すべてのおすすめ
いつもの手紙の更新を、また忘れたりしながら
滑り落ちるような坂を
今日は黙って落ちる
街外れの図書館はいつも通りの匂いがして
さらさらと視界が変換されていく


名前を名前と呼んだのは何 ....
ぐるり、と
回ってみて気付いている
下敷きにされた世界は、ほんの少し暗くて
それでも透明、に何処かへ繋がろうとしている
きみは
あの頃の夢の続きを見た後で
ぱあん
と、弾けてしまって
 ....
海の中で生まれた気がする
始まりは遠い手のひらの中
重ね着をして、重ね着をして
風邪を引かないように眠っていた頃
どこへでも、の世界は
指先まで暖かくて
つまずかないように歩けば
いつま ....
目が覚めると
広い窓の部屋にいる
鍵穴にくるり、と
鍵を差し込むのはもう何度目だろう
潮の香りがする
海が近い、ようで
不透明な窓から
青いはずの海を想像してみる

仕方が無い、のか ....
春を装ってあなたの溶けていく先は自由落下する崖のような場所
僕らはそこへ向けて、手を振る
気の済むまで落ちてから
何事も無かったかのように泳ぎ出すあなたを
僕らはただ、手を振るだけ


 ....
夕暮れに塗られたりんごが
夜更けに眠れないからと
朝をかじっている
どうにも力が足りなくて
上手く噛み千切れない

どうにかあがいてみたくて
こぶしを握り締めて
枕に丸い頭を叩きつけて ....
あたたかい あさ

濡れた地図の上に書き込んだ名前は
滲むように、消えた
始まれない私は
いまだにまるい船の上です


 警笛は
 遠い雲のこと
 進まずに消えるのは
 あの空へ ....
道順を、思い出している途中
まだまだ、窓が開かないので


軋むような音が聞こえて
当り障りの無い、そんな
眠れない夜がありました

覚えている
草の葉の匂いと
爪先立ちで空に消え ....
音楽

どこからか楽しげな音楽
両手でばさばさ
と、空を飛んでいくあの子は笑顔
僕はとっておきの切り札を懐に
とっておきなので使わずに
まぶしい頃に目を閉じたり、開けたりする

あま ....
青い窓
と、部屋
泣きそうになるその人が
もう飽きたかのような指先で
コップの端を噛んでいる


くたびれてしまった
すこしねむってみたいな

そんな具合に
どこかから雨漏りがし ....
思考が
ゆっくりと剥がれ落ちていくような、真夜中の辺りで
時計を逆さまにして
そのリズムに
あくびも忘れて

巡る、巡る
体の中と外を行ったり来たりで
まとまらない、指先の行進、深く
 ....
空を

どこまでも飛んでみるということを
振り返った視線の、端のほうの夢の中
ほんの少しの香りで、漂っている

今、この辺りで



いつのまにか、梯子がなくなっている
あの木の ....
そうして
僕らのこれまでの順路を
紙の上に書き出してみる
その上に雲なんか浮かべたりして
無駄に力を入れて笑ってみたり




過ぎ去ったあとで
自然に昔話ができれば
それはそれ ....
すこしだけ、遠くを考ることにして
足元の言葉など
深めの空へ向けて投げる
そこまで
届いた音を見届けてから
ぼくの窓からロケットを打ち上げる


高いところ
見渡せる、空が近い
た ....
おおきくいきをすいこんで
少しずつ、大きくなっていく
何かをひとつ手にするたびに
少しずつ削られていくとして
今ポケットの中で
残されているもの


ひかりが、まぶしい
冬の午後
 ....
始発駅が真っ直ぐになっている
僕らはここから始まって
ここで終わる
発車のベルがいつまでも鳴らないので
自分で押しに行くと、扉は閉まって
置き去りになる
少し笑いで僕は歩き出す


 ....
向かい風の吹いている
地図の上です
収縮と膨張を繰り返す波打ち際の
緩やかなカーブをなぞること
波音は届かずに
待ち焦がれるばかりの



海岸線が近い
そうで
少しずつ僕らに迫 ....
24番目の駅で
赤いきれいな花を買う
枯れないうちに帰れればいい
ここより、どこかへ
帰れればいい

車窓は空を飛ぶ
すべる、すべる、寝息の上を
寝息に夜が積み重なって
もう、こんな ....
その暗がりの
垣根の曲がり角
街灯の忘れた、深いところで
新しい
を待ち焦がれ
いつだって、夢に泳ぐ

