きみの言葉の行く先を
わたしはひとつに
収めてしまう
無限に広がりそうな
孤独の定義の
予感に
おびえて
きみの言葉に
息づくものと息づかないもの
....
雪道を滑らないように歩きながら山の寺へ向かう
お姫様が松の木に恋をした伝説が残る谷間
キスをして抱き合うと
どんなに寒い夜でも
雪さえも
暖かかった
この恋がいつか消えてしまうこと
....
生まれたころを過ぎても
生まれなかった子は
やっぱり
私が殺したんだろうか
私の生まれた日に
すでに死んでいた子は
生まれなくてよかった子なの
ねえ
あなた
黄色い自 ....
ふしぎなもので
空っぽに近いほど
人生は
重い
そんなことを遠くの風見鶏がいう。
つめたい指をしている
と あなたは言って
ふたまわりほど大きな掌で
包みこんでくれた
ゆきうさぎの見る夢は
ほのかに甘い想い出ばかりで
わたしは人のぬくもりに
慣れていないから ....
目も眩む原色に潰されたい。
柔らかな間色に包まれたい。
だけど私は真っ黒で、どんな色とも混じれない。
悲しみすぎたからからっぽになる
さらさらの雨が降っている
需要と供給はいつも等しくはなれない
(1) 予兆
パソコンがどうもいつもと違う音、カラカラカラと変な音を立てていたら
・パソコンの寿命が間近
・良くないことの前兆
・中のハムスターが暴れている
のどれか。ハムスター ....
淋しさの屋上に幽かな
夕焼けが照らし続ける赤い星
病んでしまった日記帳や
駅前の木々までも染め抜く
我も又 ホシ屑ならば うみのよに 砕けて チッタ いぬのこと おもう 。
板壁に花の影が映っていた。
花は微かに揺れていた。
もうすぐ冬になり枯れてしまうから、
寂しくはないだろう。
古びた板壁も10年以内には崩れて無くなるだろう。
でも今はまだ花は咲いていて、影 ....
橙色の風が吹き
壁をめぐり
木々を螺旋に上下する
ふいに無数の猫になり
屋根の高さの季節を乱す
吐息が導く双つの手のひら
合うようで合わないはざまから
遠く見知ら ....
誤解を解いてはいけない
それが誤解であることを知られてはいけない
誤解は誤解のままでなくてはいけない
誰にも打ち明けてはいけない
それが誤解であることはあなた以外が知っていてはいけない ....
口唇からたちのぼる
あなたは薄い雲を吐く
二人の間を遮って
天井にたまってゆく
この部屋を一枚の絵にしたら
あなたの「ふきだし」でいっぱいで
あたしはそこに言葉を詰め込む
何も言 ....
戻れないないからこそ
進もうと思えるのかもしれない
そんなことを考えながら
横断歩道で信号が変わるのを待っていた
怯えた顔の仔猫が
不安そうに鳴いている
信号の色は青に変わっているのに ....
春分の朝のひかりが桃色に染め上げてゆく雲を見ている
結んだ髪に椿を挿して出掛けましょじんこうてきなダムを見ましょう
最短で森の迷路を抜ける道あなたが選ぶ毒の木いちご
ばた ....
「青が好きだということにしよう」
そう決めて 僕はこの世に生まれた。
コトバがいらなくなった
瞬間
ぼくらはすごく近くにいたんだ
コトバという記号に
置き換える作業が
無駄に思えるほどに
・・・・
この壊れそうな時間を
もう少しだけ
そ ....
聞こうとするんではなく
聞くことを拒否するんではなく
ただ空気を見つめて
同化することに集中するだけ
くうきでいたいくうきでいたい
知らんぷりじゃなくて何にも知らない
うざいんじゃなくて何 ....
眠ってるそうではなくて沈黙よあなたを葬るながいまばたき
肉食の僕を嫌いと言うきみもすでに世界に捕食されてる
夜遅く広い畑に穴を掘り埋めるという名の行為を見てた
寄り添って ....
真っ青な雨を
真っ青な傘で受ける
この身が濡れぬように
冷やさぬように
気遣う身を
あたしを
あたしは
「恥じているさ」
やわらかく深い泥に
飲みこまれてゆく片足
どう ....
どっちを向いても砂浜だらけの砂
部屋が思い出砂漠しているのでゴースト バイ ゴースト バイ ゴースト
あなたが沼へ帰るというので
わたしは途方にくれる
あの森はあなたの兄を食べ
わたしの妹を ....
罪の森きみの手を取り「逃げよう」と言った途端に僕も罪人
森のなか追いかけごっこふたりして迷い込んだねもうひとつの森
瓶詰めの蝶を埋めます木の根元「飛び立つものはすべて埋めます」
....
煙草を灰にするように
死に体の鴉たちが一斉に飛び立ったので
空が夜みたい
狭い空ばかり見ていたから
わからなくなるのです
こんなとき
天井がもうきついそうなので
僕は唾を飲み込んで
君 ....
家族と走った8万キロ
一人で走った1万5千キロ
家族に内緒の5千キロのうちわけは
君だけが知っている
ほの暗い部屋の中でひとり
君との間に壁ができた気がして
布一枚敷いて寝転んでみた
目に映るのは腕越しに見える
ガラスを通して射す月の光だけで
それが消え入りそうにか細く綺麗で
ひたすら無心 ....
まるで
ホワイトのように白い病室の中から
君は待つだろう
あらゆる部屋で踊っている死の山羊たちを無視して
根付く花に囲まれながら
真正面からベッドに腰かけている君は
瞬きをしない
くしゃ ....
微笑みに沈みながら
ゆっくりと溶けてゆく君が君が
追いかけられることにつかれて
しごとも捨てかんけいも捨て
色さえも捨てた
ほのおの残した灰のように静かに
軽く風のような涼しいが吹いてから ....
ジェリーフィッシュのように透明な空を見上げて
ただ真っ白に漂って
雨に髪を遊ばせて
わからないように雲に心を流した
そしてあたしは深い海の色にまで透き通り
ひたすらに君の帰りを待ったんだ
....
くりかえしてくりかえして
何度も何度もくりかえしくりかえす
「24時間」に閉じ込められた僕は
25時間目に生まれるとゆう{ルビ詩=キミ}に会えない
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