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道の歪みのそこここに
溜まって出来る水たまり
昔の雨にはつきもので
道行く人の迷惑で

車が通れば泥をはね
人が踏めば靴汚し
道の歪みの性格を
そのまま見せる水たまり

そのうち道 ....
楽しい声が歌となる
悲しい声が歌となる。
淋しい言葉が歌となる。
うれしい言葉が歌となる。

歌は言葉を引き連れて
言葉は歌に溶け込んで
人との間を漂って
人との間を翔び ....
人生なんて冗談でしかないって
お偉い先生が言っている。

そんなことは地平線まで見える丘に立ちすくんでいる下々の者である僕らにはとんと実感がありません。
大きく言えば 人生って 今生きているこ ....
春の空に近付けたことで

もういいやと思っても
いつだって、いろいろ言われたりして 心が折れる。
気持ちが弱くなる。
心の中で考えれば考えるほど 辛くなる。涙が出てくる
誰も知らない辛さ  ....
バイバイ カザルスホール

最初は静々と
自信のない歌声は
旋律の迷いを消すだけの声で
他人の声は聴こえない
自分の声も聴こえない
歌に詞(ことば)はなく
声に魂はない

次に粛々 ....
夕陽の傾きかけた街の一角に
何人もの成人した人間の列が歩く
皆一様に下を向き黙ったまま歩き続ける。
歩いている間は生きていられる。

立ち尽くした人間は片っ端から
列最後尾をのろのろ走って ....
雪ん子 一人 顔 見せた
ピンクのネンネコ羽織ってる
ほっぺの赤い雪ん子一人
外は吹雪で氷点下
何を目当てで顔見せた。

雪ん子 一人 顔 見せた
おまえの目と目は細すぎて
どこを見て ....
おれ猫好き

猫無表情

猫したり顔
猫困り顔
猫泣き顔
猫笑い顔
猫怒り顔
猫脅し顔
猫そのまんま

咬む猫
吠える猫
眠る猫

そっぽ向く猫
ふとる猫
何かした ....
大きな引き出しは
アングリ口を開け
ようこそ、よくできたお客様です。
などと歯の浮いた世辞を言って
そのくせ、舌なめずりの音が
家中に響きわたっている。

それでも人の良いインテリ面した ....
君は何を悲しむのか?

母の死
恋人との別れ
試験不合格
落第
解雇

君は何に期待をするのか?

滅入ったところで何になる。
それも来ては去る気分のひとつ
全ては来てはまた去 ....
冬の畑の渦巻き模様

雪原に融雪剤の渦巻き模様
美瑛三月の雪原の丘
たった十日の早い雪融けへ
スノーモビルによる散布

美瑛の美しい起伏は
パッチワークの丘
四月柔らかな陽光の中
 ....
古い鉄の欄干と、煉瓦倉庫と、にび色の水面
イースト・リバーに遺灰を撒いてほしい
ローワー・イーストサイドの
薄暗いアパートの1室での最後

(自由な精神は漂う)

過剰に言葉を組み立てる ....
ごめんね かぁさん
僕はあなたが生きている間に
謝れなかった
あのときのことを
謝らなかった

物心ついた時
母さんは家にいたはずだったが、
母さんの記憶は
千葉のサナトリウムから。 ....
1

交差点の灰色の空から淡い紅色の花びらが舞い落ちる。人々はその花びらを見ること無く俯き加減に黙黙と歩いている。誰一人として空を見上げるものは無い。そして降り積もった紅色の花びらを踏みに ....
生まれた季節は冬の冬
 年の最後のどん詰まり
 暮れ行く年の落し胤
 雪もはらはら降るような

生まれた街は底の街
 上の街のとなり街
 違っているのは人の色
 違っているのは家の ....
成り成りして成り合わないところと
成り成りして成り余っているところを
刺しふさぎて

行きめぐりの天の御柱
妹よりさきに
褒めそやし

美しき言葉
ミトノマグハヒ



 ....
ぬめぬめとした
自分を抱き締めた。
皮膚呼吸をしているはずなのだが、
何かを塗りたくてたまらない。

空には暗いグラデエーションの夕暮れ
丘に登って見上げている僕は
ぬめぬめとした
 ....
隠してあった断裂,亀裂
突然、あんぐり口を開け
すまん、すまんと
向かってきます。

