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一時間に一本だけの電車の中で居眠りをしてみると
回想の中で自分の自分に逢えるので
もう一度と思ってみても
一時間に一本なものだから
すごく困ってしまう


ぼくらは、たまに
どうしよう ....
大通りが静かな日でした
西側に傾いた窓から空を見下ろすと
秋でした
寝転んだ姿勢のままで
耳を使って確かめてみても
国道は確かにそこにあって
とても
静かな日でした


赤とんぼが ....
散歩の途中で
くしゃみをすると
塀の向こうから犬に見つめられて、困った
立ち止まって見つめ合ってみるけれど
悪いことをした
わけではなく

少しだけ難しいことを
難しく考えてしまうから ....
透明に
張り詰めた
ガラス窓から
朝日が零れているよ
覗き込むと
昨日が
音も立てずに沈んでいくところで

空間
四角く区切ったそれを
大勢の息で共有しながら
積み上げられている ....
どうしようかと
暮れている一日
些細な段差に躓いてみたり
心の縁を爪弾いてみたり


火の上で
ゆれるやかんに
お日様が降りていく
じゅっと
音を立てて
沈んで落ちていく

 ....
点と線と千
繋がらない夜があって
道に迷っては
迷いっぱなしになる

街灯は
月明かりに似せようと
目には見えない点滅を繰り返すけど
足元を照らすには
まだ足りない
らしい

 ....
思ってみること
ここにいる僕等の存在を
君のその歩幅を


かたかた、と
時計の裏側で回る歯車の
噛み合うその一つ一つを
階段に登っている
繰り返している
繰り上げている

そ ....
滑り台の上で滑り出せずにいる
後ずさることも出来ずにいる
飛行機が滑り込んでくる
地面すれすれ
空気が摩擦して
夏が濃くなる

毎日を鏡に映してみても
逆さになる他は何も変わらない
 ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
おーい
と呼ぶ声に
波線を見ています
空の上
海の下
その間の曖昧な辺りで


いつだったか春の衣装だった頃
それでは暑すぎると文句を言った頃
山沿いの海沿いのラジオも響かない場所 ....
冷凍庫から取り出した氷の
溶けていく音が響いている
ちりちり ちりちり
静かな部屋に染み渡っている

窓の中では雲の
輪郭と輪郭とが
混ざり合いながら変化している
終わらない終われない ....
いつだって繋ぎ目は曖昧だから
継ぎ接ぎは空にだってある
雲の
折り重なった影を
届かないその曲線をなぞったりする


ほんの些細なことが
いつまでも尖って痛いので
繰り返す垣根の下り ....
緑の海がたなびいて
少しのカーブで横切るレールを
3両編成の電車がすり抜けていく
乗り合わせた肩は語らないまま
ひとつひとつ 暮れていく

天気予報は雨
降水確率は不明
飾らない傘の行 ....
あの空の話





もう遠くなった映像の中では
坂道の向こうの太陽と
薄くなるグレーの空とが
混在していて
蝉時雨
引いては寄せて
寂しさを反芻している

知らない知らな ....
覗き込むと
少年時代だった
手頃な石を落としてみても
いつまでも帰着しない
頭上では飛行機雲と交差する記憶
不意に飛んできた雲から雨粒が落ちていくと
からーん、からんと
遠くで跳ね返る音 ....
奥まった場所に入ってみると
未開封のまま使われなかった気持ちがあって
いつだってつまずきながら走り抜けてきたこころだから
止まらない雨に洗い流されてみたいときもある

ハリー、ハリー
誰か ....
少年
いつかなくした自転車の
へこんだ場所を忘れてた
あの子を見ててブロック塀に
ぶつけたときにできたやつ
そうだったね
そこに貼り付けたシールは
昔からの空色で
覗くと雲が浮かんでた ....
深緑の
深くなる光を
鉄筋コンクリートの箱の中から
眺めています

時計の針は
ここを刻むと
それ以上は動かなくなるのです
取り残されるように
私と空間は


どこか
こころ ....
この庭を今
黒猫が横切りました
急ぎ足です
影だったのかもしれません

向日葵は私を追い越して
手探りで空へ
夕暮れの角度を真似して
ちょっと斜めに傾いてみると
向日葵と空が
一緒 ....
飛行機の描く曲線が世界で
僕等はそれをなぞるように

