すべてのおすすめ
 
初夏の光
ひとつ前の駅で降ります
虫かごもないのに


+


栞はかつて
誰かの魚でした
本の中で溺れるまでは


+


夕日のあたたかいところに
古いネ ....
紫煙の記憶が折り重なる木枠 
スピーカーに雑草が繁茂する
煤けた天井から黒い茎が垂れ
席のすぐ上で円錐の花が開く
ここは暖色の蜜であふれている
白い蜜に沈む 緑の無邪気な囚人たちは
小さな ....
恐ろしい絵本を読みたくて
深夜の本屋に忍び込んだ
硝子を割ったのにセコムは作動しなくて
別世界にきてしまった気がした
 
グラビアから世界地図まで
滑るように見つめていると
ふとした拍子 ....
笑点を見ながらくつろいでいると
夜間責任者から電話が掛かってきた
どうやら稼働を見間違えていたらしく
約十五分間怒鳴り散らされた
しかしこちらも制服を返した後だったので
気を取り直して出掛け ....
たべかけの
チョコレート

蟻が寄っている、よよよ

たべかけのひとかけら
蟻の
所在地は
調べ
られません ペロペロ
スティックつきのチョコレートに
のりかえた 洗濯物 ....
 カメラに向かい
 天気図を背にして
「午後から雨になります」
 と伝え
 小さく頭を下げ
 辞表を提出し
 その日の午後
 先生は雨になった
 
 それは小さな雨だったが
 傘を ....
 
テーブルの向こうには
崖しかないので
わたしは落とさないように
食事をとった

下に海があるということは
波の音でわかるけれど
海鳥の鳴き声ひとつしない
暗く寂しい海だった

 ....
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
深くしわの刻まれたいかつい顔の男が夜の行軍

いないばあさんを探しに夜の行軍

他のばあさんの部屋をのぞきながら夜の行軍

ばあさんの味噌汁に入れるカボチャを探しに夜の行軍

寝ている ....


英単語帳の表紙を飾る茶色い犬の目が
わたしを見ているようで
たまらない気持ちになって
そっと本を裏返す

だからと言って
何から逃げられたというわけでもなく
明日の朝わたしはい ....
言葉はそれ以外の何かだ、と昔、朝日新聞が言っていた。
コンビニエンスを麦芽たっぷりのパンズで挟んだバーガー
が、転がることも出来ず置いてあるここは路上。路上。
平日の昼下がりにはゴミと人妻しかい ....
人がいた
音を立てていた
枯れて崩れる葉を踏み
枝を折って歩いていた
いらつく声を
口から発していた

連中は音を隠さない
俺を呼んでもいいのだろう
喰われても構わないのだろう
 ....
ボトルの内側に貼り付いた
水滴がつるりと滑り 落ちる
そんなあっという間にも僕たちは
死にあい 生まれあっている

細い点の中にある、線を描く息の中にある

骨が飛び出そうなくらいの
 ....
夜が燻る
夜が放火する



わるいゆめ
ほんのすこし掠めた
ささくれが毛布にひっかかるような
ひっかかるようなきがして
指を舐める

夜が燻る
夜が放火する


にがい ....
学研ムーの編集局に仕掛けた地雷が
いい塩梅で爆発したよ
分かるとは
不感症になることと似ている
15の頃は
マンフレッド・マンで反射的にイケた
今の俺の反射神経じゃ 
月面すらも行けやし ....
世界がひとつになると
さらさらと
砂の崩れる音がする

幼い頃
ひとり布団の中で
聞いた音と同じだった

朝、家族に
おはようを言う

こんなに幸せな朝なのに
さらさらと
 ....
 

 一線を引き続ける僕らの鉛筆が迚も長いことを全部夕景のせいにして、要らない考えを消去しなければ。こんな小さな東京でどうして君には遭えないんだろう?僕は馬鹿に冷静で、狂うことすら覚束ず、右手の ....
学生たちが
そこここに円くあつまって
華やいでいる
どうしたら
あんなふうに笑えただろう
そういえば、もう
何年も卒業していない

花壇のすみで
孤立無援だった球根さえ
新しい黄緑 ....
魚を丸ごと
皮も内臓もぜんぶ食べた
それは
ゆうべのことだ


目覚めると
私の骨が泳いでいる


なんたるこった
私を食べてしまったのは私だろうか


どこをどうやって
 ....
1.


