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 人間の体のつくりを真似て話しながら
 どこにもいない人間になれたらいいのに
 ぼくらは作られたもの
 あと一秒で生まれ変われると日常的に信じて
 浮遊するゼリー
 いつでも ....
 通り魔が居眠りする路上で
 おれは通り魔を殺した
 こわくない
 おれはたった一人の人間だ
 心臓と肺を持つ
 たった一人きりの人間だ
 長い長い
 疲労感と倦怠感、頭 ....
 
 
 散弾銃の響きを聞きながら
 今日も眠る
 僕は殺されるかもしれない
 

 マンホールの下に
 うずくまっている
 谷底に沈んでいる
 フタをかぶされて
 沸騰 ....
 ビルの角の一点に光があつまる
 ぼくの身体は痙攣してまるでお笑い種だ
 霧のように漂う亡霊のような人たちが
 ぼくを捕まえにくる
 できそこないの死!と
 叫びながら
 おまえら ....
 傘の下で笑う
 あふれる殺意で

 
 階段を流れて落ちる
 雨に
 気がふれる


 ゆがんで見える
 横断歩道の白線が
 濡れた足元のしみの
 曲線が
 ....
 ていねいな言葉をかさねて
 だれがぼくの心を知るだろう
 ひからびたぼくの腕の中で
 目を覚ました人が
 夢を見るのはもういやだ
 と言いました
 さめたぼく ....
 頭の中で泡がたまる
 一匹の猫を虐待したくなるほどの頭痛
 一匹の魚を手の中で殺したくなるほどの頭痛
 ガラスケースに入った心臓
 を破る
 窓のわきに立った一人の
 ....
手首の傷 生き永らえた人類の証
滑り台を滑った後の靴に入った砂の数をかぞえて
もう自分に残された物は少ないと知る
顎から発達する上向きの旋律
ちぎれた雲からのぞく太陽
あれだっていつか消滅 ....
 毎日の時刻を時計から知る
 象徴的な出来事は
 何層ものモノクロとカラーフィルムでできている
 片腕を通したままちぎれた
 ジャケットの裾が吊るされている杭の落とした影
 射殺 ....
 ガソリンスタンドの光が
 日曜日の朝の教会みたいに見えた
 おれは神様なんか信じてないけど


 仏頂面して
 お気に入りの歌もなくて
 交差点をすり抜ける
 自 ....
 ほのかなピンクの縁取りが似合うものを
 とりあえずキボーと名づけて
 ドアが閉まらなくなった冷蔵庫に保管する
 陥没したテレビ画面からヒーローが
 助けを乞うて手を伸ばしてい ....
 バスルームで遂げた自殺の
 記憶が
 洗面所の流しっぱなしの 水道から
 流れてくる


 畳まれた膝の空気
 見つめるガスコンロの炎と炎の間に
 両眼を投げ入れ ....
 ハンバーガーセットを注文すると
 工場のベルトコンベアに乗せられ
 出荷される電子レンジみたいな気分になった。
 ハンバーガーが出来上がるまで三分かかると
 店員の女 ....
 
 朝
 おれはパンを食べながら新聞を逃がしてやろうと思う
 寒いというほどでもない朝だ
 黄色のニット帽の老人が
 今朝も部屋の前を通り過ぎた
 畳屋の隠居だがもう畳屋 ....
  白い  白い  白い
 向い合ってない 十分に機能できない場所に放置された
 バスケットボールリングの 
 校庭の小学校
  垂れ下がるネットはなくて 空洞のわ ....
 コンビニで買ってきたポテトチップスをテーブルに撒き散らして
 両足で踏み散らすのが僕の恋人。
 それを食べるのが彼女の恋人の僕。
 僕は犬だから、彼女はショーペンハウエル。
 ....
 おれはいつもこうやって歯を磨く。どんなふうにかは教えない。みんなピッカピッカの歯でまぼろしの無人島を目指すから嫌になる。手を洗おうと思うんだけど、肝心の洗面所が部屋になくて隣の部 ....  




 男の部屋なんて
 臭くてオナニー三昧だ
 自分ではわからない臭い
 自分の臭いしか返ってこない毛布
 畳にころがった週刊プレイボーイ
 ビデオを借りに行くほど熱心じゃ ....
ストーブの前で
きみの姿が消える
水がほしくなる
透明の重さのない
思い出にならない水



こわれたばかりの
ろうそくの炎が
いなくなったきみの吐息を
 ....
 