思い出したようにつぶやく言葉と
ため息とを
窓から投げ捨てるようにしながら
空の曲線を
眺める
晴天

歓声の子供達
夏の日 ....
覗き込んだ空が
思いのほかまぶしかったので
慌てて手を
空へ
小さすぎるこの手じゃ
空はちょっと重すぎる

飛行機が雲を連れながら
一色の空を抜けていくので
からからに乾いた校庭を
 ....
草原の秘密基地
今はもう影だけで

虫取り網を振り下ろす
残像が目に焼きついた
夕暮れの蝉時雨を
いつまでもそこで聞いていたっけ


通りすがりの車窓から指差した
この草原は僕なん ....
軒下で猫が鳴いた日
街は雨だった
雑音が混じる電話の
聞き取れない君の声
こんな日が原因かもしれない

街に
傘を持って
ついでに長靴も用意した
ばらばらに音が降ってくるので
軒下 ....
窓枠から漏れている気持ちを
ガムテープで目張りする
それで安心かというと
そうでもないらしい

困ったな
僕はそれ以上のすべを知らない


進みようのないことを
あれこれと堂堂巡り ....
街に忘れかけられた
公園のベンチに座って
西日の中の滑り台の上では
始まりかけた夏が
くるくると回っている

夜に向かっている
夕暮れの片隅で
ジャングルジムの天辺じゃ
出たがりの金 ....
僕の隣を35度線が貫いていて

本線から外れたところで
あなたがうつむいていた
ような気がして
振り向いてみると
変わらずに
距離は隠してしまう


あなたの隣を36度線が貫いてい ....
眺めている人を
僕を
その眺めている人を
さらに眺めている人を
どこか遠くで見つけることが出来たなら

僕を眺める人が僕を
眺めているその姿が
どんなふうに見えるかを
聞いてみたいな ....
ゆっくりと朝になっていく一日に
決まったかたちの挨拶を投げ掛けて
次第に集まってくる思考を
開きかけの目で確認する

机の上には
いつからか書きかけの手紙があって
便箋は空を薄くした色
 ....
6月の快晴に出会って
やあ久しぶり なんて手を挙げたりして
からからに乾こうとしてる街を
隙間を見つけながら走り抜けたりする

名前も知らない鳥が
真似できないような声を出してる
それに ....
この街は地図に載っているのに
どうして迷ってしまうんだろう


いつも見る夢のイメージで
飛び越えてみようとしたけれど
上手くいかないものだね
今日と明日の境界線は
思いのほか広い
 ....
ひよりさんの霜天さんおすすめリスト(76)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
故郷日和- 霜天自由詩1804-9-30
それとも- 霜天自由詩804-9-26
そこに当てはまっていく、そのために- 霜天自由詩2604-9-7
記憶に並んで- 霜天自由詩1104-9-1
沸騰するやかんの底- 霜天自由詩904-8-23
サウザンド- 霜天自由詩804-8-18
経過、彼方へ向けて- 霜天自由詩604-8-17
鏡面- 霜天自由詩704-8-14
凪いだ8月- 霜天自由詩2504-8-5
波線- 霜天自由詩504-8-3
溶ける、解ける、部屋の- 霜天自由詩404-7-27
天気予報に言い訳を- 霜天自由詩304-7-25
包む雨と暮れる人と- 霜天自由詩704-7-23
あの空の話- 霜天自由詩1204-7-20
井戸- 霜天自由詩404-7-15
ハリー、ハリー- 霜天自由詩604-7-11
少年と自転車と雨の中- 霜天自由詩604-7-6
どこかの折り目を- 霜天自由詩1404-7-5
この庭- 霜天自由詩1104-7-3
印刷風景_夏- 霜天自由詩204-7-2
向日葵の昇る日- 霜天自由詩404-6-30
夏の引力- 霜天自由詩1004-6-29
距離感- 霜天自由詩504-6-27
流れ_零れ_落ちる- 霜天自由詩1004-6-25
忘れかけの公園のベンチで- 霜天自由詩904-6-24
35度線- 霜天自由詩1104-6-23
眺めている- 霜天自由詩204-6-21
ひとつの手紙- 霜天自由詩404-6-18
6月の快晴- 霜天自由詩704-6-17
空は僕で僕だった- 霜天自由詩804-6-15

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