上履きの色は赤か青で
たまにみる緑が
私はうらやましかった
ぺたぺたと
音もなかった
たくさんの足
あの
はためく日の丸をもう
みることがないから
ここがどこかわから ....
らいめいもそぞろにして
雨が走ろうとしている
つけっぱなしだった 冬が
おやすみの汽車へ

にもつは半々
手からしゅるる
えいえいえおお
らぶはそれ以上
ゆれゆれトロッコ


 ....
言葉にすれば
背徳だとか禁忌だとか
人類有史以前から
ありふれた、それ。

  長風呂していると
  ぽとり、と汗が落ちました
  それは昨日の
  私のささやかな悪事
  手にした ....
線が、みえました

線が、みえていました

「ここからはいらないでね」

そう
いつでも


めにみえないかなしみ、というやつは
そこら
ここらに
ころがっています
 ....
 
燃やして、捨て去ってゆく
そういう風に、生きる塊がある
 
凄くつまらないエピソードを
凄くつまらないままで終らせても
どなた様にもご迷惑を
おかけしません、と
 
草木も揺るや ....
ヘリコプターは遠ざかりやがて聞こえなくなり
空は薄めた絵の具の様だろう
カーテンに窓の模様が浮かび
天気を知る
近づき遠ざかる何度も
手を振る
また会おう

昨日の雨が嘘のようだ
土 ....
丸みの無い水平線の向こう、
空と海の境界が
白く曖昧になるあたりで
春、が転寝している


寒気から噴き出した風が止み
陽の降り注ぐ砂浜には
くろい鳥のような人影が
水面に微笑み ....
デニーズの半円形のテーブル席で
フローズンヨーグルトを飲みながら
通りを眺めてる と
フローズンは溶けて
ヨーグルトになった
すこぶる健康な昼
着信があったよ
シンガポール ....
何かを急に言いたくなって 口を開けたとたん
くもりぞらにのみこまれてしまった

たとえば好きな音楽を
反芻してやり過ごす
でも最後が訪れるまで
待ちきれないんだ
盛り上がりがこないから
 ....
鈴木が首を吊ったという知らせをうけて
テーブルの上を見てみれば
なるほど
胡椒入れの横で
鈴木が首を吊っているから
いたたまれない気持ちになって
伸びきった首を掴んでロープを外してやると
 ....
日月さんの自由詩おすすめリスト(59)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海の伝言- たもつ自由詩2508-6-21
かすれたフルート- 氷水蒸流自由詩508-5-23
命と本屋- ゆるこ自由詩508-5-23
高架下サウナ- 1486 106自由詩3*08-5-23
ペコ- 友里納自由詩108-5-16
水の空席- 若原光彦自由詩12*08-5-15
遺書- たもつ自由詩2408-5-15
水の空席- 望月 ゆ ...自由詩49*08-5-13
夜の行軍- 六九郎自由詩4*08-5-9
そうして大人になる- 春日自由詩2*08-5-5
超人パワー5000万・乳白色の憂い- キリギリ自由詩208-5-5
人音(ひとおと)- 楢山孝介自由詩408-5-5
渇き- 唐草フウ自由詩8*08-4-28
夜が燻る- 杠いうれ自由詩908-4-24
偽物ロケット- Tsu-Yo自由詩5*08-4-16
砂の音- 小川 葉自由詩808-4-9
ポワソン・ダブリル殺人事件- 雨を乞う自由詩4*08-4-2
春の準備体操- 佐野権太自由詩10*08-3-28
しおざい- yo-yo自由詩15*08-3-28
春離れ- 簑田伶子自由詩17*08-3-27
カミング- 唐草フウ自由詩7*08-3-27
バスルームの毒- 亜樹自由詩108-3-19
とおい、なつの- エスカル ...自由詩14*08-3-19
死に急ぐ人- 黒子 恭自由詩408-3-17
- 水魚自由詩6*08-3-15
湘南、春の片隅で- 銀猫自由詩12*08-3-10
デニーズへようこそ- むらさき自由詩4*08-2-10
20080207- 藤野鞠子自由詩308-2-8
目の前でゆっくりと死んでいくあなたが、トーストにマーガリンを ...- Tsu-Yo自由詩208-2-6

Home 戻る 最新へ
1 2