すべてのおすすめ
昨日が、夜の中で解体されていく



肉体だけを、濡れた風がばらばらにして
過ぎ去り、それでもまだ鼓動は 宿る



わたしが必要としているものは
わたしの内部の、底辺にあって
 ....
気づいたときには、わたしが
わたしという輪郭に 縫いしろを足して
日常から切りとられていた
景色はいつも、ひどく透明なので
ふりかえっても もう
戻るべき箇所を、確かめることができない ....
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
いくつもの読点で、あなたを区切って
体内へと運ぶ


元のカタチを、思いだすこともできないくらいに
細切れに、咀嚼していく
小指の爪から、過日の砂が落ちて
潮の匂いがした


 ....
遠ざかる夏の約束今さらに水たまりに咲く蓮の鳴き声




失ったものなどひとつもないような ちいさな津波のあとのリセット




くちづけで透明なピリオドを打つ始まらないままの第一 ....
じょうずに結えない髪の、かきわけたその奥に、
海が広がっている
黒い底は伸びて、光を吸いこんでいる
あなたがその闇へと、手をのばしては
救おうとする影を
あてずっぽうに踏んで、遊ぶ


 ....
{引用=からだのすべてを耳にしてしまいたい、いっそ}




糸電話から伝わった振動が、
あのひとの声だったと気づいたときには、もう
音もなく、底はふるえない
わたしを塞いでいく夜にも ....
norifさんの望月 ゆきさんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
リ/バース- 望月 ゆ ...自由詩31*09-2-25
運針の、記憶- 望月 ゆ ...自由詩42*08-7-28
水の空席- 望月 ゆ ...自由詩49*08-5-13
カニバリズム- 望月 ゆ ...自由詩43*08-3-22
【短歌祭参加作品】かげろふの、むこう- 望月 ゆ ...短歌22*08-3-18
巡礼の、風景- 望月 ゆ ...自由詩13*08-2-29
朝の、底- 望月 ゆ ...自由詩31*08-2-20

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する