現実まがいの優しさのせいか
こころが脳にある

人間みたいに笑うきみの
黒髪が
きれい

恥を知りなさい
 そっと
 手のなかで砕けてゆくものを
 花、と呼びます



透きとおる風に
聴きそびれた使いを
そのみちを

ためらいながらも、
懐かしむように
かばうように

 ....
     一

 細かな枝をつたう幽かな震え
 桧皮色の樹皮を湿らせ
 梢を這う、自動律たる水の脈動 )))
 沁みゆく荒地の渇きへ
  一滴、
 地球システムを孕んだ涙のかたち

 ....
冬木立、腕の隙間を
北西の風が吹きぬける二月
硝子を隔て、
わたしは陽射しを貪る


両の手を
時折、虹色に光る猫の背毛に沿わせ
体温を求めながら
かなしみを忘れるわたし

セー ....
おととい日はあちらから昇りました
きのう日はあちらから昇りました
きょう日はあちらから昇りました
きっと
あしたもあちらから朝は訪れるでしょう

この銀杏の葉は枯れ落ちました
 ....
探していた
おだやかな光を
逢いたかった
カンヴァスを破って

手を、そっと
輪郭のない夜だから
影もなくて
震えを数えていないと
ここがサヨナラになる気がした

風の硝子越しに ....
お兄ちゃんがまた
女の人に振られてしまったよ
かわいそうに
死んでしまいそうに落ち込んでるよ

幼いころから
おっちょこちょいな人だったよ
がまんしてればよいものを
いつもちょっとかた ....
アイスコーヒーを注ぎいれた グラス
暖かな部屋
午後の陽射しは

読み止しの本の名は
『ルネサンスの占星学』

人が ぱらり ぱらり 行き交う
食器が カチ カチと音を立てて

動 ....
2ヶ月ぶりに退院したヤツと飲みにいった

とりあえず、おめでとう、と乾杯した
ひさしぶりに元気そうでよかったなと思った



長話。

こないだは、友人たちと鍋をした
男 ....
にぎやかな街を生むものは
孤独なのだと思います

ひとりぼっちで
とても寒かったあの日
逃げる、という行いそのものに
迷い込んでしまったあの日
わたしが覚えたものは
背中だったと思 ....
間遠に灯るガス燈の火を
ひとつひとつ落としながら
どこまでも
迷い道をたどってきました

鳩色の街に
静かに降り積もる粉雪
きしきしと
水晶が発振する音が聞こえます

いつの日にか ....
南米帰りの友人が
土と光の匂いをまとい
訪ねてきた日のこと
土産は
幾つもの見知らぬ異郷のお話と
太陽神のペンダント
パタゴニヤの荒野では
荒らしに行き暮れ
アンデスの稜線で
ピトン ....
外国に行きたくて
海を歩き続けた
それなのに
海はどこまで行っても
海のままだった

道に迷わないように
紙幣をまき続けた
それも尽き果てる頃
家に帰ろうとして
鞄から地図を取り出 ....
山間を走る電車に乗り 
開いた本のなかにいる 
良寛さんの
寂しい嘆きを聞いていた 

車窓に流れる 
杉林の暗闇に 
一ヶ所仄かな日溜りがあり 
一軒の襤褸い庵に 
良寛さんのまぼ ....
その坂の上は外人墓地になっていて
少しだけ風がそよぐ。
港町を見下ろすその場所で、
土の上に居場所をなくした人々が 眠っている。

その風を、汗に濡れた指先でなでるのが好きだ。

 ....
途中だった思案を開いてみる
また白紙になっていて
今日という日があるのはそのせいだ
記憶なんて信用できないもので
記録のほうがあてになるかもしれないと
毎日、一頁ずつ
日々を書き留めていて ....
怒っている

ほったて小屋の前で
巣箱なんか作りやがってと
空に
怒っている

怒っている
俺の仕事が
詩人で
せっかく
命がけで
産んできたのに
何の恨みがあって
背中か ....
うつ、という言葉が好きではありません

その言葉で
ああ、自分は、そううつというヤツなのだ、
と思えば
すこし、居場所をあたえられたような気にもなりますが
なんだか、その言葉ひとつで
自 ....
息苦しくて書けなかった
だけど
今ならわかる

