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飛翔する鳥は駝鳥を馬鹿にしていた。
飛べない鳥は鳥では無いという彼らの傲慢さ
飛翔する鳥は自由だという。
飛翔すること自体が美だと。
彼らは美を体現していると自ら誇る。
それを群れの中の ....
軽快なピアノの音にのって
人の優しさが風に舞う
海辺の部屋は明るい光と
鼻をくすぐる潮の匂い
遠く望める水平線に
白いヨットといかついコンテナ
そのまま外海に流れるのか
二艘とも海の彼方 ....
喪服を着たおばさん四人
交差点を渡り、口々に話す。
一人は楽しげに
久しぶりねぇ
などと通夜であることを忘れ
一人は怒ったような顔をして
どうしてなんでしょうねぇ
などと宣う
....
山腹から漂い降りる朝靄に
竹林に朝靄が
風に漂う朝靄の中
溌剌とし
凜とした景色を観る
竹林に偲べば
風に漂う朝靄の中
遠く霞み
曖昧な昨日を見る
竹林に及べば
風に漂 ....
花の後から雨が降る。
雨の中から花が咲く。
その後煙る雨が降る。
花に嵐の喩えでないが
さよならだけで死ぬものか。
さよならの後雨が降る。
いつまでたっても雨が降る。
梅 ....
たくさんの後悔の間から
こぼれ落ちてくる綿埃のような溜息は
やはり全部後悔だ。
黙っていると
まわりの空気が
鈍い鉛色の重みをもって
締め付けてくる。
その中で蠢いている自分は
....
流れ落ちる水は
千年前の水と変わることはなく
ただ重力の思う通り
落差のあるがままに
変わらぬ風景を作っている
そんなあり得ない話を信ずる訳も無く
流れ落ちる水は
削り取った岩の ....
朝は晴れ晴れと
色とりどりのアヤメの中歩く
季節六月、紫陽花の花
朝は晴れ晴れと
君を見てアヤメの中歩く
季節六月、紫陽花の花
言葉を交わす余裕なく
六月晴れ渡る梅雨入り前
紫 ....
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