すべてのおすすめ
***


ぼくに優しい時間と言葉が

さよならのむこうで
足踏みをしている


***
あ、あー

本日は晴天なり

未来を励ます晴天なり


朝から鱗雲が光ってら

天高く馬肥ゆる秋

わが家に男子生まれる


あ、あー

本日は晴天なり

未来を励 ....
「 あさって帰る、戸締り頼む。」 

親父の書いた太い字の 
メモはテーブルに置かれ 
日頃にぎやかな 
家族みんなは婆ちゃんの 
米寿の祝いで熱海に行って 
ひっそりとした家の中 
 ....
カップの中の恐怖が
蒸発しきってしまうまで
西日の当たる窓辺に置いて
忘れた頃に覗いて見ることにする
ガラス越しのプリズムが
灰色の壁にいびつな虹を映す
シーツとタオルケットの隙間から
 ....
しーっぃぃ 静かに
静かに

耳を澄ます

耳を澄ますほどにやって来る
夜があるではないか

届こうとする

届こうとする夜が
やって来るではないか


いくつかの笑顔と空 ....
子供は暴力でいっぱいだ
頭のてっぺんから
足の爪の先っちょまで
暴力という暴力で
満ちあふれている

ほら、引っ掻いちゃうぞ
それ、踏んづけちゃうぞ
やれ、押し倒しちゃうぞ
よし、放 ....
囁くような声で歌いながら
磨り減ったペンの先で
点と点を結んでゆく
誰かが残していった徴と
それを結ぶ行為の意味も
やがていつしか変わっていくだろう
触れたぬくもりは
テキストよりも映像 ....
ここは輝かしい地獄だ
そして同時に
ここは陰鬱な天国だ

ある者は
今日一日を生き延びたことを
心から感謝し
また
ある者は
明日も生きねばならないことを
心から呪っている

 ....
増水の ために

すっかり 荒れはてて しまった

堤の かよって ゆく なかを

猫じゃらしを 噛み ながら

草ひばりの 音が ほそぼそと つづく

すすき野原を  ....
「昨日の夜、何してたの?」
(何か隠してるわね)

「うぉっふ」
(何か隠してると思ってるな)

「そう?でも夜中まで携帯が鳴りっぱなしだったわよ」
(何か隠してると思ってると思 ....
最初の 真昼の 星が

ことばの 紀元前に またたいて いる

やってきた 9月

地には ことしの 豊穣を

やくそく した 稲穂たちや 曇った空

透明な 稲びかり ....
夏の終わり

りんりんと鳴く虫の音の響く夜の淵

なまあたたかいぬめり気が
頬をなでる



セックスを終えてアパートを出た後の
このにおい

夏のにおい、のような
記憶のか ....
ぼくの 住む 土地で

自然に ひぐらしの 声を 聞いたのは

10年も むかしに なる

それは かぼそく いっぴきの 系譜が

つづいて 啼いて いたのだ けれど

 ....
白い 塗りかべの 建築や 小路を 抜けて

とまどいながら 最初の 一声が いまだ

はばたいている ように かぶさって いた

こちらがわの 無垢な 海砂の 地へ

いく ....
ジャンプして
空の高さをめざしていた
虫たちの翅が透明になった


さみしいね
ぼくたちの夏が行ってしまうね


とうとう本も読まず
砂だらけの栞を挿んだままで
ぼくたちはまた
 ....
電光が一線走り
斜めに水溜りの上に視線が泳ぐ
手繰り寄せる繊毛は
見えたかい
水溜りの上に染み付いた獣の臭いで
やっと鼻が利いてきた

透明の折鶴を壊し
透明の結晶を壊し
拾った金槌 ....
疲れた僕は 木陰で休んでいる
幹に 蝉の抜け殻
とても静かに
何年もそこに在りつづけているかのよう

しばらくして
ふと気がついた

だまって
いる

その少し上にも
またそ ....
お姫様が
何でも許してくれる王子に
浮気を告白しました
それを聞いた王子様は
持っていた剣で
お姫様を
刺し殺しました
「許してあげるよ」
そう言いながら
朱夏を流しに
秩父の渓流へと向かう
蛇行しながら伸びていく
山間の道に
カーナビは沈黙する
助手席では赤い女が
道を間違えないでね
と声をあげて笑っている
いったい
何処に行けという ....
  カントリーが聞こえる




