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きっちり塗っていたのに
反対車線にはみ出す
雲が蜘蛛が雲の隙間から太陽や太陽が鋭い爪を
刺す
差す
おおきなおおきな
くも
はみ出た者を串刺し
みんな応援している
手拍子が聞こえる ....
長袖の下が
少し湿ってる、朝
君は駅からの道のりを
全速力でひた走る
遅刻は毎日の景色のように
日常を誤信した
人のまなざしとして
君にそそがれた
君の背景に
いつもその人 ....
新しい雪の降り積もった
静かな屋根やねが
水平な朝に焼かれて
私の底辺をもちあげる
増幅する光の波が
うずくまる私の手をとり
青い影を洗う
そうして
裸にされてゆく、わたし
....
みかんの皮をむくと
いくつかのいのちが並んでいる
土にまけば
また
みかんといういのちが
生まれていたにちがいない
くやしがっているだろうか
人の手が汚いと
叫んでいるだろうか
....
台所の蛇口は少しゆるいのか
夜中にぽたぽたと音がする
間取り1K、家賃6万5千円のアパートの
玄関をキミがあける
コンビニで買った焼き鳥と
缶ビールを手に持って
外階段をトントンと ....
初出勤のバスには
4人の乗客
到着するバス停を降りて
それぞれの瞬きを胸に
それぞれの舞台へ
散らばってゆく僕等は
地上に降りた
4っつの星
体の透けた
帽子 ....
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