ
私には ....
くねくねと曲がりくねった山道に
さしかかる前のカーブを曲がるとき
世界が終る気がした いつも
悲しい気持ちがした
山奥の村は孤独が住んでいる
柿の木の下にうずくまる犬
容赦のないこ ....
私の
この私でさえ
わからぬこの気持ちを
わからないままにわかるという
人を愛したいのだろうか
今の私には
それは違うという声は受け入れがたく
たとえば交差点でぶつかった肩にとま ....
夜になると
寝ないといけないなんて知らなかった
眠らないことで叱られていたと理解できたのは
だいぶ後のことだった
そういうことだったのか と
あのときの母の怒りは
そういうことだったの ....
待つこの身は
悲しい時を過ごしてはいず
数える雲もただ白く見えるから
貴方は心配しなくていいよ
朗々と
どこかで奏でるピアノの旋律
聞こえた気がしたのは私だけにか
この指は
鍵 ....
おかあさん
わたし あなたがうっとうしかった
あの日
窓の内側からわたしをみたあなたは
ころしてしまいたいぐらいこわかったです
おかあさんのおかあさんは天使にみえた
あなた ....
ねぇ
朝になって
何もなくしてないことを知るけど
隣にだれもいないことも
知るんだよ
夢の脱け殻が
落ちてないか必死に探すけど
うなだれた首みたいな
タオルが丸まってるだけ
....
軽トラックの後ろから
眺めたあなたの姿が
あまりに女だったから
私はこわくなった
へだてたガラスを殴って
振り向かせたかったけど
バックミラーで私の顔を見られたくなかったから
寝転んだ
....
あの頃の私には
人と違う ということが恐ろしくてならなかった
生まれ持ったカラダのどこもが
他のみんなと違ってはならないと思っていた
思っていたのに違っていた
わずかにカタチを違えて備わって ....
悲しい小船をこいでゆこうよ
涙の海を渡ってこの船はどこへいくのかな
明かりも見えない海に浮かんで
揺られる心はからっぽだ
この手も足も動くけど
船からでられはしないから
泳ぐ魚に尋ねても ....
私はなぜ生まれたのだろう
誕生してほしかったのは
確かに母の願いだが
生まれ出でたのは私の意志なのだろうか
あれから何度考えても答えがでないのだ
悲しいとおもうたび
苦しいとおもうたび ....
裏切りの朝に
定説どうりの涙は品切れ
入荷待ちの列は長蛇に
しっぽは隣町までスキップスキップ
嘘ついた隠した水面下
あのことあのことあの人だけに
指きり小指をからめてポキリ
静寂 ....
目の前のことにあわててしまって
とりあえず傷つけてみた君を
置いてきぼりの悲しさ知ってるから
先に歩き出した黙って
向かい風のせいにして声を惜しんで
きっと届かないっていい訳くっつける
....
黒い空に向かって
黒い影になったマンションが伸びる
まだらな光の 中にあるものは
愛だろうか
透けて見える熱をもった空気に
何かを感じ取ろうと目をこらす
しらじらしい光を発してコンビニ ....
どんぐりもおちる影なし 古隧道
吾の庭に 身の程知らずの柿がなる
干し柿を目印にする 祖母の家
欠けた言葉で怪我をする
優しくないね
だれもが優しいだなんて
思っちゃないけど
なぜなのいたずらに
突き付ける尖った心
情けないほど悲しくなった
なにもないことに
痛みがあるのは知 ....
お前は強いなと言われても
あなたは弱いですねと言うしかなくて
言ったからといって私の気持ちが
どうにかなるものではありません
お前は大丈夫と言われても
保障もない断言だけで
生き ....
物言わぬ足が私を見つめている
それは君の足だ 君が歩きつかれて
私の目の前に四肢を横たえて眠る足先
見るともなく触るともなく触れて
その足裏が少しいびつなのに気づく
君ハソウダッタノカ
....
1 2 3 4