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寂れた港町に居る
風が唸りを上げて
右の窓から
左の窓へと
飛び込んで来ては抜けて行く
部屋には何も無くて
退屈さえも無くて
何もない部屋の隅っこには無気力だけが転がっている
みんな、風が運んでし ....
真夜中/街灯/無人駅/アスファルトに咲いた白い花
煙草/缶ビール/読みかけの本/錆びて褪せた古い看板
波止場/大観覧車/真っ赤な郵便ポスト
朽ちて行く町/崩れて行く遠い影/消えてしまった風情 ....
━数億年、
寄せては返し繰り返し
水、空気、光を、
混ぜる、取り込む、濾過する
そうして造られた海は、人の創造を遥かに越えて
例えば、ありふれた海岸線の湾曲にさえも
....