すべてのおすすめ
その少年は風船を手に降り立った
そして私にひとつの物語を説いて口に指をさした
それは私のようであり、また別の誰かの事のようだった
少年は無垢な笑顔とは裏腹に私と目を合わそうとしなかっ ....
世界中のつむじが
僕を巻き込んで渦巻いてる
此処から見えるあらゆる朝焼けと夕焼けが
一緒くたになって
僕の瞳に虹を生む
言葉にならない全ての知識が体中を流れる
....
そっとわたしはおとします
気づかぬようにおとします
あなたの背中にハンカチを
今では古びたハンカチを。
時を駆ける花の芽を
痛まぬように閉じましょう。
....
男は声をはりあげる
もう何も言わせないようにと
しかし女は声を潜める
男に聴きとってもらえるようにと
ささやかな願いをこめて
始まりに全てが生き絶えることで
ようやく中身に潤いが満ちてくる
雪が蒲公英(たんぽぽ)の種子のように
大地一面に真白に根づく
かつてのたぎりを冷まして
それらが大 ....