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寄せる波に向かって
心の潮「A/アー/(ラ)」の音を放つ
わたしと海はパラレル
返す波からは原始の抑揚
「G/ゲ-/(ソ)」の音がかえってくる
海は ....
太陽のいろの
バケツが
雨に晒されてる
静かで
雨の音しかしなくて
わたしは
ただ
壁にもたれて
泣き続けて
四季を彩るは
地と
そこに根付く木々や草花
呼吸を彩るは
空と
そこにたゆたう陽や月
鼓動の中に記憶は流れ
五感の中に今が記される
起こり続いていくだろう全ての事柄に
無意味は存在しないと言うが
....
放たれた密使の矢
固執する月の心臓をえぐる
(月は考える 空に浮かぶものを)
中空のノエシス
無想のノエマ
天蚕糸をはう蛇が赤と交わり
花残月を思惟 ....
? 蝶
シ/モクレンの一秒は
蝶の魂と同じ
奇妙に歪んだ美醜の契りが
爪先で蠢いて翅にかわる
うす紫がゆっくりと溶け出し
バスタブの温度を下げる
浴室で眠る蝶の夢は
完全に対称 ....