僕は またか とがっかり、ウンザリ
それらの口を引っ張って
縫い合わせようと
努力します。

 ....
微笑む君に
そこにいるもの皆魅了された、

君の言葉は
柔らかな光りに
反射して銀色のモビールのように
中空をキラキラ漂い

君のまなざしは
柔らかな光を讃えて
その場にある
生 ....
僕は夢想する

雲一つ無い青空に
ぽっかり浮かぶ黒い月を

僕は夢想する

鬱蒼としたジャングルに
飛来する原色の鳥達を

僕は夢想する

ジャングルの樹々の間を
悠然と歩む ....
地平線の彼方に大きな夕日が沈む
地平線の見える大地など、僕の住んでいる街には無いのに。

無いのだが、地平線を僕達は確かに感じとることができる
感じ取ることができるので
僕は地平線に向かって ....
何じろじろ見てやがるんだい。
ねえちゃん俺の顔知ってるかい。
逃げなくてもいいじゃねぇか。
ここであったのも何かの縁だから
少し、爺の愚痴聞いてくれよ。
すこし臭いか?
ジャっ 少し離れて ....
僕には
人生の目的が分からない
人生をどう生きていいのか 分からない。
もう人生は冬の時期に入ろうとしている。

でも僕は 虹の彼方に
きっと幸せがアルト信じている。

IZことイズラ ....
影響

少しだけの賞賛が
少しだけの満足が
少しだけの尊敬が
少しだけの裕福が

それが人生の全てだ

と気づくのに人生の大半を費やしてしまった。

少しばかりの賞賛と
少しば ....
きいた風な言い回し、
人にそれを突きつけて
ああだこうだのお節介
誰も見向きもしないもの
書いてみたって白々しい
自己満足にもなりゃしない。

イメージ不能な自由律
人を小バカにす ....
五時半暖簾をあげる女将

 「やってるかぃ」
 「今あけた(開店した)ばかりだけど
  早いのね」

 「ご挨拶だなぁ
  今日は涼しいから燗つけてよ」


とり鍋ぼたんの斜向かい ....
朝の薄闇の中

漸く日の光にあたるはずだった蛙は
また暗く深い井戸に
引っ張られ

ボッチャン

暗い闇と死骸の腐敗した臭いの充満した井戸
這い上るはずの壁はあるのだが
真っ暗闇で ....
昌平橋から万世橋へ
川面に揺れる提灯の
その先にある柳橋
ゆらりゆらゆら秋の宵

ガード下には赤提灯
ほろ酔い加減のカラスが数羽
家に帰らず蜷局(くだ)を巻き
その先にある止まり木に
 ....
黄昏時

万世橋から昌平橋
煉瓦造りのガード下
ぼーっと浮かぶその灯かり
なぜか涙があふれ出す。

移転した交通博や
やたらモダーンな秋葉の街並に
ヤッチャバの名残を想い出し
なぜ ....
俺は通じゃーねぇさ。
通なんてのはデイ嫌いだ。

寿司?
寿司なんざぁ鉄火巻に決まってろうが
コハダなんてのはいい若いもんが喰うもんじゃねぇ。
しなびた年寄りが食うもんだ。あんな生ぐせえも ....
あ。さんの……とある蛙さんおすすめリスト(38)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水たまり2- ……とあ ...自由詩14*10-6-15
詩(うた)と歌(うた)- ……とあ ...自由詩5*10-6-3
丘の上に立って_ーちへいへ2ー- ……とあ ...自由詩4*10-5-18
空に近づけたことで少しは救われることもあるだろうか−道3−- ……とあ ...自由詩16*10-4-17
合唱を_さらに合唱を_ーバイバイ_カザルスホールー- ……とあ ...自由詩9*10-3-30
馬銜(はみ)- ……とあ ...自由詩14*10-3-17
雪ん子- ……とあ ...自由詩9*10-3-9
うちの猫- ……とあ ...自由詩7*10-3-5
ところの引き出しに仕舞われてしまったあなたに- ……とあ ...自由詩10*10-2-23
悲しみへの- ……とあ ...自由詩9*10-2-16
美瑛の春- ……とあ ...自由詩9*10-2-15
ギンズバーグが教えてくれた- ……とあ ...自由詩17+*10-1-24
結核療養所(サナトリウム)- ……とあ ...自由詩10*10-1-17
交差点- ……とあ ...自由詩10*10-1-6
はじまり- ……とあ ...自由詩16*09-12-28
こじきー水蛭子ー- ……とあ ...自由詩8*09-12-17
蛙の黄昏- ……とあ ...自由詩11*09-12-7
生活の孔(あな)2- ……とあ ...自由詩7*09-12-3
どぶねずみ- ……とあ ...自由詩7*09-11-30
黒い月ー序- ……とあ ...自由詩12*09-11-26
ち_へ_い_へ- ……とあ ...自由詩14*09-11-16
ノーバディ・ノウズ・ユー_ーバブルー- ……とあ ...自由詩7*09-11-14
虹の彼方に- ……とあ ...自由詩6*09-10-29
精算書- ……とあ ...自由詩17*09-10-17
二級品- ……とあ ...自由詩11*09-10-12
豚カツと燗酒- ……とあ ...自由詩5*09-10-3
井の中の蛙- ……とあ ...自由詩12*09-9-29
昌平坂から- ……とあ ...自由詩11*09-9-25
泣き虫- ……とあ ...自由詩7*09-9-19
半可通- ……とあ ...自由詩7*09-9-9

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