コップのなかに
残された朝と
醒めきらないままの
水を分けあう

魚のかたちをして
水がうごく
夏のはじまり
ゆっくり水際を
泳いでゆこうとする
小さな魚だ

草となり
ただ ....
市民は
大切な休日に
家族ぐるみでデモに出掛ける

正直な子供が
「デモなんて、暑いし疲れるしつまんないしイヤだよ
ディズニーシーに行こうよ」と言っても
「このままだと日本は戦争に巻き込 ....
裏社会で暗躍する人になりたい

耳許で「要らない」と言ったら
即、誰かがそいつを抹殺してくれる
人になりたい

命乞いをされたら
一瞬赦したように見せ掛けて
車ごと爆破してやりたい ....
傘をさす手を奪われるほど
僕は何かを持ちすぎてはいない

縦書きの雨
カーテンの雨
通話中を知らせる音の雨
改行の雨
鉄柵の雨
液晶に、雨

こんなにも雨にまみれた世界 ....
〝おれは頭はいいが狩りは苦手なんだ〟
ジェンマは呟いた
〝誰にだって得手不得手があるってもんさ〟

同じ年に生まれた若い狐たちからは
「下手くそジャンマ」
「まだ一度もうさぎを捕まえたこと ....
BBが死んだんだ

集団的自衛権なんてどうでもいい
あのトーンも
あのチョーキングも
もう存在しないんだ

法整備とかどうでもいい

でも
多分
BBはあいつのこと嫌いだと思うか ....
いいことがあるかもしれない
今日に想う

丁寧に話しかけたあなたが
丁寧にこたえてくれた

なにかできるかもしれない
深呼吸してグーパー
わたしのこのてで
波に揺られてクラゲたちが
選挙をしている

立会人の父を乗せた船は
月の美しい遥か沖に
沈んでしまった

僕は道路の繊維をほぐしながら
罪のない嘘を口ずさんでる

台所では
 ....
昨夜からの強い風に
道路の真ん中に横たわる
タヌキの背の毛が
グラデーションで揺れる
生きていようと
死んでいようと
台風は今日 やってくる
木々があいする木漏れ日のこと
川がめでるせせらぎのこと

雨が求めるつちの渇きのこと
太陽がほしがる水溜まりのこと

夕日があこがれる水平線のこと
朝陽がのぞむ暗やみのこと

 ....
八重よ、八重、
お前はどこからやってきた?
海の向こうの和の国の
家族がお前も恋しいか?

八重よ、八重、
お前はいつからそこにいる?
出逢った時からお互いに
白髪も相当溜めてきた
 ....
こわい話を聞く
お姉ちゃんの手を握る
水浸しの夜のような話に
手のなかのお姉ちゃんが
喉を鳴らす。

姉がいなくなった日
そんな話があった
僕は何事かを書きたくなる
良い物語は一 ....
わたしはターヘルアナトミア

あなたの皮をペロリと剥いで

思惑の筋や経絡がどれほど緻密にヒクついているか

白日の下に晒してご覧に入れます

わたしはターヘルアナトミア

飲み込 ....
あなたにうがいを教えたことはないけれど
あなたはうがいを体得していた
言葉で教えられるよりも
見て覚えることのほうが
きっと何倍も簡単なんだと思う

それでもあなたが
うがいってなんなの ....
四番目の息が聞こえる。
父の息。
母の息。
私の息。
そして、聞こえる。
他には居るはずがない誰かの息が。

まだ幼かった私は、父母に挟まれ、狭い二階の一室で、毎夜訪れる暗闇と遭遇してい ....
ヨシノさんは江戸末期の
北豊島郡染井村で生まれた

生まれながらにして容姿端麗
娘盛りには五枚の花弁を振り撒いて
道行く人を虜にした

染井村のヨシノさんを
なんとしても手に入れた ....
たいていは
洗面所に置いてある
プラスチックの小さなコップだ
うっかり注ぎ過ぎると
すぐに溢れてしまう

もちろん
茶碗や湯飲みでもあるけれど
哀しいくらい量産品だから
いつ取り ....
放課後、
曖昧にわらっていたらだれかに可愛いって言われた
そのうすぐらい背中にくっついていって
きづけば喫煙席に座っていた
火傷した舌にざらついたコーヒー、問いかけの意味がわからなくて
ま ....
何かが見えたような気になる