 



 面接官は一重の目で
 おれを見つめ
 何も言わなかった
 机にある採用チェックシートの上の宙を
 ボールペンがせわしなく回転する
 肌寒い頃だったが
 秋だかまだ ....
 鳴らないように
 カスタネットをひきちぎった
 偶然なついて住み着いた
 一匹の猫を私はふいに暴力した
 頭の中が真空状態になり
 私は一方的に傷ついた
 風で車 ....
 彼は助けを求める声さえうまく出せなかった。


 雨の中、傘を差して立っていた。
 温かみのある灰色の海が暗闇に変わるまでそこに立っていた。
 服の色は変わって ....
 ぼくの手のひらにお皿があってずっと回ってる
 切れ目のついた流れ星が
 次から次へと不時着を繰り返す
 どうしてぼくは逃げ出したりしないのか
 紺色と茶色のあぶくで ....
カスタネットの鳴るほうへ
落ち葉が泳いでいった
開かれた世界
忘れてた呼吸のリズムを思い出すような
覚えたての九九を妻が口ずさむ
大切なものは奪われても
忘れなければいいのよと妻が歌う
夕暮れ前に一瞬空が明るくなり
テーブルのりんごやみかんやバナナが色を手に入れた
頬杖つきながら
文 ....
 チューインガムが巨大過ぎて
 おれは駐車場に車を停めることができなかった
 とにかく巨大だった
 このチューインガムは巨大だった
 噛まれることを拒否するチューインガムだ ....
   




 呼び鈴を押さずに聞こえたドアの向こうの声を辿って私
 水槽のある風景に赤いインクを落としました
 この世に存在するすべての平行線が美しい、と
 ずいぶん暮らした街から ....
 時計の針がなくて困っていた
 数字が並んでいた過去を溶かして
 花咲いた空洞の黒蜜に
 楽しみにしていたパイと
 ビスケットで調和を取った
 残りあと数秒ということ
 それが ....
 少しだけのしあわせなら正解です
 屋上の端っこで見上げる夜空の月は
 名もなき白い花の花弁がめくれるほど
 唐突にこわいのです
 こわさの延長線上にすでに伏せ字になって
 しま ....
 俺には何もわからない。
 水道の蛇口をひねる。おまえの体液が心地いい。
 ずっとたゆたっていたい。
 かるく海の匂いがするそこに、ずっといたい。
 ずっといたい。
 傾 ....
鏡文字さんのカンチェルスキスさんおすすめリスト(112)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
楽園- カンチェ ...自由詩11*05-9-7
移民- カンチェ ...自由詩505-6-24
こわれた背筋- カンチェ ...自由詩5*05-6-20
水平線上の異物- カンチェ ...自由詩205-6-18
任意- カンチェ ...自由詩605-6-17
うるおう- カンチェ ...自由詩1005-6-11
青い霧のマッシュルーム- カンチェ ...自由詩205-6-11
一人残らず死ねばいい- カンチェ ...自由詩3*05-6-1
射殺する勢いで立っている- カンチェ ...自由詩205-4-16
ロケット- カンチェ ...自由詩5*05-4-13
ピンク- カンチェ ...自由詩205-4-13
劣化現象- カンチェ ...自由詩905-4-12
平衡- カンチェ ...自由詩1205-4-11
ユニットバスで肩まで浸かろうとする。- カンチェ ...自由詩705-4-6
白い白い白い- カンチェ ...自由詩10*05-1-15
僕らの『凹凸』。- カンチェ ...自由詩805-1-12
博愛テニスラケット主義- カンチェ ...散文(批評 ...2*04-12-28
コブラツイストガール- カンチェ ...自由詩1104-12-26
前へすすまない水- カンチェ ...自由詩4*04-12-25
セプテンバー山男- カンチェ ...自由詩6*04-12-25
恐れ/屠られたカスタ- カンチェ ...自由詩604-12-23
ハンカチ一枚- カンチェ ...自由詩4*04-12-23
ぼくの手のひらにお皿があってずっと回ってる- カンチェ ...自由詩304-12-21
カスタネット- カンチェ ...自由詩3*04-12-18
九九- カンチェ ...自由詩1104-12-14
早慶戦コンドミニアムチューインガムQ- カンチェ ...自由詩104-12-7
ムーヴィング・自転車- カンチェ ...自由詩404-12-7
数秒- カンチェ ...自由詩304-12-7
- カンチェ ...自由詩804-12-3
責任逃れの太陽- カンチェ ...自由詩504-11-25

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