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みず玉の瓶のむこうの夕立と 風をとおした君の目元と
君は右僕は左を濡らしつつ ちいさな傘をでようとはせず
ためいきを午睡の風に結び付け生温いまま季節交わる
水溜りにかがんだ君のう ....
いくつかのいろをならべてかきまわし 何も塗らずに雨をながめる
ためらいを 固めたような白い空 てるてる坊主を逆さに吊す
はげしさもやさしさもせつなさもなく とまどう甘さばかりが目につく ....
柿ノ木がすきだと言って 柿ノ木に なってしまったあの娘を想う
たゆたゆと零れおちゆく蒼いとき つめに絡ませ朝をむかえる
すべりおちのたうちまわる欲情を 涙のようにみちびく指さき
肌を知りささやきを知り朝を知り 自分の皮膚の分厚さを知る
どこにでも 君のあとが のこるのに 僕たちの夜は どこにも もうない
蛍光灯にむらがるちょうのりんぷんをあつめて宙をとぼうとしている
青い夜 赤い欲求 白い汗 真っ黒い僕 透明な君