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たなごころに
すとんと収まるその笛は
尊い土の重さと
ほのかな内空の軽さを
同時に伝える
私は
澄んだ森の気配に
肺胞を湿らせ
惹きつけられるように
ほっこりとしたぬくもりに
....
喧騒のなか
細い雨のメロディ
梢にしがみついて
姿を変えてみる
みんな
どこへ向かうのだろう
遠い、稜線をこえて
あしたも、あさっても
きゅうに
手をつなぎたくなって
あなたの ....
水槽の底の
薄く撒かれた石床を
胸に抱えたまま
いつまでも
眠りにたどりつけない
硝子の鏡面に映る
瞳の奥、の奥
私は
銀色のマトリョーシカを
組み立てる
+
あなた ....
氾濫する
春の本流を立ち泳ぐ
辺りには甘い毒素が満ちていて
脳から先に侵されてゆく
あらゆる感情の結び目は解けて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断さえおぼつかないまま
い ....
遠い空とつながったきみが
小さな点になる
それは消失してしまいそうな
さびしい孤独であるのに
ふしぎな水色に輝いている
逆さまから立ち上がるときのきみは
やさしい速度でやってくる
淡 ....