すべてのおすすめ
爆発する
夕日
の上を
駆け抜けていく走者
の影を
追いかけて
いく轍
に足をとられて
転びそうになる走者
の右手に
握られている
バトン
は理由のように
あやふや
だから ....
台所の片隅で
冷蔵庫は
昨日よりもちょっと
ナーバスになっている
海の見える場所に住みたい
そう思ったのは
二十世紀の終わり頃だった
さようなら
という言葉は
ずいぶんと
細長 ....
言葉なんて大切にするな
おまえの横には
もっともっと大切な人がいる
その人をじっと見つめろ
その人のための言葉を探せ
封筒をあけて
君から届いた手紙を開くと
薄紫色の蝶が
ひらひらと
飛び立っていった
拝啓
それから
空白
君も僕も
本当に伝えたいことを
伝えるための
正しい言葉を持って ....
【きがあう】
家の庭に「気が合う」が生えた
そういうこともあるんだなあ
生まれたものは
育てなければならない
私は100円ショップに
ゾウさんじょうろを買いにいく
ミドリにしようか
ピ ....
1
野原を駈け抜ける
モノクロテレビの遙かうえ
空が上手に飛んでいく
秋だな
と誰もが呟きたい秋に
ベースボールは歌わない
アウトとセーフの間を
走るのはイタチ
追いかけるもの ....
久しぶりに地元に帰り
ふらっと立ち寄った飲み屋で
幼なじみの電信柱と会った
人なつっこい笑顔は相変わらずで
そんなことが妙に嬉しい
カウンターに腰掛け
街や人や時間の流れ、それから
その ....