優しい光が降り注ぐ
穏やかに晴れた休日の午後は
微風に吹かれながら
静かに死にたいと思う
毎日が死に続けていて
こころはこんなにも穢れているのに
姿は透明のままで誰の瞳にも映らない
....
吸いかけのタバコを灰皿に残したまま
別のタバコに火を点けてしまう
もう何杯目かは
忘れた
三半規管がサボりだして
その加速が止められないまま
もう上手く歩けるような気がしない
別に酔 ....
黄昏色の空の果て
ひとりっきりの帰り道
誰を待っていたのだろう
誰を探していたのだろう
電信柱の長い影
淋しいようと風の吹く
黄昏色の空の果て
家路をいそぐ鳥の群れ
どこへ行くとい ....
同じような空でも
どこか少し違うから
そう言って
その日の雲の形を惜しむように
写真を撮る、君
同じ空を見上げ
何が面白いんだろう
そう思いながらも
念のために持ってきた傘なんか
....
目をとじてそれでも残るまぶしさを手もかざさずにすい込んでみる
透明な音が響いて瞬いて少年の胸のかけらが落ちる
ほうきぼしテトラポッドのうえ踊る波のリズムでステッキを振る
....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている
何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる
{引用=
....
青信号の点滅
ギリギリで間に合わない
そんなことは
わかっていた
でも、
君と一緒なら構わない
そう思った
絶望的な結末
それでも今は構わない
君と一緒なら、たとえ
赤信号 ....
告げないと決めたら
気持ちが楽になった
この手で弄ぶには
余りにも重たい心
そっと
くるんで
見えないように沈めた
深い闇のなか
秘める 秘める
永い時をかけて
世にも 魅惑的 ....
ぼくは君に愛を
誓うよ
永遠よりも
深く甘い愛を
心から君を愛している
真実の心を
君に届けたい
君はそっと微笑んで
ぼく ....
オルゴールの箱を開けると
止まっていた
あの頃の時間が動きだす
もうずっと昔
子供の頃の
何度も
何度も
キリキリと
キリキリと
ゼンマイのネジを巻く
子供の頃みたいに
....
目をつむろうか
草花が閉じるように
ゆっくりと心にぶらさがって
切り取り線に沿って歩く
内側よ 自分のものになれと思って
誰かに火を
ともしおえたなら
安 ....
{引用=
(ポエトリーリーディング:http://www.myspace.com/slymelogue)
}
ちいさな星屑見つけるちから たからもの青くひかる夜の闇
のばした手の平からだ星 ....
疲れ果てて
色褪せた
繁華街の朝を通り抜け
ガラガラの電車の
ドアのすぐ側の席に座り
手すりに頭を預けたまま
揺られる
満員電車とすれ違うたび
何かが足りないような
そ ....
1.
今までに
無くしたものごとをひとつずつ
丁寧に数え上げて見せては
笑い
今まさに
指先からほろほろと零れ
落ちた
それを
見送っては
泣く
かなしく
....
空が高い
空が溢れそうなほど膨らんでいる
今日の地球は いつもより ひとまわり大きい
白い跡をつけながら
西から東へ飛行機
ただ青い中を
東から西へ滑る 白い翼もあって ....
空から
落ちた日のことを
おぼえていない
海を
ながめることを海として
その浅きをのがれる
すべにおぼれる
太陽はもう
ことばではないけれど
確かにぬくもる
....
いつの間にか
できるようになった蝶々結び
結んで、ほどけて、結んで
結んで、諦めて、結んで
縁という名の糸を辿って
強い絆を造るんだ
君の糸を捕まえたら
僕の糸と蝶々結び
....
明日のことばかり考えている彼女と
昨日のことばかり振りかえる僕
針で突いては
月は破れ
倒れこんだ水のない
手もつなげない花が二輪
カーテンレールの、かららと転ぶ音
風が吹いてる ....
夜に泣く
貴方を知った
その日から
逢えるその時を
夢に見て
遠い地で
私はひとり
貴方を想う
愛を語り合っている
....
指をおり1つ2つと数えてた今年の夏もやり忘れたこと
向日葵の迷路も時期はもう過ぎてただの野原に漂うトンボ
6月に出してはみたの。夏らしく。うっすら埃の麦わら帽子
もう使うことさえ ....
鏡で色を盗むと
空は気圏のように薄らいでいく
ひかりだけで染められたセロファン
退色した虹がいろどる夜
沈黙ではない静かな
月光の耳鳴り
声は聞こえるものだろうか
それとも伝えるもの ....
夢の壊れる音を聞いたことがある
あなたもきっと知っている
夏の日の昇るまえ
穏やかな空気の静寂を
死そのものとして頭の芯まで呼吸する
生に引きずられながら
ねえ 笑ったことがある
わ ....
あなたみたいに遠くへは行けない。
ぼくには足があるから。
そういっていいわけを考える。
うまい、うまくないかはべつとして。
とりつくろう、縫う、パッチワーク、みたいに。
きれいかどうかは ....
果てしない闇の中
なぐさめの月を抱く
その瞳に映す僕の罪は
笑うたび優しく刺さる抜けぬ棘
欲望は満たされることはなく
偽りのぬくもりは
終わったその瞬間から
この手の中から零れ
漆 ....
あたたかな毛布にくるまりながら
君の名前を小声で叫んでみる
世界のはじっこで
群れにはぐれたトナカイやヒツジも
安心して駆けつけてこられるような
優しい距離で
いつのまにか伸 ....
瞳を覗き込んで
悪戯に誘いをかけてみようか
優しい風に乗せて
悪戯に愛を囁いてみようか
こころを曇らせて
悪戯に雨を降らせてみようか
今夜の三日月ぐらい薄っぺらなこころで
....
髪をすく仕草で届きそうな月青い温度は抱きしめて知る
スカイタワー高層ビルに隠された月を映せり「ひとりじゃない」と
宇宙には同じ星などないそんなことは昔に確かめ合った
....
捨ててきた夏のカードと引き換えに虹よりたしかなセヴンブリッジ
仮面の下で抜いた{ルビ剣=つるぎ}に嘲笑う君を刺すのもまた{ルビ運命=さだめ}かと
夢見よう手札はいつも風まかせ無 ....