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少女が、朝起きだして
足もとで夜の色をした猫の背を撫でる
まだ体温もあがらない内に
手のひらに忍び込む温もりに少し汗ばむ
私の温度ではない、と気づかないまま
薄いカーテンの裾を引く 細く ....
お母さん、
私ピアノは嫌いなの。
だってピアノはうたわないもの。
そう少女は言い残して
私は捨てられました
部屋の隅に置き去りにされた私は
つい先ほどまでの幸せだった時間を
思い返し ....
私はその日かごの中にいました
かごの中には私だけしか
ありませんでした
次の日も
私はかごの中にいました
次の日も、その次も
あまりにも
そのようなことが続くので
私は悲しくなりま ....