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080729
川中島で、
目を覚ませ!
合い言葉は、胡瓜。
3回ほど繰り返して
黒い男が闇に消える
カラスのような目付きをした ....
ひとつの温度に
肌全部が包まれる
水の中は
ひとときだけ僕の存在を許し
水の中は
ひとときだけ解放を許し
ひとつの重力に
肌全部が ....
部長は激怒した
書類の誤植が見つかったからだ
大森専務が大林専務になっていた
すぐに部長は平社員の小林を叱りつけた
小林は木を一本加えて
森にして書類を作り直した
誤植を直すためには
....
さびしさにふたをした
余計にあふれてきた
ふたをしろよ
もっとふたを
漬物石
がいい
いやもっと軽くてもいい
わたがし
和紙
金箔
めでたくなる
重さなんか
なんでもいい
自分でふたをすること ....
待たされすぎた過ちが
無風のなかをざわめいている
低く、
そらへと
這いだす者を
あやぶむ声はいつも、高い
わかれたはずの
軌道の彼方、
もっとも遠 ....
{画像=080720011341.jpg}
決定された明暗。
アパートの影はくっきり糊づけされ、
子供達が自転車遊びをして乗り回る。
初夏の風景。
物みなのアウトラインの ....
薬で血圧が下げる箱 茶箱という
点く月の裏、太陽の道が通るというから
形は私に細くなったという
最初は音量が小さかったのに
最後は音が大きかったになった
私は私は私
私私私は
....
ゆっさ ゆっさと
生の大気が揺すられている
気体の伸びきった胸が大きなあくびをして
寝息を聞いているのは
空はシエスタ
風は動く
胸が開く
雲の足跡を追いながら
南中の太陽 ....
080714
ゆれる
木の葉
イソギンチャク
財布の中身
人でなし
この野郎表に出ろ!
喧嘩するので
騒がしい
ヒトゴロシ
....
夜の町を
自転車で走る
北か東か南か西か
どっちに向かっているのか
わからなくなる瞬間
宇宙にぽつんといる自分になれる
気づいたら
忘れていたという
境地は
後からしか
振 ....
だらしない服が
花のように香る
からだの線が
浮かんでは消える
あなたは
無言にたなびく
降る曇
くちびる
とじたまなこ
うしろあたま
ひとつかがやく
....
ものかげ
赤目
誰も通らない
アスファルト
うさぎの耳をさがす
こっちに 来て
脇の下を
どうか
触らせてほしいが
いつも
するりと
ささやかな
毛の香りも
丸い糞も ....
古い殺伐が
割れたひざこぞうの隙間から
白い骨を覗かせているので
ご機嫌をとってやった
そこから始まり
一日分の言葉が
牛の子のように
どさりと吐き出される
そこで終わる
....
括られた紐は
私を食べて
箱型の実をつける
月光から逃げる為
風が吹いたら
ざあん ざあんと
ちぎれて旅立つ
泡立つ床の波の中
落ちた箱は
或いは開き波を染めて
固く閉じた ....
080703
カワガラス
オレンジ色を
四角に染めて
生きる渇きに
備えてる
(保有期間が過ぎたので
(補修用性能部品を
(絶対に
....
身体の中で潮騒を飼っている
辞書はそれを焦燥や憂鬱や歓喜などというが
潮騒はそんなにもシュハリ、と
姿を変えるものだろうか。
生まれて初めての始発に乗った。
どうしてだろうかとは考え ....
地面に結び付けた髪の毛
もう嫌わないで、口を動かす 少女との界わい
少女との辛い
地中に潜り逃げ立ててしまった奥のたらか
三角の丸で肘を曲げて坐る
地面に抛り投げる髪の毛
三角の椅 ....
冷たく触りきったあと
あなたの身体には何か遺るだろうか
私が夢見た痕跡は
のこるだろうか
青く澄んだ月の光のように
彼方のくぼみに 廃墟のように
(先に看取られ ....
あなたが見上げている
タクシーの水面、を過ぎていく雨のスピードに
わたしたちは削り取られている
飛び去ってゆく、見知らぬパーティー
灯に濡れたアスファルトの急流
きらきら、きらき ....
地球を覆う硝子膜が
破れると叫ぶ男がいて
そんな日はきっと
晴れだったに違いない
開いた向日葵の
まぶしいほどのイエロー
世界は今日も
腹立つほどに美しい
体の端が
セーターみた ....
傍にいてもとってくれぬ夜に、
わたしの赤いあやとりが、ゆるり、たわむ。
想像の余地を失った惑星の軌道みたいに明確に、
ゆるり、
たわむ、
床に、
指の、
床にうず ....
夕暮れ、薔薇は香っていた
まだ残る夕光の中で
私は花びらをそっとむしりとる
指先がいとしくて
何かを待ちわびて
ふっと夏の透き通る波が
心に押し寄せて来て足先を濡らし
すべてを呑 ....
針葉樹林が白くなる季節
男は私を森から連れ出し
街で半そでのブラウスを買い与えてくれたので
私は夏まで生き延びねばならないと思った
男は私をバニラと名づけ
おまえはアイスク ....
やさしいんだね
と、言われれば
悲しそうに首を
横に振る
君には
四月なら
さくらの花びらが
五月なら
ハナミズキの花びらが
道いっぱいに散らばって
通れない
....
ほどけてしまいそうな
女の子のからだから
春をとり出してならべる
つみぶかい瞳が
まだそこにおよいでいる
名前の知らない五月の旗
活字から顔をあげて
だれをみる
外をみた
窓 ....
信号待ちをするときは
雨のアスファルトを
濡らす夜の光を
滑るように踏み締める車の連続の
車、車、車の
融合しているかのようなスピードに
巻き込まれないだけの重さの、足 ....
こっそりと
ゆびわをかじると きいん とする
ぽっかりと
ちいさなあなのあいた夜
空の一部を
せろはんてーぷのぎざぎざで
ひかりのかたちに
切り抜く
わたしのへやで
ちか ....
悲しいだけ
とつぶやいたカメレオンが鳥居にぶら下がっている
雷に打たれていたのは
乾いた老木と夜の帳
指先に切り傷
問題になるのはザクロの色ではなくて
あなたへの愛
水蜘蛛に絡め取ら ....
東口を出た歩道橋に
一人立つ
目の見えない
フルート吹きの奏でる
あめーじんぐぐれいすの
音色を前に
手押し車の老婆は通りすぎ
土産袋を持ったサラリーマンは通りすぎ
....
楽園で君を手放す
ふわりと
花畑のにおいがする
白いシーツが
風に舞う
ああ
僕が夢見た光景は
こんな風だったんだ
さよならは言わない
君とのお別れ
ありがとうだけ、あ ....
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