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月のきれいな夜に ひとり帰る
金木犀の咲く季節はどうしてもうまく生きていけなくて
鞄の中のお守りを何度も確かめた
あまいあまい香りはわたしを狂わせる
満月の光にふるえながら
まだ温かい ....
空気を喉につまらせて
ぱくぱくと喘いだ
さらりとした風は
この喉につまるものと別物なのだろうか
何に喘ぐのかも解からずに
ただ この違和感を追い出したいだけ
右手で触れてみても
な ....
秤の林檎にくちびるを寄せ
カリ、と音を立てて齧れば
金色に光る果実から赤い石がおちる
深い色の底に
昔、こころの中に住んでいた少女を見つけ、
名前を呼ぼうとしたが思い出せない
彼女 ....