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美しい夕暮れがあり救われる西の窓だけ見える病室
夕暮れに紙飛行機が墜落し奇跡的にも死傷者はゼロ
運命の赤いあなたに会いたくてサイコロ転がし確率上げる
少年の願いはきっと叶わない波動拳とかかめはめ波とか
夏休み始まっ ....
仕事せず酒飲みながら揚げた凧高く昇って宇宙の外へ
手のひらで星を掴む奇跡とはあなたの中の優しさにある
宇宙とは実は安易なものだとかすれ違いざま妊婦が笑う
真昼間の星を見たんだ宇宙とは君の子宮の中の出来事
火星から便りが来 ....
棘のある野薔薇にそっと口づけるようにお酒を飲みなよ、きみは
お星様 えいえい力込めましょう 割れたら海に 捨てておきます
エメラルドグリーンのバッズ 煤焼けた肺に早蕨芽吹き、噎せる
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動物園の絵はいつも雨が降ってるあなたと行ったあの日から
手を繋いで坂道を駆け上ったね下る時に負けぬ速度で
母と二人ハンバーグをつくる夕日よりもきれいだったひき肉
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写真機のシャッター閉じる間だけ恋人の顔させてください
近所でも毎日帰りに会う事が不自然だとは気付かなかった
好きと言うことも嫌いと言うことも恥ずかしくって握りつぶした
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君の上/君が歩けば/追いかける/一番星に/僕はなりたい
都会では/星が見えない/その代わり/空に近づく/ビルの屋上
みずがめ座/想像だけで/結んだら/凶器の鈍器と/死体になった
はず ....
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たけすぎた蕨を手にして
にっこりと笑う母の手は緑に染まる
蕨煮て
灰汁(あく)ぬく母の背を迷い
山を降り来た一匹の蟻
にっこりと ....
少女服脱ぎ捨て君は駆けぬける
街角、インクの乾かない朝
追いかけて非常口ドア雨上がり
無邪気な青にだまされてゆく
水にうつる言葉も意味もないグラス
残 ....
闇のなか灯し火あかい輪のなかに萎みゆく愛小刻みに揺れ
しみしみと冷ゆる夕べに二人いて噛み合ってない会話が続く
夕焼けにカーブを描き伸びていく廃線になった二本のレール
あの場所にわざと置き忘れた春が欲しかっただけ届かないだけ
ぼくだけの明けない夜をつくるため今でも空を塗り続けてる
磨り減ったあなたの靴の底をみていつか桜も散るのだと知る
....
春日さす畑の瓶の水に浮く雀の遺骸青き空かな
今日あの子来るか来ぬかと街角で待つ彼の上降る小ぬか雨
桜花雨に散らされ踏み潰れ
やがて流れる赤い廃液
長雨となるたび庭に出て土をかけ直す
妻
目覚めるなよ
と
今 ....
遠吠えの先端を夜に梳きこんで星にまぎれた魂ひとつ
恒星は渦巻く夜を抱きしめる 輝いている自覚はなしに
思い出が次の一歩の糧となる 今はもう亡きあの赤い星
....
夜街にて拾いし花びら手で握り
開けばあらわる恋待ち娘
思い寄せる二軒隣のあの人の部屋の前に落ちたる合鍵
恋別れ衣食生き死にあるごとに我は現れ言葉を拾う
日だまりに停車してある軽トラできらきら光るホットサイダー
おじいちゃん早く渡りな大丈夫道路は三途の川じゃないから
祝日に国旗を掲げる家なくて家主の世代交代思う
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生娘の桜のような唇を冒しがたくておでこにキスする
つきたての餅のごとくにふわふわの稚児の足裏
口びる寄せて
わが手にて花が開いたばかりなる君のお口に熱いキッスを
「この ....
「第一話・名もない色」と書いてみた。二年と五日前の扉絵
漁火というたましいに導かれ浴衣のうさぎ逃がすわだつみ
王冠を貝に譲ったソーダ水だまりこんでた午後がいとしい
消 ....
「さざなぐ海へ」
Runaku Masaki* Zakuroishi* Fujko*Rin Kazanagi
蒼低く岸辺に寄せる夜想曲(ノクターン)傷みをけして、染める ....