空は空の色
水は水の色
あの花はあの花の色
その人はその人の色

青と透明と赤と頑固者
決めてしまえば
安心だし便利だ

でもそうは思 ....
共産主義者です
資本主義に対する
異義を唱えるのです


右翼的な罵り
ああ痛いよ

共産主義国家は手段に過ぎない
社会主義の

押し売りであるTPP
USSRが瓦解したの ....
あの子は障子に射す光を見ていた
目の窓に映るきらきらの光はなぜか心を
胸のおくをきゅんと痛くするの
涙が目の窓にもり上がって
よけいにかなしみというものが近づいてくる


かなしみはうつ ....
「吐」

薔薇色の二酸化炭素
パッチワークの嘘
賑やかな流動体
ビタースウィートな溜め息

悩ましい亀裂から
漏れ出す黒い臭素
歪に膨れ上がる
柔らかすぎる容器

吐き出さ ....
おいしいスープも煮えた頃だし
バイオリン弾きも呼んできな
けむくじゃらの獣たちも着飾って
誰もが招かれざるお客
ラー油をたっぷりラードもこってり
けじめもなしの騒ぎ放題
まちがえたって?
 ....
話しかけないでください
ローソクの火が妖しく揺らぎ
ウィンナーワルツのレコードが
くるくると逆回転し始める深夜
ソファに百年腰掛けていた
黒服の人形が笑いだし
ラファエルの心臓が壁一面に引 ....
月のない夜 銀河からの光に
山の端の木枝は 浮かび上がる 黒々と
花は眠っている 午後の明るい顔のままで
川音は 青くさざめいて 流れる


あてにはならない 行く末へ
いくつもの悔 ....
  *太郎を眠らせ、太郎の上に雪降り積む

       *次郎を眠らせ、次郎の上に
     冷たく白い   かなしみは堆く
    白く   叢枯れ果てた夢の室の下
   冷たく   ....
前酪

 トロリーバスに新緑の空 ゆられて
 クイーンな休日 いかがお過ごしですか。

 グリセリンはもうとっくに植物性を過ぎたころだけど
 明日はきっと晴れる予報が当たりますよね。

 ....
海底が隆起し水位が下がって
エベレスト界隈が空中に生えた頃
ナマズは汽水に放り込まれて
激烈な減圧に体を硬くしていた

それから雨が際限なく降り
雷鳴をも呑むほどの洪水が引いた頃
ナマズ ....
昇天したくなるような
空一枚 鉤裂きにして


「おまえもおんなじ
       襤褸だねえ


握りしめた石ころ落とす 
脆弱な意思の皮袋


かけはぎなんかいらない
ミシ ....
軽トラックの荷台に仰向けになって
青空を見るのが好きだった
実家から水田転化した林檎畑までは少し遠く
父の運転する軽トラックの荷台に乗り込み
寝転がって空を仰ぎながら道々を行った
時折助手席 ....
オイタルさんのおすすめリスト(600)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の魚- yo-yo自由詩15*15-8-12
私が市民になれない理由- 花形新次自由詩215-7-19
優しいパパ- 花形新次自由詩115-7-18
液晶に、雨- Rin K自由詩18*15-6-18
『聖母ジェンマ』__卵から始まるはな詩②- ただのみ ...自由詩22*15-6-17
THE_DAY_THE_MUSIC_DIED- 金子茶琳自由詩715-5-17
今日をつくる手- 朧月自由詩315-5-17
選挙- たもつ自由詩415-5-17
台風- 金子茶琳自由詩315-5-16
君に触れるということ- かんな自由詩24*15-4-30
八重よ、八重- 夏美かを ...自由詩24+*15-4-26
_- ズー自由詩5*15-4-25
ターヘルアナトミア- ただのみ ...自由詩18*15-4-22
うがい- そらの珊 ...自由詩21*15-4-19
四番目の息- 宣井龍人自由詩19*15-4-17
ヨシノさん- nonya自由詩20*15-3-25
- nonya自由詩16*15-3-11
ユウコ- 吐水とり自由詩5*14-12-27
SISAKU- nonya自由詩19*14-12-11
私は- ドクダミ ...自由詩114-12-7
十一月のきつね- 石瀬琳々自由詩13*14-11-21
トラウマ- nonya自由詩16*14-11-1
今夜はお祭り(3)_- Lucy自由詩6+*14-10-31
今夜はお祭りー収穫祭協賛- Lucy自由詩7+*14-10-31
千鳥しば鳴く- 藤原絵理 ...自由詩7*14-10-28
雪国の田島ハル- ただのみ ...自由詩17*14-10-28
プリーズフリー(ズ)- Wasabi 自由詩614-10-25
ナマズ- salco自由詩1714-10-15
顏もないのに笑ってやがる- ただのみ ...自由詩21+*14-10-15
走る青空- 砂木自由詩18*14-10-13

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