すべてのおすすめ
寒くて凍えそうな
北欧のはじっこのほうのみずうみの湖面が
鏡みたいにつめたく凍って
そのうえを
女の子がひとりすべっていく
かわいらしいカーテンみたいな
スカートをひるがえし
髪 ....
哲学者は手首を折った
色という概念を忘れようとして
僕は我慢する
排他的なその花瓶の輪郭は
多大なる想像を用いてぼくに砕かれる
涙せよ
涙せよ、と繰り返す脳内の信号は
僕の思うすべて ....
とてもしなやかに
折れ曲がる森があったので
そうではない多くの部分は昼と呼ぶことにしていた
迷い込めない、かくれられない、だからみんな怯えて
おびえるべきであって
きみが ....
何億光年もむこうのほうの
小さな星がたたく鍵盤の
黒いところに光が集まって
猫みたいな声をあげて
女の子がひとり生まれる
ちいさなはこに落っこちた
なつかしい湖の色 ....
ちいさな死骸を排水溝へ流す。
おまえは、透きとおる水晶のようにきず
をかかえてそこを流れてゆくのか
哀しみに囚われたひとつの流れを
純粋無垢なひとみがこおりついている
このこのちいさなむ ....
自分のものとは違う茶色がかった髪
自分より少し低い身長
とりあえずキリストでも恨む事にしたこの季節
なんて不自由な世の中なんだ
報われないのは初めてじゃあなし、
....
冷たいくちびるが薄く開いて
なにか小さく歌うのだけれど
柔らかなはずである旋律はどこか遠く
森の中に消えてしまっているようで
やけに静かだった
{引用=たゆたう水
呼吸を忘れる前に花弁 ....
悲しみのない日に生まれたかった
ばらとミルクの甘い匂いだけがする午後に
僕は君とだけ生まれたかった
いまとなっては好きも嫌いも愛してるも
言わなくなって 指先だけで触れて
僕 ....
{引用=
オーデュボンの目が映した、まるで日食のように昼間を暗くするリョコウバトのその大群にも、最後の一羽にも、わたしはもう二度と会えない。
会えない。
減少する熱帯雨林の隅のほうで誰の記憶 ....
携帯電話のカメラモードを
セピアにセットして
梅雨の晴れ間の街を歩く
写り込む世界は
春まだ浅い砂浜で風に吹かれ
総てをなくしてしまったことを悟った
あの時のまま止まったように
....
プロミネンス、
追いかけてみろよ/思い出すのは音/蝉/sem
i/miserable/定義したのはだれだ?/dare?
bear/心のまずしさは見えない/
プロミネンス、
....
カルテを書き写すのはルール違反だ。回し読みするな。学校で習っただろ
「むやみにヒトを傷つけてはいけない。」
「アンネはかわいそうだ。けどヒトラーならいい」
ちゃんと習っただろジャイアン以外。
....
君を傷つけていた。
僕を呪わない君の声がして
逃げ出したくなって
それでもまだ君が好きで。
逃げられません
嗚呼。
君の優しさが怖かった。
....
響いているのは雨音
夜が深くなると
それはいつか
遠い海に似てさざめき
わたしは
波に洗われたひとつの貝を思う
ところどころが欠けた貝殻は
すこしの闇を内包しており
誕生からずっと ....
くれない色の夕暮れに
細い三日月針にして
なにを釣ろうか
おつきさま
下界はこんなに
楽しそう
針の音色は茜色
おいでおいでと
呼んでいる
悲しいまま ....
こわかった
けれど
こわいということが
どういうことなのかは
わからなかった
それは真昼
明るい
空がこわかった
真夏の
暑さがこわかった
こいびとは
わたしの手をとって
海へ ....
せんせい、あのね。
かえりみちかたつむりをみつけたよ。いっぱいはくせんにいたよ。かたつむりはなんで、はくせんにいるんですか? でもうれしそうだったよ。でもみさちゃんにいっぱいなげられました。
....
青 い 光
{引用=
沸点が異常に高いキスをしたら
囀りさえも昨日のもののようになって
ぼくは、いつ救われるんだろうと
指先で境界線に触れるくらい難しいこと ....
笑うな
負けてるくせに
余裕ぶったり
開き直ったり
居直ったりして
悔しい思い隠すな
負けてたらその歯を食いしばって
崖っぷちに立たされた鬼気迫る感じで
向かっていけよ ....
呼吸器官に異常を来す
きみの名前劇薬だなんて
空気が漏れる音だけ響く
無菌室で試したい愛
大人になったら消えるという
幼い傷跡 醜いケロイド
綺麗と言った無神経な優しさが
今となって肉を ....
傷ついたこころに きれいな夢
ひしゃげた気持ちに あしたの光
うたぐった
あなたにひざまずく
命に似せた「愛してる」
風向きは南
飲み込まれ ....
この世の終わりのためにことばをえらぶ
宇宙に架かるブランコに乗って星くずを撒き散らしながら
ことばはひろがる
ドアをあける世界がまたひろがる宇宙のドアをあける
よく見れ ....
猫のあくび
窓辺のコスモス
いろあせたオルゴール
金魚のあぶく
ハチミツ入りの紅茶
それから
きみ
そういうやさ ....
何かが終わるような
終わるような気がして
コンクリートに埋めた
夢の上を歩いてみた
歩いてみたけれども
掘り起こすことはせず
通り抜けてみた
何かが終わるような
終わるような気がし ....
ホリデイ
青空にはためく白い洗濯物
私は音の出ない口笛を吹きながら
遠くに走る車のきらめきを見ていた
いつか見た潮騒のようだとふと思う
あなたはまだ帰って来ない
風が気持ちいいわ 春のよう ....
身辺整理は着々と進んでいるのに
心の整理はつかないまま
あなたの言葉は
やさしく
残酷だ
身辺整理が着々と進んでいる中
今頃やっと気がついた
あなたの言葉は
額の中に向けて ....
海鳥が羽ばたいて行く
波音が声も表情も攫ってしまう
ここを離れれば全て遠のいてしまいそうで
時計は腕から外して仕舞った
すこしでも時間を忘れられればいいと
そう思っていたから
....
まっさらな
まっさらな
愛を 君に
そうしてそっと目を閉じるから
私が目を開くまでに
何処かにいってよ
君との約束を守ろうと
躍起になった私はどんな風に映ったのか
下らないと言 ....
石に花をそえる
草をなでる風がそれを愛でる
遠い記憶
時が冷える
夢はとうに凍えている
窓に朝の光
手の平で顔をおおう
指の隙間から溢れてくる光
生きよう。
夢を見ていた
もう話すことの無い友達
そう 友達がそこにいた
変わらない僕のままで
選ばない言葉で
思いつくままに 言葉を紡ぐ
笑い 笑わせ 笑いあう
手を伸ばせば そこにいける ....
1 2 3