暮れては明けて
それが僕らに与えられた規則で
夕焼けには耳の奥で
明日が開く ....
晴れ、のち
そこで途切れてしまったので
新聞をひらいてみるけれど
晴れ、のち
そこから先が空欄になってしまう
捜索願
明日の空模様はどのあたりで行方不明でしょう


夜中
日付を越 ....
きょう、は
明るめの服を着て
ほのかに染まっていく
午後に立っています
炭酸飲料のはじけるビンの底
向こう側が、揺らいで
私の午後も揺れます


クロール、ビンの中を


眠り ....
飛び出した街で
晴れない空が
灰色の夢に朝を待っている
電信柱の下の窓辺では
気象予報士が雨だというので
ブラウン管は沈黙したまま
喋らない

ここでは僕等の関係が希薄だというので
 ....
人の少ない下り電車で
少しずつあの日へ帰っていく
遠いことへ、遠いものへ
車窓の景色は少しずつ背丈が小さくなって
昼の下る頃に
誰もいない
四角い空間は
ただ、がたがたと響いた
それだ ....
四角い壁掛け時計は、いつだってずれていく
誰よりも遅れて12時の合図を鳴らす頃
止まりかけのコンパスで、地図の上を迷っていた
地球儀はもう回らない、僕の中では使えない
新しく覚えた近道では
 ....
ドアが開くような音がすると
誰かが勢いよく飛び出していく
真っ直ぐに見せている道は
静かに湾曲していて
遠くの方で反射して、光が
不透明な景色を作っている

霧に浮かんでいる街で
探し ....
そっと、暮れそうで
暮れない
一日はどうにも循環していて
頼りない電信柱
寄り掛ると揺れる、気がする
静かな平面の畑から
土の匂いがした

単調な起伏を
ごとごとと越えていく
浮き ....
夕日は傾く時間を知っている
その頃になれば
世界がゆっくりと閉じていくことも知っている
背中で、背中ともたれあう
隙間の部屋
四角いスイッチで昼と夜とを切り替えて
のろのろと、立ち上がる
 ....
夜の真ん中の
縁をなぞりながら
影だけの月の
少しだけ零れる明かりを
晴れることの出来ない日
ここでも
傘だけは、ある

夜に、越えられずに
息の詰まる深みを
ゆっくりと
息を入 ....
駅前で
ギターで歌い続ける少年の
声を誰も覚えていない
ギターの音色が日付を越える頃
繰り返している月のかたちを
誰も答えられない
すっかり冷えきった自動車の
エンジンをそっとかける
 ....
色付いた葉が落ちる音、が
聞こえるような
そんな
ある日
静けさは、遠く
連続している朝は
同じように連鎖していた

ありふれている

一杯のコーヒーを
少しだけ苦くした
新聞 ....
ひよりさんの霜天さんおすすめリスト(76)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
オレンジジュース- 霜天自由詩405-12-29
坂の、その先の雲の落としている影- 霜天自由詩605-11-17
海の中で生まれた気がする- 霜天自由詩1605-9-19
透明な葉書- 霜天自由詩605-8-31
装うあなたの- 霜天自由詩205-4-21
黄昏りんご- 霜天自由詩405-3-16
浮上するサイレン- 霜天自由詩705-3-10
その途中- 霜天自由詩605-3-4
僕らが波で出来てるとして- 霜天自由詩405-3-1
緞帳- 霜天自由詩205-2-24
ゆれ、おちる- 霜天自由詩305-2-16
いつか、忘れるという日のことを- 霜天自由詩1605-2-13
通り雨が過ぎても- 霜天自由詩1505-1-30
ロケット- 霜天自由詩705-1-28
信じられる、大きさに- 霜天自由詩705-1-24
レイルロード- 霜天自由詩705-1-18
白い音の手紙- 霜天自由詩2605-1-13
24- 霜天自由詩405-1-4
- 霜天自由詩605-1-1
晴れ、のち- 霜天自由詩704-12-11
きょう- 霜天自由詩804-12-6
ジオラマ- 霜天自由詩504-12-2
大きなケヤキのある公園へ- 霜天自由詩1204-11-26
約束のように遠く- 霜天自由詩304-11-19
氷面- 霜天自由詩904-11-3
モノクローム、マインド- 霜天自由詩904-10-26
暮らし- 霜天自由詩804-10-16
月曜の夜の晴れない日- 霜天自由詩1004-10-13
暮れない夜、覚めない日- 霜天自由詩1004-10-9
かすかに- 霜天自由詩604-10-4

Home 次へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する