すべてのおすすめ
あかちゃんの頃から
ひそかやかに息づいている初々しい清水を
ゆっくりと 汲みあげ
丸い透明な器にいれて窓辺に置く
水の中に虹を 見つけた
こどものころから 不幸せな場所にな ....
北風と紡いだ一月の空
背中越しから僕の肩を叩くと
うつ向いていた体内の蛹が割れて
一匹の蝶々が飛んでいった
海を渡り
消えていく
夏の蜜のある処へ
くるっと
くるっと回って
見つけた
影法師
地面に寝転べって
空とかくれんぼしている
くるっと回って
いなくなった
影法師
僕はまた別の影法師になって
あなたの見つめている空拭いておく
俺もそうなろう
おひとよしは返上する
助けてくれだとか
おんなじ気持ちだとか
そんなものに対しては
死ね、とはっきり言ってやろう
引きずりこまれるな
そんなものに対しては
死ね、とはっ ....
マンションの契約をした
布団と冷蔵庫があればいい
あとはゴミ袋があればいい
出張の夜さびしくならないように
どうせひとりなんだ
もっとひとりになっちまえばいい
よくゆく都市の勝手知ったる町 ....
夕焼けのうえ
あれは宇宙だ
夕焼けと宇宙のあいだ
あれは透明のグラデーション
宇宙と夕焼け
透明と夕焼け
夕焼けのうえ
あれは宇宙だ
夕焼けと宇宙のあいだ
あれは透明のグラデーシ ....
淋しん坊
チロルチョコを袋から
取り出し
お口にちょこっと
甘さ控えめなんて
昨日受けた健康診断の結果に
右端の隅におしとやかに
載っていたけど
ただ今
夜の10時
もうなんか〜
もうなんとなく〜 ....
きみがくれた コーヒーカップ
なにげなく書かれたコトバ
「虹のむこうには うれしさがいっぱい」
なにかちがう
そうおもったぼくは へそ曲がりかな
このコトバを書いたひとは きっとかなしい
だって ....
そとは雨降り
東京での一日目の仕事が終わった
家賃の高そうな高層ビルの一階で
友人の迎えをぽつねんと待っている
6時にもなっていないのに
新大阪駅は会社員でごったがえしていた
ひとごみの ....
もしかしたら
わたしはここにはいなかったかもしれない
過ぎた夜に
濃密な1割の感謝を
明くる朝に
幸福な2割の希望を
脈鳴る今に
残りのすべてを
もしかしたら
あなたもここにはいなかっ ....
遠くに
忘れてきたものが
ある気がするんだ
はかなくて
美しいもの
でも
切なくて
思いだせない僕は
夕陽をみて
すこし泣いた
砂浜で
きみとぼくは
ふたりで座っている
ぼく以外のひとを想ってるきみと
きみのことしか考えられないぼくと
夕焼けは
残酷に
こころの隅々まで
照らし出す
あの夕焼け、きれいだねって
それ ....
過去の自分に 縛られて
身動き出来ない 時もある
過去の自分を 消したくて
嘘を重ねた 時もある
過去の自分が 虚しくて
殻に籠った 時もある
そんな過去でも 僕 ....
青い鳥に似ている
君の姿は。
たとえば星のように
土のように
風のように
月のように
気づけはしない
瞼をあげなければ
いつも。
夜は僕にくすぶったまま
朝焼けを連れて来る
磔にされた宛先不明 ....
心地よく 温かく 暖かく
ああ 遠赤外線よ もっと 僕らを温めておくれ
遠赤外線よ 遠赤外線よ 僕らを温めておくれ
燃やしておくれ 鳴いておくれ
僕らを清めておくれ
じんわりポカポカ
じんわり ....
白昼
上っていく太陽は
まるで
出遅れたランナーだ
誰も見ることもなく
ありきたりで
ありふれている
本当は
この地球に
光とぬくもりを
伝えてくれているのに
僕は彼女の目線を追う
いつもそこ ....
君は太陽なんだ
煌々輝いて
世界を光に染めて
命を育んでくれる
僕は影だ
黒々と形を作り
何も見えないように
形だけの存在
君は眩むくらい輝いていて
僕は其の分
色濃く形を残すから
君 ....
これだけは絶やさなかったんだよ
いつか大きな大きな輝きになる
希望の光
冬へと向かう足音は
あまりにも
確かで
冷たい冬の
【心臓】
を
手のひらの上に
浮かべてみた
それは明るく輝いていながら
とても凛とした
冷たさを持っていて
裸足の指先が凍 ....
これ以上墜落することはない
って場所で
君は空を飛んでるね
その一
見た目が悪くても喜ぶこと
(いいのを選んだけど)
その二
美味しくなくても笑顔で全部食べること
(美味しくないわけないけど)
その三
私の不安が消えるまで頭を撫でること
(やっぱり不安だか ....
病院の朝食のバン
焼いてないし
おいしくもないけれど
このパンを
食べるしかない
選択の余地など
ない
好きなひとに
好きって言える
余地もない
独り
想いを募ら ....
あなたは
この道を
ふたりで歩こうと
言ってたのに
嘘つき
でも
嘘つきは私
そんな日がくるなんて
信じてないのに
微笑んで
頷いたのだから
たて!
と言われた
たて!
とキーボードが言った
縦のことかな
何が縦なんだろう
もしかしたら
立て!
かもしれない
ほら
パソコンばかりいじって ないで
立て!
立てよ!
そうだ
....
本当はね
この手で貴方を
守りたかったんだ
本当はね、
胸の奥のピュアな部分で貴方を
愛しぬきたかったんだ
本当はね。
この命を賭けて貴方を
支えたかったんだ
本当はね、
本当はね。
全て ....
この地でいちばん
高い建物から見る北の海は
ひかる帯のようだった
そこには
かつてこの地で受けた
恥辱や挫折がにじんでいた
それでも失えなかった
希望のようなものもにじんでいた
この地 ....
大連は観光地ではないから
すべての施設は中国人のものだ
悪い仕事をするのに
これほど俺を守ってくれる国もない
星海広場をぶらついた
午後2時に待ち合わせている
たくさんひとがいるのに閑散 ....
深夜のファミレス
メロンソーダ
人工的なグリーンが
光を集めて
輝いて
私は
自分の席の話題に
ついていけずに
(バイクや車の話ばかりで)
辺りを見渡す
端の席に座っている ....
いつの間にか
色づいていく
さくらんぼ
眩しくて
さくらんぼ
ペアでなると
思ってた
そうでないのが
悲しくて
もう
二度と会えない
あのひと
今どこかで
空を見上げてればいいのに
音もなく
密やかに
こころがひび割れていく
絶望じゃない
そんなわけない
でも
それに似た何かが
ひび割れたところから
こころが、
染み出していく
たぶん
こころ ....
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