「もう歌わなくても良いかな?」


「ああ、いいんじゃない」


「ああ」


「ていうかさぁ、あなたが勝手に歌い始めたんでしょ?」

 ....
誰も
さよならを言わない
誰も、何も、言わない





ジ、


ただ
重々しい青へ、空の、青へ
弾け散るように飛び立った蝉の
既にこげ ....
こう見えて意外と貪欲なんですあたし

なんてセリフを
後ろのボックス席で女が歌うように言う

大阪
アメリカ村
マクドナルド
午後2時

朝の天気予報での降水確率は80%で
その ....
水中ではうたもうたえない
だけど泣いたってわからない
ささやかなゆれはわたしの体温になって

さかなたちの集うよるがくれば
ふやけた指先からあふれていく
あらゆる目線の延長上 ....
いつか 夏を 見たので 夏のことを ものがたり

旅を したので 旅のことを ものがたる...

やまと 吉野の 山なか で

灼熱した 午後 数刻の 焦点は ひび割れて

 ....
銀の鱗たちの抱擁に
十重二十重に被覆されたまま
世界の深奥に 沈むもの



嵐 過ぎて後
マンホールの隙間より聞こえる
ゆるやかに 鼓動するもの



いつか伊太利亜 ....
兄弟達が助けを呼んでいる
僕は駆け出す
金持ちのようなダンスを踊る
止めて欲しい
この街でいつも孤独なアゲハチョウは風を浴びて天使を待つ僕の懐にいつも突然に
飛び込んでくるような錯覚 ....
午前4時
ほの白く ほの青い 四角い窓から
まちの寝息が
明かりの粒子が 舞い込んでくる
街灯は 夏の虫を誘って
ゆれるように強く

黒い瞳に ひとつずつ
真珠を入れて
まばたきもせ ....
凛々椿さんの自由詩おすすめリスト(297)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
.о3- かたくり ...自由詩207-10-31
本日は晴天なり- 吉岡ペペ ...自由詩407-10-31
「_暖炉の炎_」_- 服部 剛自由詩7*07-10-31
プレイ- 大覚アキ ...自由詩507-10-31
耳を澄ます- 石田 圭 ...自由詩1707-10-31
暴力- Tsu-Yo自由詩407-10-31
パルス- 大覚アキ ...自由詩207-10-25
回り続ける星の上で- 大覚アキ ...自由詩607-10-24
誰かが去ったあとを見る- モーヌ。自由詩25*07-9-14
モモンガー- 那津自由詩207-9-12
天国の子どもたち- モーヌ。自由詩16*07-9-7
うなり- わら自由詩26*07-8-31
ひぐらし- モーヌ。自由詩14*07-8-31
夏の終- モーヌ。自由詩10*07-8-24
虫たちの消息- yo-yo自由詩7*07-8-24
やっと鼻が利いてきたら- たけ い ...自由詩107-8-24
夏の日- 日朗歩野自由詩607-8-23
許し- チアーヌ自由詩607-8-23
道を間違えないで- Tsu-Yo自由詩207-8-23
トライアル- 那津自由詩307-8-22
滴る耳- A道化自由詩2507-8-22
リアル- 大覚アキ ...自由詩807-8-21
肺をみたす(水葬)- アオゾラ ...自由詩2507-8-17
かげろうと檜の木笠- モーヌ。自由詩13*07-8-10
千のベーゼ- ムラコシ ...自由詩7+*07-7-25
僕は目を覚ます時にリズムをライムに乗せる日の龍だ- 那津自由詩6*07-7-17
午前4時・真珠- たちばな ...自由詩19*07-6-27

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