あなたを信じていなかった
そうじゃないか
世界は
誰かを裏切ることで
幸せになっていくから

無償の愛がここにある

私はいい ....
ホームレスが灰皿に
深々と頭を下げている
制服の女性が後ろで睨みつけている
歩道に頬杖を付き
Yシャツに血が滲む
彼女の脚の下
フォーカスをぼかし
そこいら中に降ってくる
皮のアイスピ ....
初詣デート前日

明日 お参りした後
おみくじ ひくことになるだろう

『大吉』か『大凶』じゃないと 中途半端だから
さきに神社に行って『大吉』か『大凶』出るまでひいておこう

『大吉 ....
ポットの注ぎ口から
授乳温度の液体ネコを流出させて
膝の上に置く

ネコは不定形
とろーり とろーり
湯気を立てて 
うたた寝をしている

ネコの脳波はカップの上で波紋を立てて
き ....
プラットホーム
薄青く透けた空白へ
真っ直ぐに冴え立つ
色の無い脊椎の林の
プラットホーム


始まる
冬の朝の微細な輪郭線は
薄荷のことなど忘れた振りをしよ ....
ひしゃげた真実を
縫い合わせる、ように
なにやら、はたはた
と、せっかちな右手


寂れた街にも
喧騒という虚栄心を
夜に素直なことも
混沌で覆ってしまえば、いい
欲に ....
都市部には真っ黒な雨が降り
空を染めて夜が始まる
世界中のカーテンは
住人を慰め始める
高い声は犬の声
盛りをつけた犬の声

許しはいらない
首輪は遠くの国に繋がっていて
引っ張れば ....
高校で処方されたトローチを
ずっと舐め続けている
いつか消えるという
先生の言葉を信じて



大学生にさん付けされ
上司にはくん付けされる

しかし口の中にはまだ
トローチが悠 ....
アメン君が持つ無意味の王様
理解されようとされまいと
規格外それは不変の観念
(ほら、恋愛が科学で証明出来ないのと
同じ事だよ。要するに未知なんだよ。)


形容するならシヴァのピルエッ ....
   裏庭について – それからすこし家の話

 北里、という地名がある。しばらく住んでいた時期があるが、そこの風景を思い出そ
うとすると、まず祖父の家の入口が面している道路から左手 ....
小鳥を逃がした事がある
さみしい時に啼いてくれたのに
鳥籠にいる姿がかなしくて
僕の目の届かない世界まで遠くへやって
今もふとすると胸うちで啼いている
傷ついたその折れた翼で


   ....
ジェシカ、
42口径の
悲しみを胸に
押し当てて
お前にいつか
言いたかった事が、
言いたかった事が、
あるんだ。
 
ビルの向こうから
何気ない日々とか
ありきたりだとか
朝 ....
エチカさんのおすすめリスト(160)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 簑田伶子自由詩7*08-1-26
水の蕾- 千波 一 ...自由詩10*08-1-25
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アンデス- ダーザイ ...自由詩708-1-22
逆イマジン- 小川 葉自由詩3*08-1-22
良寛ノ庵_- 服部 剛自由詩208-1-21
ありし天文所の休暇- もも う ...自由詩28*08-1-20
死とか臨界とか循環とか- 小原あき自由詩26*08-1-19
世界のどこかで叫ぶ- 佐々木妖 ...自由詩5*08-1-16
そして、光- わら自由詩20*08-1-14
それでも夜は流れていく- umineko自由詩8*08-1-13
くすぶる- 佐々木妖 ...自由詩10*08-1-12
おみくじ- 北大路京 ...自由詩16*08-1-12
液体ネコ- アハウ自由詩22*08-1-11
薄荷時間- A道化自由詩2108-1-10
スロゥテンポのお化粧。- うわの空 ...自由詩608-1-10
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変わるくらい- 佐々木妖 ...自由詩25*08-1-9
222hz- manabe kenta自由詩808-1-8
【エッセイ】裏庭について_–_それからすこし家の ...- mizu K散文(批評 ...5*08-1-8
Loneliness- 石瀬琳々自由詩22*08-1-7
ジェシカ- 黒子 恭自由詩1008-1-5

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