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  形の整った
  トートロジーを枕に
  おまえはねむっていた

  安普請の 階段をのぼる
  ハラハラと、曙光が、火山灰のように
  壁に留まる 蛾を擦って……消える

 ....
  二月の
  雨が こおっていく

  あなたからの 一時間未満の
  電話からの ことばからの
  つめたさが こおっていく

  ひとつも
  かなしくない
  ふるえ ....
  ぼくたちの温度が
  正しいのかどうか知らんし
  きみの・ひとつを とりなよ
      ホテル・ニューオオタニ
  きみの・ふたつを とりなよ
     ビーバップ・ハイスク ....
  磨り硝子の夢のなかの
  喫煙所で ぼうとしていた
  鳩たちの群れる高円寺駅北口
  ふっていない雪は うつくしく
  心の端のほうで消し去られていく
  乳色のワンボックスカーが
  庭なしの一軒家にとまっている
  僕の思う以上に 世の中の人たちは
  ひとに興味をもっていないと分かった


  東京はとてもうるさくて淋しいと ....
  羊羹を冷したような
  ピアノの音
  しかくい木箱が
  引きずって くる


   指 ゆび  指  ゆび ゆび
      指 指 指 指 ゆび  指 指
    指 ....
{引用=  かなしみの
  直方体は
  藍色の布に 屹立したまま

  *

  僅かばかり
  目を凝らすと
  覚醒した レールの冷たさ

  *

  明らかに 二つ以 ....
  忘れた後、
  しずかに思いだした


  ひかりのように笑って
  銀色の並木道を駆けていく
  なめらかで黒い髪の毛
  もう 振りむかず、


  ひとふさの歌に ....
  おおきな臓器になり
  わたしたちはつぶれている
  区議会議員のちらしが机の上で
  三・四枚重なり 曇っている
  寂しさを測る ものさしの
  目盛になったような気分

 ....
  やさしさが
  夢のかげになって
  ぼくをとおりすぎた

  にわか雨がふる
  じき 夕暮になる
  街がせわしなくなる

  この時を忘れられないかもしれない
   ....
 いつまでも私は生きると思った
 午後 分厚い若葉を見つめ

 団地伝いの風が私の中の
 空箱に投げこまれ回り続け
 ……その後で死ぬのだと思った
 誰とも 私は
 違うのだと思 ....
  ふた房の葡萄を 若草色の椅子に居って
  獣じみた何ものかがムギムギと喰っている
  葉群れの隙 測られつつある距離のように
  細く長く伸びていく耳鳴りになりながら微光が
  わ ....
  父や母 子や孫 兄や弟 姉や妹
  と書いて もう私にはわからなくなった
  これから一生かけて 目の前の壁だけをみていたい
  しろい苔がいつまでも魂の表皮から剥がれそうにないから ....
  私の意識とほぼ相似形の蚯蚓が
  かれの提げる鞄に引っついて離れない
  粘着質の視線が伸び縮みをくりかえし
  そうしてもとの場所に跳ねかえってこない

  がらんどうの真昼時 ....
  薔薇の花をおくるよ
  ふかく悲しませたあとに
  気にしないでときみは言うけど


  鋭いナイフをおくるよ
  歓びをわけあったあとに
  面倒な人、ときみは言うけど
 ....
  舗道に落ち
  私はあなたを暗示したい
  トランプの女王、睫毛が捲れる
  陶製の仔犬、言語の荒地に割れる
  硬くそれでいて柔らかな
  焦げくさい夕立ち
  埠頭の昏さに
  沈んでいく今日までのかがやき
  海のうえの透きとおる膜の向うで
  世界の光の震えは蝶のように美しい


  あなたに、
  もう泣かないでほしいのに
 ....
間村長さんの草野春心さんおすすめリスト(17)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 草野春心自由詩318-9-30
こおっていく- 草野春心自由詩418-2-25
きみのぶん- 草野春心自由詩2*18-2-25
- 草野春心自由詩718-1-20
きれいな夜- 草野春心自由詩217-12-9
霊柩車- 草野春心自由詩317-10-29
My_sorrow- 草野春心自由詩317-10-29
あふれる- 草野春心自由詩417-10-8
ものさし- 草野春心自由詩217-10-7
破滅- 草野春心自由詩417-9-23
五月の歌- 草野春心自由詩117-1-19
刹那- 草野春心自由詩216-12-10
しろい苔- 草野春心自由詩416-12-2
意識の蚯蚓- 草野春心自由詩116-12-2
花束- 草野春心自由詩416-9-24
暗示- 草野春心自由詩116-9-24
蝶のように- 草野春心自由詩316-9-24

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